シンガポール航空のクリスフライヤーに加入していて、やっとシルバーになったとおもっていたら、すぐに「あなたはゴールドメンバーになりました」という連絡が来た。先にメールで届いたのだが、その後すぐにゴールド用のカードとトラベルタグが家に届いた。
やっとのことでゴールドメンバーになったのだが、実はゴールドメンバーにこれまでなったことがなく、飛行機にのる出張もないし、そんなに頻繁に飛行機に乗る機会もないし、修行と称してどうでもいい路線を何往復もするということもしないし、単純にシンガポール経由でヨーロッパにいくことだけで獲得したということは、それはシンガポール航空のメンバーだったから成り立ったことだったかもしれない。それまではスカンジナビア航空のユーロボーナスのメンバーだったのだが、これが全くシルバーメンバーであってもメリットがなかったし、だいたいスカンジナビア航空に乗ることがほとんどないためにたくさんのマイルが貯まるというようなことができなかったからかもしれない。
クリスフライヤーのゴールドメンバーになった場合のメリットは、スターアライアンスのゴールドメンバになったのと全く同じ。
・全世界にあるスターアライアンスのラウンジに、ゲスト1人と一緒に入室することができる。
・バージン・オーストラリアのラウンジに、ゲスト1人と一緒に入室することができる。
・預ける荷物の重さが、通常の荷物に加えて、20kgプラスするか、もう1個分まで預けることができるというもの。
・空港でのチェックインのときに、優先チェックインカウンターを利用することが出来る。
・到着時の荷物の受け取りが優先的に受け取れる
・エコノミークラスで旅行する場合でも、優先的に搭乗口からの搭乗ができる。
・予約未確定の場合でも優先的に確約することができる
やっぱり一番のメリットはラウンジ利用だろう。これまではラウンジが利用できることがなかったので、出発までの暇な時間は空港内のコーヒーショップかお土産屋か、搭乗口前の椅子で待つしかなかったのだが、これでラウンジに入ってのんびりすることで、出発前までの時間が結構ある場合でも、このラウンジで時間をのんびりすることが出来るし、その間にラウンジで飲み食い好き放題することが出来るというのが良い。特に、シンガポールのチャンギ空港は、サービスが良さそうな気がするので、ここで長時間、時間を潰すということは可能だろう。それまでは、シンガポールに到着したら、シンガポール市内にMRTかタクシーで移動してご飯を食べるというようなことをして、6時間くらいのトランジット時間をつぶすようなことをしていたのだが、もうそんなことはしなくても良くなった。6時間だろうが、もっと長い時間だろうが、豊富な飲み食いができるサービスを無料で受けることができて、ネットにつなげて、やかましい一般客が周りにあまりいないような状態であることは、ずっとそこにいてもいいとおもうようになる。あとはシャワーサービスがこのラウンジに付いているかということだが、これは実際にシンガポールのチャンギ空港でそのうち利用するときに別途レポートしたいと思う。
預ける荷物についての重量制限についてプラス20kgまでOKというのも便利だ。というのも、あんまり気にしていなかったのだが、通常だとエコノミークラスの場合は、23kgまでの荷物しか預けることができない。以前、ベトナムに行ったときに初めて「超過料金」というものが必要になったことがあるのだが、厳しい係官に当たった場合には、ちょっとでも重いと、超過料金を払わなくてはいけない。ということは、荷物を23kg以内にしなければいけないというストレスを感じる。これが43kgまでOKということは、もうトランクに詰める荷物に付いては、全く荷物の重さを気にしなくてもいいということと同義だ。
そのほかは分かりきったことなのでどうでも良いと思っている。それと、「シルバーメンバーになった」の項目でも記載したが、シルバーで受けられている特権は、このゴールドでも当然継承されて受けることができるものだ。さて、早く国際線に乗って、これらの特典を思い存分使ってみたいと思う。
クリスフライヤー エリートゴールド
URL : http://www.singaporeair.com/ja_JP/ppsclub-krisflyer/KrisFlyer_EliteGold/
2012/11/01
ANA株主優待券を売る(2012年夏版)
ほとんど国内線を乗ることはなくなってしまったので、年に2回の配当に相当するときに配布されるANAの株主優待券だが、2012年6月1日から2013年5月31日まで有効の分についても、もうしばらくは乗らないだろうとおもっていたので、売却する機会を狙っていた。本来なら一般的な夏休みになる前に売ってしまったほうが良いんだろうと思ったのだが、その機会をすっかり逃してしまって、とうとう9月に入ってから売却に走った。
何度も記載しているとおり、ANAの株主優待券は、正規運賃の半額で乗れることができ、正規運賃と条件は同じように扱われることになり、いつでも変更が可能だし、いつでも払い戻しが可能であるし、誰でも使うことができるというものだ。長距離区間で適用すれば、その還元額かなり大きいし、正規割引運賃よりも安くいけることはもちろんだ。株主優待券は、金券ショップで売買されているので、優待券を持っていない人は金券ショップで買うことができる。ただ、これは時期によって、そして需要と供給の関係によって、かなり売買金額が変わってくるわけだが、その金券ショップで売られている価格で支払ったとしても、航空券を半額で買えるという金額とたした金額で長距離区間のチケットを買った場合、結構安い場合もあるのだ。特に沖縄や北海道のほうに行く場合には、優待券を買ってでも乗りたいというひとが多いのがいるのが現状。
したがって、長距離区間へのチケットを取ろうとするひとが多い時期にあわせて、優待券を売却してしまったほうがいいわけなのだが、それが毎年時期が変わってくるので、いつ売れば良いのかはほんとうに株価の売却と同じタイミングでいつなのかわからないから困る。また、時期だけじゃなく、金額についても、年によって1枚1万円以上になるときもあれば1枚5000円以下になる場合もあるし、金額目安でいまこの値段だから売り時期ということも考えられないのが事実である。
時期と値段の両面で、あまり市場のウォッチをしなかったために、売り時期を非常に外してしまったのは言うまでもないのだが、いつまでも持っていても仕方ないと思っていたし、有効期間が来年の5月末日まで使えるからと言って、その時期まで自分の手元においていてもなにも役には立たないから、さっさと売却してしまおうとおもったわけである。」
今回の売却額は1枚あたり6200円。新宿の某ショップに売却した価格である。これがこのときには一番高いと思ったので、そのまま何も考えずに売却した。7枚で45,200円。半年あたりの利益とする配当と考えれば、まぁまぁの価格なのではないだろうか?
