ガートナー ジャパン、「日本のビジネスマンにおけるITを利用したワークスタイル」の調査結果を発表
ガートナー ジャパン株式会社(所在地:東京都目黒区、代表取締役社長:日高信彦)のリサーチ部門は、日本のビジネスマンにおけるITを利用したワークスタイルに関する調査結果を発表した。
これによりますと、ビジネスマンが利用する情報源のうち、「検索エンジンで入手するWeb情報」が「新聞・書籍・雑誌」といった既存のメディアを上回りま した。これは、ビジネスマンの知的ワークスタイルがインターネットの影響を受けて大変革を遂げていることを示すものです。Web2.0などの潮流にあるイ ンターネットは、今後さらに進化し、より使いやすく、より新しい価値を提供するようになるため、インターネットへの依存度はますます高まる傾向にある、と ガートナーは考えています。またその一方で、検索エンジンからの膨大な情報の分析、情報発信元の信用度についての判断、優先順位の策定など、個人のイン ターネット・スキルも重要となってくるでしょう。
■「検索で得られるWeb情報」が情報源の第1位に
ビジネスマンが仕事で利用 する情報源で、「検索サイトを介して入手できる情報」すなわち「Web検索情報」の利用度が、「新聞・書籍・雑誌」といった「リアル」の既存メディアを抜 いて第1位になりました(下図)。第2位との差はわずかであったことから、両者が逆転したのは比較的最近のことと推定できます。長い間、ビジネスマンの情 報源としての中心的な存在は紙媒体でしたが、現在はインターネットがこれを上回っており、世界中でこのような現象が起こっているものと考えられます。これ はインターネットがもたらした歴史的変革の1つといえるかもしれません。
この傾向は年齢が低いほど高くなっており、世代交代が進むにつれてますます高まるものと考えられます。
今回の調査で、情報源として第8位に「検索サイトでのみ提供されている情報」がありましたが、これは主にポータル・サイトを指すとみられます。かつて固定 的なポータル・サイトでどれだけ情報が提供できるかで集客を競った時代がありましたが、こうしたポータル・サイトがビジネスマンの情報源としてあまり重要 でなくなっていることを改めて示唆しています。同時にこれは、「検索エンジン」がますます重要な存在になりつつあることを示すとともに、ビジネス情報が 「リアル」からWeb、有料から無料(あるいは極めて低料金)への流れが加速しているという点で重要な変革とみられます。
■変わる知的労働者のワークスタイル
最近では、辞書出版社が「リアル」(書籍辞書)とWeb版の辞書の同時提供を行うと発表しましたが、これはWebがますます無視できない存在となり、「リ アル」なメディアもWebとの連携が不可欠になってきたことを示しています。とはいえ「講演会、セミナー」といったライブなリアル・メディアも第4位に位 置しており、実際に足を運んで入手する情報は依然として重要であることに変わりありません。「ブログ」は3%とまだまだ少ないですが、Webで検索してブ ログから情報を収集するケースも増えてきており、特に最近では、検索でヒットするブログや、重要な情報を提供するブログも多くなってきていることから、実 際にはこれよりもはるかに多いと思われます。いずれにしても、ビジネスマンにとってWeb、とりわけ検索エンジンは極めて重要なものになりつつあり、知的 労働者のワークスタイルが着実に変化したことを示しています。