また2012年12月1日から1年間有効になる株主優待券が11月後半に配布される。またこのときに、同じくらいの価格だったとしたら、年間9万円の配当があったのと同じなわけだ。今年は年間想定10万円の配当もどきが得られなかったのはちょっと痛かったかなーという気がする。
川幅うどん(鴻巣)
会社の出張で出かける場合には、頻繁にいくところだと全く興味が無いとしても、ほとんどこれまで行った事がないような場所だったら、なにか記念になるものを買って帰る、またはそこで体験したくなるというものである。その1つとして、現地での食べ物を食べるというのが体験として、あとで話しができるという意味でも一番楽しいものだと思う。なので、出張前には仕事のことはどうでもよくて、現地のご飯屋検索を時間をかけて調べ上げるということをたまにする。
しかし、大都市ではなく地方都市、それも小規模の地方都市だった場合には、その情報検索のパイが小さいため、なかなか、どこにしようかーと迷うことがなくなるために、どんなところがあるのかというドキドキ感が少なくなってしまうのは否めない。鴻巣に行くことができたときもたぶん、当地には何にもないんだろうなー、旨いところと評判の店は大した店じゃないだろうなーなんていう気持ちで調べてみたのだが、検索の結果、全く違うトキメキが現れてしまったので、恐るべし鴻巣と思った。
鴻巣に最近名物として登場したのが「川幅うどん」というものである。埼玉県全体として、最近流行のB級グルメを推奨している地域のようなのだが、各地域でなにか新しくグルメとなるようなものを考え出して、それを地域振興のためにどんどんアピールしようというのがきっかけだったらしい。鴻巣という埼玉中部の小規模都市においても同じようになにもないためになにか考えたのだろうが、そのときに考えられたのがこの川幅うどんというものだ。
そもそもこのネーミング、なんで変なのだろう?と誰もが思うところだろう。これもちゃんと理由はあるのだ。鴻巣市と隣りの吉見町の間を流れる荒川の幅が日本一であることにちなんで誕生したとのこと。日本一なんていうからにはどんだけ広いんだ?とおもうのだが、それが本当に広い。実質、普段水が流れているところの幅としては、数10メートのようなのだが、国土交通省は河川敷を含めた堤防の間を「川幅」と定めており、河口より上流62キロメートル地点の両堤防間の幅がなんと2,537メートルもあるとのこと。そこを渡る橋の長さはこれを超える長さがないといけないわけである。つまり、体育測定の1500m走は橋の上を直線走行で実現できるというものだ。
川幅うどんを鴻巣の名物にするために鴻巣の商工会のひとたちがタッグを組んで、麺を提供している店では積極的に川幅うどんを出していた。どこの店で川幅うどんが食べられるかは「こうのす川幅グルメ」というサイトに記載されているので、そこから探してみることにした。
まず行ってみたのが、川幅うどんの考案者が営業している「久良一(くらいち)」というところ。考案者の店にいかないと、まずは川幅うどんに失礼だというもの。このときに食べたのは、「冷製 川幅うどん(750円)」というもの。名物の川幅うどんと、普通のうどんがミックスされたものであるが、川幅うどんというものがどういうものかわからないので、運ばれてきてから詳細を調べてみようかと思った。
運ばれてきた器の中に入っているうどんを見ておどろいた。きしめんや山梨のほうとうのようなものだろうと思っていたものが、ワンタンの幅くらいあるうどんだったことを知って、よくもまぁ、こんなわけのわからないものを作ったものだと感心した。それも1つのうどんを箸で摘むと、結構重くて、手がプルプルしてくる。おまけに長いので、噛み切るのが大変だ。これならナイフとフォークで先に切り刻んでしまいたいと思うようなものだが、やっぱりうどんなので箸で食べたい。うどんとしてのこしは讃岐うどんのようなものではないのだが、あんまりこしがないものだと形にならないようなので、実は見た目以上にこしがあるのはびっくりした。
別の機会に鴻巣に行ったときにも、やっぱりここでは川幅うどんを食べようということになって、前回行った店とは違う店で食べることにしてみた。鴻巣の駅を挟んで西側にある店「小山屋食堂」というところにしてみたのである。名前からすると、別に麺屋さんというわけではなく、レバニラ炒めでも出しそうな店のように思うが、ここもちゃんと川幅うどんが出てくる。 こちらで選んだのは「鴨汁川幅うどん(800円)」というもの。漬け麺タイプの川幅うどんなのだが、鴨肉とその出汁から出来ているスープの中に、川幅うどんをつけて食べるというものだ。これがすごい美味しい。鴨肉のスープだけでも美味いのだが、そこのあの食べにくいうどんをつけて味を馴染ませるというスタイルが、まろやかな味になる。普通の汁系うどんではなく、こういう漬け麺にするのもなかなか面白いなーとおもった。さすが漬け麺ブームの影響がこちらにも波及してるんだろう。
埼玉B級グルメにも常連にもなっている川幅うどん。前からちょっと気になっていたのだが、実際に食べて、その幅の広さにはびっくりした。たぶん久良一の主人が、中途半端な幅だと誰もびっくりしないからと、あのサイズにしたんだろうというのは想像できる。たしかにインパクトはある。こういうくだらないアイディアを考えた町の人たちのユーモアが面白いではないか!
こうのす川幅グルメ
URL : http://www.city.kounosu.saitama.jp/9,7527,83,497.html
店舗名:久良一(くらいち)
住所:鴻巣市人形4-1-36
電話:048-542-5542
定休日:木曜日
営業時間:11:30から15:00
17:30から21:00
店舗名:小山屋食堂
住所:埼玉県鴻巣市本町5-9-2
電話:048-541-0064
定休日:日曜・祝日 第2土曜
営業時間:11:00~14:00
17:00~19:00
しかし、大都市ではなく地方都市、それも小規模の地方都市だった場合には、その情報検索のパイが小さいため、なかなか、どこにしようかーと迷うことがなくなるために、どんなところがあるのかというドキドキ感が少なくなってしまうのは否めない。鴻巣に行くことができたときもたぶん、当地には何にもないんだろうなー、旨いところと評判の店は大した店じゃないだろうなーなんていう気持ちで調べてみたのだが、検索の結果、全く違うトキメキが現れてしまったので、恐るべし鴻巣と思った。
鴻巣に最近名物として登場したのが「川幅うどん」というものである。埼玉県全体として、最近流行のB級グルメを推奨している地域のようなのだが、各地域でなにか新しくグルメとなるようなものを考え出して、それを地域振興のためにどんどんアピールしようというのがきっかけだったらしい。鴻巣という埼玉中部の小規模都市においても同じようになにもないためになにか考えたのだろうが、そのときに考えられたのがこの川幅うどんというものだ。
そもそもこのネーミング、なんで変なのだろう?と誰もが思うところだろう。これもちゃんと理由はあるのだ。鴻巣市と隣りの吉見町の間を流れる荒川の幅が日本一であることにちなんで誕生したとのこと。日本一なんていうからにはどんだけ広いんだ?とおもうのだが、それが本当に広い。実質、普段水が流れているところの幅としては、数10メートのようなのだが、国土交通省は河川敷を含めた堤防の間を「川幅」と定めており、河口より上流62キロメートル地点の両堤防間の幅がなんと2,537メートルもあるとのこと。そこを渡る橋の長さはこれを超える長さがないといけないわけである。つまり、体育測定の1500m走は橋の上を直線走行で実現できるというものだ。
川幅うどんを鴻巣の名物にするために鴻巣の商工会のひとたちがタッグを組んで、麺を提供している店では積極的に川幅うどんを出していた。どこの店で川幅うどんが食べられるかは「こうのす川幅グルメ」というサイトに記載されているので、そこから探してみることにした。
まず行ってみたのが、川幅うどんの考案者が営業している「久良一(くらいち)」というところ。考案者の店にいかないと、まずは川幅うどんに失礼だというもの。このときに食べたのは、「冷製 川幅うどん(750円)」というもの。名物の川幅うどんと、普通のうどんがミックスされたものであるが、川幅うどんというものがどういうものかわからないので、運ばれてきてから詳細を調べてみようかと思った。
運ばれてきた器の中に入っているうどんを見ておどろいた。きしめんや山梨のほうとうのようなものだろうと思っていたものが、ワンタンの幅くらいあるうどんだったことを知って、よくもまぁ、こんなわけのわからないものを作ったものだと感心した。それも1つのうどんを箸で摘むと、結構重くて、手がプルプルしてくる。おまけに長いので、噛み切るのが大変だ。これならナイフとフォークで先に切り刻んでしまいたいと思うようなものだが、やっぱりうどんなので箸で食べたい。うどんとしてのこしは讃岐うどんのようなものではないのだが、あんまりこしがないものだと形にならないようなので、実は見た目以上にこしがあるのはびっくりした。
別の機会に鴻巣に行ったときにも、やっぱりここでは川幅うどんを食べようということになって、前回行った店とは違う店で食べることにしてみた。鴻巣の駅を挟んで西側にある店「小山屋食堂」というところにしてみたのである。名前からすると、別に麺屋さんというわけではなく、レバニラ炒めでも出しそうな店のように思うが、ここもちゃんと川幅うどんが出てくる。 こちらで選んだのは「鴨汁川幅うどん(800円)」というもの。漬け麺タイプの川幅うどんなのだが、鴨肉とその出汁から出来ているスープの中に、川幅うどんをつけて食べるというものだ。これがすごい美味しい。鴨肉のスープだけでも美味いのだが、そこのあの食べにくいうどんをつけて味を馴染ませるというスタイルが、まろやかな味になる。普通の汁系うどんではなく、こういう漬け麺にするのもなかなか面白いなーとおもった。さすが漬け麺ブームの影響がこちらにも波及してるんだろう。
埼玉B級グルメにも常連にもなっている川幅うどん。前からちょっと気になっていたのだが、実際に食べて、その幅の広さにはびっくりした。たぶん久良一の主人が、中途半端な幅だと誰もびっくりしないからと、あのサイズにしたんだろうというのは想像できる。たしかにインパクトはある。こういうくだらないアイディアを考えた町の人たちのユーモアが面白いではないか!
こうのす川幅グルメ
URL : http://www.city.kounosu.saitama.jp/9,7527,83,497.html
店舗名:久良一(くらいち)
住所:鴻巣市人形4-1-36
電話:048-542-5542
定休日:木曜日
営業時間:11:30から15:00
17:30から21:00
店舗名:小山屋食堂
住所:埼玉県鴻巣市本町5-9-2
電話:048-541-0064
定休日:日曜・祝日 第2土曜
営業時間:11:00~14:00
17:00~19:00
2012/10/28
古代蝦夷とアイヌ―金田一京助の世界〈2〉
日本の北方民族であるアイヌについては、アイヌのひとたちも自分たちのアイデンティティを隠しているし、和人もアイヌに対しては違う人たちという目でみるために、どうしてもアイヌが表立って出てくるようなことがないのは悲しいことだ。台湾のような小さい地域でさえ、少数民族は尊重され、そして決して漢民族から見下されているというわけでもなく、自分のアイデンティティさえも決して隠すことはない。しかし、残念ながらアイヌは今では自分がアイヌであることを墓場まで隠し通そうとする人もいるし、さらにアイヌを見つけたら異物のように思う人もいるし、さらにアイヌコタンのような村があまり人気が無いのは、アイヌに対して全く敬意や知ろうとする意識が和人に無いからなんだろうと思う。
金田一京助はアイヌ文化とアイヌ語の研究にいそしんだひととしてとても有名であり、彼がアイヌの研究をしなかったら、アイヌは言葉も文化も廃れる運命にある民族の文化だったに違いない。金田一京助が北海道に訪れたときには、すでに多くのアイヌ民族の文化のうちいくつかはもう消滅していたというくらいだから、もう少し前からアイヌについての考えが和人に芽生えていたら、生き字引はいなくなったとしても文書として残っていたんだろうと思う。なにしろ、アイヌは文字を持たない文化なので、すべてが口承でしか歴史は伝わらないのである。これは台湾の閩南語と同じだ。
本書は金田一京助が晩年各種の雑誌への論文投稿や、講演会で講演した際に話した内容をそのまままとめて載せているものである。明治時代に発表されたものではあるのだが、決して文語調で書かれているものではないので、現代日本人にとってもとても読みやすいものだと思う。そして、金田一京助がアイヌについて偏見に満ちていた考えが一般日本人にもたれていたものを、なんとかして払拭するために、科学的・文学的・歴史的な面などいろいろな観点からアイヌ全体について、アイヌは日本の文化を作っている基礎の一部なのであるということを主張しているわけである。
そしてもう1つ金田一京助は本書の中で述べておきたいことを記しているが、それは「えみし(蝦夷)」というのはアイヌのことであるということなのであり、これは文化的に上から目線の和人が勝手につけたものであるということなのだが、実はアイヌに対して中世は征伐はしているのだが、決してヨーロッパのゲルマン人からみたユダヤ人のような扱いをしているわけじゃなく、酋長を招待して儀式を迎えているという点などがあったことを述べて対等の扱いだったということを述べているわけだ。
よく言われているのだが、地名を見ればアイヌの名残があるというのがわかるというもの。特に東北地方はアイヌ民族が住んでいたところであり、のちに北東北部と北海道に集中してしまってはいるが、それでも東北地方にたくさんアイヌ語を基にした地名があるのは、そこに住んでいたからという証拠だということだ。アイヌ語にしてしまえば、同じ意味なのだが、アイヌ語では都合が悪いのか、和人は無理やり漢字を使ってアイヌ語ではないように見せることにしたため、現代人にとってはその地名がアイヌから来ているのかというのが一瞬では分からない。東北地方で「ナイ」がつくところは、確実にそこにアイヌが住んでいたところの証であるが、そういう証拠となる地名の説明に付いて、かなりのページを割いて説明してる。地理好き・言語好きなひとにとっては、なかなかおもしろい章だろうと思う。
そして、金田一京助は、「義経の入夷伝説考」と「アイヌ叙事詩」についても忘れずに言及している。前者については、なんでこういう伝説が生まれたのかというのを、いろいろな項目から検証している。もちろん、この伝説が生まれたのは虚説から始まっているというスタンスは変わっていない。衣川での自殺は明晰に立証されているのに、それでもなおこの伝説が生きているのはなぜだろうかということだ。このあたりの検証についての話の内容は、多岐にわたっているので、まさしく冒険物語を読んでいるかのようにワクワクしてくるから、是非一読していただきたいところだし、アイヌのなかで、義経に関する伝説があるというのは、琉球における平家伝説があるのに近いくらい面白さがあるところを呼んでいただきたいところだ。
後者のアイヌ叙事詩は、世界三大叙事詩の1つであるユーカラだが、この話の中身について、話の内容をあまりよく知らない人たちに対して説明するような書き方で論じているの。もともとアイヌは文字がなく、口承でしか文化を使えることはないため、なんでも話にして伝えようとしていた。そのため、話が結局長く続いて、ひとつの叙事詩のように出来たともいえようが、それでも主人公とその話の発展というのはどこか中心となるような骨格があるわけだ。それは一体なんなのかというのを説明しているが、それと同時に、アイヌ語で伝わるなかでのキーワードについても説明がある。キーワードもその言葉の本来の意味はなんなのか?というという予備知識がないと、ユーカラの話はなかなか理解できないというのだが、金田一京助はそこをちゃんと補ってくれている。だから、ユーカラを一度読んでみたくなるような内容だった。
アイヌに付いては日本人は知っておくべき文化の1つだとおもう。ヨーロッパや東南アジアの文化をしることも良いことだと思うが、日本人が自ら隠そうとしている日本の文化の1つを知らないで他国の文化を知ったところで、それはなんの自慢にもならない。おいおい、アイヌに付いては個人的な知識の吸収の課題としてこれは進めていきたいところだが、残念ながらまわりにアイヌがいないので、詳しいことが聞けないのが残念だ。金田一京助のこれまでの成果を追いたいところである。
古代蝦夷とアイヌ―金田一京助の世界〈2〉
著者:金田一 京助
単行本: 316ページ
出版社: 平凡社
発売日: 2004/06
金田一京助はアイヌ文化とアイヌ語の研究にいそしんだひととしてとても有名であり、彼がアイヌの研究をしなかったら、アイヌは言葉も文化も廃れる運命にある民族の文化だったに違いない。金田一京助が北海道に訪れたときには、すでに多くのアイヌ民族の文化のうちいくつかはもう消滅していたというくらいだから、もう少し前からアイヌについての考えが和人に芽生えていたら、生き字引はいなくなったとしても文書として残っていたんだろうと思う。なにしろ、アイヌは文字を持たない文化なので、すべてが口承でしか歴史は伝わらないのである。これは台湾の閩南語と同じだ。
本書は金田一京助が晩年各種の雑誌への論文投稿や、講演会で講演した際に話した内容をそのまままとめて載せているものである。明治時代に発表されたものではあるのだが、決して文語調で書かれているものではないので、現代日本人にとってもとても読みやすいものだと思う。そして、金田一京助がアイヌについて偏見に満ちていた考えが一般日本人にもたれていたものを、なんとかして払拭するために、科学的・文学的・歴史的な面などいろいろな観点からアイヌ全体について、アイヌは日本の文化を作っている基礎の一部なのであるということを主張しているわけである。
そしてもう1つ金田一京助は本書の中で述べておきたいことを記しているが、それは「えみし(蝦夷)」というのはアイヌのことであるということなのであり、これは文化的に上から目線の和人が勝手につけたものであるということなのだが、実はアイヌに対して中世は征伐はしているのだが、決してヨーロッパのゲルマン人からみたユダヤ人のような扱いをしているわけじゃなく、酋長を招待して儀式を迎えているという点などがあったことを述べて対等の扱いだったということを述べているわけだ。
よく言われているのだが、地名を見ればアイヌの名残があるというのがわかるというもの。特に東北地方はアイヌ民族が住んでいたところであり、のちに北東北部と北海道に集中してしまってはいるが、それでも東北地方にたくさんアイヌ語を基にした地名があるのは、そこに住んでいたからという証拠だということだ。アイヌ語にしてしまえば、同じ意味なのだが、アイヌ語では都合が悪いのか、和人は無理やり漢字を使ってアイヌ語ではないように見せることにしたため、現代人にとってはその地名がアイヌから来ているのかというのが一瞬では分からない。東北地方で「ナイ」がつくところは、確実にそこにアイヌが住んでいたところの証であるが、そういう証拠となる地名の説明に付いて、かなりのページを割いて説明してる。地理好き・言語好きなひとにとっては、なかなかおもしろい章だろうと思う。
そして、金田一京助は、「義経の入夷伝説考」と「アイヌ叙事詩」についても忘れずに言及している。前者については、なんでこういう伝説が生まれたのかというのを、いろいろな項目から検証している。もちろん、この伝説が生まれたのは虚説から始まっているというスタンスは変わっていない。衣川での自殺は明晰に立証されているのに、それでもなおこの伝説が生きているのはなぜだろうかということだ。このあたりの検証についての話の内容は、多岐にわたっているので、まさしく冒険物語を読んでいるかのようにワクワクしてくるから、是非一読していただきたいところだし、アイヌのなかで、義経に関する伝説があるというのは、琉球における平家伝説があるのに近いくらい面白さがあるところを呼んでいただきたいところだ。
後者のアイヌ叙事詩は、世界三大叙事詩の1つであるユーカラだが、この話の中身について、話の内容をあまりよく知らない人たちに対して説明するような書き方で論じているの。もともとアイヌは文字がなく、口承でしか文化を使えることはないため、なんでも話にして伝えようとしていた。そのため、話が結局長く続いて、ひとつの叙事詩のように出来たともいえようが、それでも主人公とその話の発展というのはどこか中心となるような骨格があるわけだ。それは一体なんなのかというのを説明しているが、それと同時に、アイヌ語で伝わるなかでのキーワードについても説明がある。キーワードもその言葉の本来の意味はなんなのか?というという予備知識がないと、ユーカラの話はなかなか理解できないというのだが、金田一京助はそこをちゃんと補ってくれている。だから、ユーカラを一度読んでみたくなるような内容だった。
アイヌに付いては日本人は知っておくべき文化の1つだとおもう。ヨーロッパや東南アジアの文化をしることも良いことだと思うが、日本人が自ら隠そうとしている日本の文化の1つを知らないで他国の文化を知ったところで、それはなんの自慢にもならない。おいおい、アイヌに付いては個人的な知識の吸収の課題としてこれは進めていきたいところだが、残念ながらまわりにアイヌがいないので、詳しいことが聞けないのが残念だ。金田一京助のこれまでの成果を追いたいところである。
古代蝦夷とアイヌ―金田一京助の世界〈2〉
著者:金田一 京助
単行本: 316ページ
出版社: 平凡社
発売日: 2004/06
ルーマーズ(演劇)
毎年秋に公演している黒柳徹子の海外コメディ舞台を今年も行ってきた。今回は「ルーマーズ」という題名のもの。2012年10月18日(木)~11月4日(日)の3週間、銀座のル・テアトル銀座 by PARCOでの公演だったが、ここ数年、公演期間中の数日だけは、舞台が終わったあとのトークショーを行うことをし始めているので、そのトークショーのある日にあわせて行く事にした。トークショーといっても、黒柳徹子が舞台の上でひとりで、好き勝手に喋るというもので、誰かコメンテーターがいたり、聞き役がいたりするというものでは全然ない。「徹子の部屋・独りバージョン」と思ったら良いだろう。このトークショーの内容が、その前にやっている舞台の内容を忘れてしまうくらい面白いことばっかり言うので、こちらも調子に乗って、毎回トークショーがあるときしか席の予約をしたくなくなってきたのである。
お話は、ニューヨーク郊外に建つ市長代理の豪邸へ結婚記念日のパーティーに呼ばれた4組のセレブカップルが起こす、ドタバタコメディで、最初のウソがだんだん尾ひれをつけてしまい、最初にウソを作ったカップルのあとにこの家にやってくるカップルがさらに別のウソを作って・・というような、典型的なお笑いもの。話の内容を記載してしまうと、お話をこれから観ようと思っていた人に種明かしになってしまうので、これ以上は述べないことにしよう。
途中休憩20分間を挟んだとしても全部で2時間40分のお芝居は、そのおかしさで一瞬たりとも気を抜けないものだったが、いくつかこの芝居で気づいたことがあったので、話に関係ないところの部分だけ述べたいと思う。
以下、黒柳徹子を「徹子ちゃん」と呼ぶことにするが、このお芝居では、2階建ての家の内部を想定した舞台つくりになっているので、話の流れによってはたまに2階に行かねばならないことがある。他の共演者は、何度も1階と2階の行き来をする芝居をしており、そのたびに舞台につくられた階段を上り下りすることをしなければならないから、結構足腰が大変だなーとみていて思った。しかし、徹子ちゃんの場合は、もう御歳80歳になるくらいの年齢であるため、さすがに階段の上り下りをさせるのは演出家としても忍びがたいとおもったのか、この舞台上の家には、家の持ち主の親のために、エレベータを作ったということにして、徹子ちゃんのみが1階と2階の行き来するための道具に使っていたという点だろう。演出の台本によくいれたなーと感心したのはこの点。全然不自然にエレベータを使っていないのだ。だけど、やっぱり、階段をドタバタ下りることで、あたふたしている様子を演出しようとする本来の動きを表現するには、エレベータは「間」を空けてしまうものだった。エレベータが動いている間は、芝居は止まってしまうのである。徹子ちゃんが移動する間は、芝居は先に勧めないのだ。ましてやエレベータが巧く動かなかった場合には、まさしく「どうした徹子?!」と観客もそうだが、舞台に立っている俳優たちも思ってしまうことだろう。
以前からもそうなのだが、周りの俳優・女優が個性派ばかりを集めていることにもよるが、徹子ちゃんの芝居をよくサポートしていると感じる。それは演技もそうなのだが、徹子ちゃんもさすがに歳には勝てないのか、言葉の切れが悪くなっているのは否めないところで仕方ないが、それを別の俳優や女優が言葉をアドリブで補っているところだろう。あれは観ていてすぐにわかるのだが、さすがに、事前稽古も含めて数ヶ月一緒に行っているということを考えれば、互いに全部のセリフを覚えてしまうことなのだろうから、そこで相手のセリフを補うことも可能なんだと思う。不自然に行わないところがプロだ。
トークショーのほうは、当初は20分間の予定だったが、結局90分も独りでしゃべくりまくったというオチ。これは毎度のことながら、徹子ちゃんが勝手に約束を破って「まだいいでしょ?」とどこかのスタッフに言いながらしゃべくりまくるというものだ。これがもう芸能界の裏話みたいなものを伝える定例会みたいになっているのでおもしろい。が、どうしても前年と同じ話をかぶしてしまうというところもご愛嬌。寅さん映画のように、毎回話しに出てくるのは分かっていることを前提に聞くのも楽しいではないか。それにしても、ザ・ベストテンのときの徹子ちゃんのときと同じように、喋る勢いは全く衰えなし。全部入れ歯にしてしまったので、シャカシャカした喋り方になってしまっている点だけは仕方ないと思うが、どこにあんな元気なパワーがあの歳であるんだろう?と本当に不思議に思うし、すばらしい女優だと思った。
さて、ル・テアトル銀座での徹子ちゃんの芝居は、今回で実は終了。ル・テアトル銀座は旧・銀座セゾン劇場と名乗っていたときに一度倒産したが、サポートしてくれるところが出てきて再建して芝居ができるところとして復活したという歴史があるが、これで2回目の営業停止だ。また新たなサポート会社・組織が出てくれば、劇場として復活するかもしれない。しかし、徹子ちゃんの芝居は今後は渋谷のBUNKAMURAで行うことになるようだから、徹子ちゃんファンはこれまでと同様に芝居にいって、徹子ちゃんの健在ぶりを見ることができるのは嬉しい。
黒柳徹子主演海外コメディ第26弾「ルーマーズ 口から耳へ、耳から口へ」
公演日程:2012年10月18日(木)~11月4日(日)
作 :ニール・サイモン作
演出:高橋昌也
出演:黒柳徹子
羽場裕一 かとうかず子 大森博史
茅島成美 鶴田 忍 平栗あつみ
石田登星 森レイ子 石田圭祐
会場:ル テアトル銀座 by PARCO
お話は、ニューヨーク郊外に建つ市長代理の豪邸へ結婚記念日のパーティーに呼ばれた4組のセレブカップルが起こす、ドタバタコメディで、最初のウソがだんだん尾ひれをつけてしまい、最初にウソを作ったカップルのあとにこの家にやってくるカップルがさらに別のウソを作って・・というような、典型的なお笑いもの。話の内容を記載してしまうと、お話をこれから観ようと思っていた人に種明かしになってしまうので、これ以上は述べないことにしよう。
途中休憩20分間を挟んだとしても全部で2時間40分のお芝居は、そのおかしさで一瞬たりとも気を抜けないものだったが、いくつかこの芝居で気づいたことがあったので、話に関係ないところの部分だけ述べたいと思う。
以下、黒柳徹子を「徹子ちゃん」と呼ぶことにするが、このお芝居では、2階建ての家の内部を想定した舞台つくりになっているので、話の流れによってはたまに2階に行かねばならないことがある。他の共演者は、何度も1階と2階の行き来をする芝居をしており、そのたびに舞台につくられた階段を上り下りすることをしなければならないから、結構足腰が大変だなーとみていて思った。しかし、徹子ちゃんの場合は、もう御歳80歳になるくらいの年齢であるため、さすがに階段の上り下りをさせるのは演出家としても忍びがたいとおもったのか、この舞台上の家には、家の持ち主の親のために、エレベータを作ったということにして、徹子ちゃんのみが1階と2階の行き来するための道具に使っていたという点だろう。演出の台本によくいれたなーと感心したのはこの点。全然不自然にエレベータを使っていないのだ。だけど、やっぱり、階段をドタバタ下りることで、あたふたしている様子を演出しようとする本来の動きを表現するには、エレベータは「間」を空けてしまうものだった。エレベータが動いている間は、芝居は止まってしまうのである。徹子ちゃんが移動する間は、芝居は先に勧めないのだ。ましてやエレベータが巧く動かなかった場合には、まさしく「どうした徹子?!」と観客もそうだが、舞台に立っている俳優たちも思ってしまうことだろう。
以前からもそうなのだが、周りの俳優・女優が個性派ばかりを集めていることにもよるが、徹子ちゃんの芝居をよくサポートしていると感じる。それは演技もそうなのだが、徹子ちゃんもさすがに歳には勝てないのか、言葉の切れが悪くなっているのは否めないところで仕方ないが、それを別の俳優や女優が言葉をアドリブで補っているところだろう。あれは観ていてすぐにわかるのだが、さすがに、事前稽古も含めて数ヶ月一緒に行っているということを考えれば、互いに全部のセリフを覚えてしまうことなのだろうから、そこで相手のセリフを補うことも可能なんだと思う。不自然に行わないところがプロだ。
トークショーのほうは、当初は20分間の予定だったが、結局90分も独りでしゃべくりまくったというオチ。これは毎度のことながら、徹子ちゃんが勝手に約束を破って「まだいいでしょ?」とどこかのスタッフに言いながらしゃべくりまくるというものだ。これがもう芸能界の裏話みたいなものを伝える定例会みたいになっているのでおもしろい。が、どうしても前年と同じ話をかぶしてしまうというところもご愛嬌。寅さん映画のように、毎回話しに出てくるのは分かっていることを前提に聞くのも楽しいではないか。それにしても、ザ・ベストテンのときの徹子ちゃんのときと同じように、喋る勢いは全く衰えなし。全部入れ歯にしてしまったので、シャカシャカした喋り方になってしまっている点だけは仕方ないと思うが、どこにあんな元気なパワーがあの歳であるんだろう?と本当に不思議に思うし、すばらしい女優だと思った。
さて、ル・テアトル銀座での徹子ちゃんの芝居は、今回で実は終了。ル・テアトル銀座は旧・銀座セゾン劇場と名乗っていたときに一度倒産したが、サポートしてくれるところが出てきて再建して芝居ができるところとして復活したという歴史があるが、これで2回目の営業停止だ。また新たなサポート会社・組織が出てくれば、劇場として復活するかもしれない。しかし、徹子ちゃんの芝居は今後は渋谷のBUNKAMURAで行うことになるようだから、徹子ちゃんファンはこれまでと同様に芝居にいって、徹子ちゃんの健在ぶりを見ることができるのは嬉しい。
黒柳徹子主演海外コメディ第26弾「ルーマーズ 口から耳へ、耳から口へ」
公演日程:2012年10月18日(木)~11月4日(日)
作 :ニール・サイモン作
演出:高橋昌也
出演:黒柳徹子
羽場裕一 かとうかず子 大森博史
茅島成美 鶴田 忍 平栗あつみ
石田登星 森レイ子 石田圭祐
会場:ル テアトル銀座 by PARCO
日本橋・玉ゐ
日本橋界隈はどこを歩いても本当に落ち着く。なぜだろう、この感覚は。近代と伝統、発展と停滞、想像と保守。どの面をとっても、正反対ではない2つのポジティブとネガティブな表現を交差することができる街だからなんだろうなと思う。だから、たまに日本橋をふらふらするのが好きなのである。
いつの時間帯に行っても、常に店の前に長蛇の列ができていて、前から気になっている店がある。日本橋高島屋のすぐ裏にあるあなご料理店「玉ゐ」だ。あなご専門店であり、あなごに関する料理は多種多様にあるという店である。さすが江戸前、鰻じゃなくあなごをメインとする店があることが面白い。
夜に行くより、断然昼に行った方が人は少ないだろうと思って行ってみたのだが、全然当てがはずれた。昼間でもこの店は混んでいるのである。幸いにもこの日は小雨だったので、あまり外に待っている人はいなかった。が、傘を持って歩いてこなかった人が、雨の中で待っていられないのか、近くの店の軒下に立っている。どの人も、店の前に置かれている順番待ちを表す名前を記入したあとに立っているのだが、その順番待ちの数に耐えられなくて、名前を書いたのはいいが、そのまま高島屋に行って買い物でもしている人が多いようなのである。お店の人が「いますかー?」と冷静に呼んでも返事が無い場合には即効で次の人に飛ばされる。順番待ちのひとが呼ばれたあとに戻ってきた場合には、仕方なく最早で呼ばれることになるようだ。
うな重と同じように、あなごがお重に入った形で提供される「あなご箱めし」はあなごの大きさと数によって、小箱・中箱・大箱の3種類が存在する。デフォルトで焼き骨が入った茶漬け用出汁というのが勝手に付いてくる。今回は小箱を選んだのだが、隣りで食べていたサラリーマンは大箱を選んでいた。
中に入ると、テーブル席とカウンター席がある。テーブル席にいる客は、長居する気マンマンのひとが多いのか、意外に客の回転が悪い。カウンター席は入口席に近いからということもあるのだが、結構食べたらさっさと出てくる人が多いため、大抵、後から入店するようなお客さんはこのカウンター席のほうへ積極的に座らされる。
お重を注文すると、ゆず・わさび・白胡椒・ねぎの4種類の薬味と、最後にお茶漬けにして食べれるような出汁が提供される。まるで鰻の「ひつまぶし」を食べているような食べ方だが、あれと大体似ていると思って良いと思う。ただし、素材は鰻ではなくあなごである。だから、高級感を無理やり仕立てて鰻なみの質にしたように見えなくも無い。
個人的にはあなごを食べるには絶対一番あなご寿司にしたほうが美味いとおもうのだが、こういうお重にしてたべるのもなかなかおもしろい趣向だなということに気づいた。あの甘いタレを味わっているのかもしれないのだが、それでもあなごの味は分かる。ただ、残念ながら鰻のように、デブっとしたようなあなごは、あなごの性質上そんなものはありえないので、残念ながら鰻と同じようなものを追い求めてはいけない。あくまでもあなごはあなごなのである。しかし、そのあなごをいかに色々な味付けで食べようと試みているこの趣向が面白いではないか。
味はなにをしても所詮深みが出てこないあなごである。ただ、こういう店が今でも日本橋のど真ん中で客に媚を売らずに営業をしていることがすばらしいではないか。家屋も近代化せず、決して周りの風景に同調しませんという頑固なまでの雰囲気。たまに、こういう店にいくと、勝負するという気になってしまうのはなぜだろうなー。
あなご料理 玉ゐ 日本場所本店
URL : http://anago-tamai.com/
住所:東京都中央区日本橋 2-9-9
電話番号:03-3272-3227
営業時間:平日 11:00~14:30(L.O.14:00)
17:00~21:30(L.O.21:00)
土・日・祝 11:30~15:30(L.O.15:00)
16:30~21:00(L.O.20:30)
いつの時間帯に行っても、常に店の前に長蛇の列ができていて、前から気になっている店がある。日本橋高島屋のすぐ裏にあるあなご料理店「玉ゐ」だ。あなご専門店であり、あなごに関する料理は多種多様にあるという店である。さすが江戸前、鰻じゃなくあなごをメインとする店があることが面白い。
夜に行くより、断然昼に行った方が人は少ないだろうと思って行ってみたのだが、全然当てがはずれた。昼間でもこの店は混んでいるのである。幸いにもこの日は小雨だったので、あまり外に待っている人はいなかった。が、傘を持って歩いてこなかった人が、雨の中で待っていられないのか、近くの店の軒下に立っている。どの人も、店の前に置かれている順番待ちを表す名前を記入したあとに立っているのだが、その順番待ちの数に耐えられなくて、名前を書いたのはいいが、そのまま高島屋に行って買い物でもしている人が多いようなのである。お店の人が「いますかー?」と冷静に呼んでも返事が無い場合には即効で次の人に飛ばされる。順番待ちのひとが呼ばれたあとに戻ってきた場合には、仕方なく最早で呼ばれることになるようだ。
うな重と同じように、あなごがお重に入った形で提供される「あなご箱めし」はあなごの大きさと数によって、小箱・中箱・大箱の3種類が存在する。デフォルトで焼き骨が入った茶漬け用出汁というのが勝手に付いてくる。今回は小箱を選んだのだが、隣りで食べていたサラリーマンは大箱を選んでいた。
中に入ると、テーブル席とカウンター席がある。テーブル席にいる客は、長居する気マンマンのひとが多いのか、意外に客の回転が悪い。カウンター席は入口席に近いからということもあるのだが、結構食べたらさっさと出てくる人が多いため、大抵、後から入店するようなお客さんはこのカウンター席のほうへ積極的に座らされる。
お重を注文すると、ゆず・わさび・白胡椒・ねぎの4種類の薬味と、最後にお茶漬けにして食べれるような出汁が提供される。まるで鰻の「ひつまぶし」を食べているような食べ方だが、あれと大体似ていると思って良いと思う。ただし、素材は鰻ではなくあなごである。だから、高級感を無理やり仕立てて鰻なみの質にしたように見えなくも無い。
個人的にはあなごを食べるには絶対一番あなご寿司にしたほうが美味いとおもうのだが、こういうお重にしてたべるのもなかなかおもしろい趣向だなということに気づいた。あの甘いタレを味わっているのかもしれないのだが、それでもあなごの味は分かる。ただ、残念ながら鰻のように、デブっとしたようなあなごは、あなごの性質上そんなものはありえないので、残念ながら鰻と同じようなものを追い求めてはいけない。あくまでもあなごはあなごなのである。しかし、そのあなごをいかに色々な味付けで食べようと試みているこの趣向が面白いではないか。
味はなにをしても所詮深みが出てこないあなごである。ただ、こういう店が今でも日本橋のど真ん中で客に媚を売らずに営業をしていることがすばらしいではないか。家屋も近代化せず、決して周りの風景に同調しませんという頑固なまでの雰囲気。たまに、こういう店にいくと、勝負するという気になってしまうのはなぜだろうなー。
あなご料理 玉ゐ 日本場所本店
URL : http://anago-tamai.com/
住所:東京都中央区日本橋 2-9-9
電話番号:03-3272-3227
営業時間:平日 11:00~14:30(L.O.14:00)
17:00~21:30(L.O.21:00)
土・日・祝 11:30~15:30(L.O.15:00)
16:30~21:00(L.O.20:30)
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