ここの旅館のご飯は本当に美味しい。朝から美味い魚と日本の典型的な朝食をいただけるのは嬉しいことだ。
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ご飯を食べた後は、松崎の町の中を歩いてみることにした。小さい町だが、至る所で文化の香りを感じることができるとてもいい町であることが分かった。まずは、旅館の目の前にある庄屋跡の無料展示館を見に行ってみる。松崎の町のいろいろなところで見られる「なまこ壁」で作られた建物は、写真を撮るにはとてもいい場所である。そして、内部に入ってみると、かつて、どの民家にも存在した家財道具や祭祀のための道具が飾ってあった。特に目を引いたのは、屏風だとおもう。
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続いて、昨日能をみた神社のとなりにある浄泉寺に行ってみる。この寺は浄土宗の増上寺の末寺で、1414年に建立。現在の堂宇は1780年に再建された浄土宗の古刹だ。寺辺に清泉が湧き、これが寺名になっている。徳川家光から1石2斗の御朱印地を与えられ、向浜の農家45軒を受領した。裏庭は江戸時代伊豆3名園の1つと称せられた事があるらしい。しかし、神社の隣に寺が普通に建っているという風景もなんとも不思議だ。ここまで宗教的に節制がないと他国の人から見ると、不思議に思うだろう。寺自体は、結構修繕されていない様子で、入り口の鐘楼は、ハゲハゲの朱色になっているところが笑えた。寺の境内はほとんど墓ばかりになっている。他人の墓を見るのは結構面白いのだが、この松崎ではどうやら「関」さんが多いようだ。たくさんの「関家」の墓があることを発見する。それと、戒名を見ていると、立派な名前が多いことに気付く。きっと多額の寄付を行った檀家だったのだろうと思われる。
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続いて田舎道をあるき、民家の農道のような道を歩いていくと、文覚山円通寺がある。この寺は1179年の創設といわれ文覚が韮山に流罪になったさいに作られたといわれている。生憎ここの寺ご本尊をみることはできなかったが、昔の寺にはよくあるように、最初は真言宗だったところのちに臨済宗に改宗し、先の寺のように徳川家光から寺領12石の御朱印地を受けた。しかし、ここは少し高台になっており、そこから海の方向を見たときの眺めは、海沿いの町にいるとはとても思えないような山間部の風景が見られる。癒したいと思っている人は是非いってみるとよいだろう。
続いて松崎のバスターミナルのほうに移動すると伊那上神社に出くわす。ここの神社はとても古く建立は西暦817年。いまの愛媛県の三島から遷座したといわれる古いやしろで、昔は三島宮と呼ばれていたようだ。頼朝も参詣したことがある神社であり、当時から西伊豆随一の大きさを持つ大社として崇められていたところだ。ところが、下神社に比べるとなんだか殺風景だ。下神社での能の奉納の前に、ここ上神社で奉納相撲があったもようで、その名残は見ることができたが、社殿自体があまり大きくない。
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続いて松崎のバスターミナルを通り越して、舟寄神社というところにいこうとおもった。ところが、歩いても目的の神社に到着しない。おかしいなーと思っていると、町の観光案内所に出くわした。そこで神社の場所と、持っていなかったので松崎の簡単な地図を貰うことにした。しかし、このときまで全然知らなかったのだが、ここ松崎はテレビドラマ「世界の中心で愛を叫ぶ」のロケ地として使われていたところのようで、そのドラマを見たミーハーなお姐さんたちが未だにこの松崎にやってきているようだ。町のほうも、たくさんの観光客がロケ地で訪れるために、ロケ地で使われた場所の地図を用意しているのも笑えた。応対してくれたお姉さんによると、「2年も前に地図は作ったのに、いまだにロケ地目当てにくる方が多いんです。もう地図は片付けようかなと思っていたのですが、なかかなか片付けられません。」だと。さらに、「あのドラマでは、町のほとんどのひとがエキストラで参加しています。私も喪服を着て参加しましたよ」と言っていた。暇な人に声をかければ直ぐ集まるのが田舎の松崎の特徴のようで、真夏のくそ暑いときに喪服を着て、死ぬかと思ったとも言っていた。こういう生々しい声を観光案内所の人に聞けるのは、応対してくれたひとの人柄なのかもしれない。ただ心外だったのは、自分達もそのドラマを目当てに松崎にやってきたとおもわれていたことだ。「神社と祭りフェチなんです」と言っていたら、「若いのに珍しい。なにが楽しいんですか!?」と聞かれた。返答できなかった。
舟寄神社の場所がわかったので、道を引き返していく。歴史的に古い神社なのに、松崎の道路には、どこにも看板が掲げられていない。さきほどの伊那上・下神社も同じだ。すっかりドラマに毒されてしまった町のようだという印象もこのときに思う。
舟寄神社の創立年月は不詳であるが、所蔵の由緒書によると「昔神功皇后の新羅遠征の時、この神がその艦を守ったといういわれにもとづいて船寄神社と名づけたのであろう」とある。だが、別の説明書きを見ると(町の観光案内所で貰ったもの)この神社は昔朝鮮半島からやってきた人間が建立したもので、朝鮮半島を顧るために立てられたものだとも書いている。しかし、神社の説明書きには一言も「朝鮮人」や「朝鮮半島」という言葉は見られない。隠しているのは何故だろう?境内は比較的広く、白い石畳は気持ちが良い。しかし、社殿はとても簡素。この社殿って一体なんなんだ?と言いたくなるような本当に簡素なものだった。以前、台湾の旧桃園神社へ行った時に、これが元神社の跡か?と不思議な感覚に陥ったのだが、それとなんだか似ていた。でも、ここは日本である。日本の神社でそこそこ名の知れた神社にして、この社殿は変だと思った。
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次に向かったのは海岸のほうに行き、海に面したところに建っている厳島神社に行ってみた。名前から想像したところ、広島の厳島神社のような立派なものがさぞかし建っているのだろうと思ったが、大間違いだった。厳島神社の入り口にいくためには、神社が存在する大きな岩をぐるーっと廻っていかねばならない。
表札を見ると、やはり広島の厳島神社とは関係あるようで、分社が鎮座しているようだ。祭神も、市杵島比売命(いちきしまひとのみこと)が祀られているところなのだそうだ。名前もそこからの引用の模様。地元では「弁天さん」という愛称で呼ばれているらしい。入り口から99段の階段を上っていくと、社殿に到着する。しかし、この階段は苔がばっちり生えているところで、さらに急になっているため、滑りやすいので注意だ。
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海岸沿いを歩いて街中に戻る。途中で、昨晩遅い時間帯に山車が出たらしいが、その後片付けをしている風景に出くわす。この山車は結構重そうだ。
しばらく行くと、町のランドマークになっている時計台のところに出てきた。この時計台は1923年に昭和天皇が成婚したことを記念して青年団により建設されたものだ。現在存在するのは1987年に復元したものだが、時計台の特徴としてなんと時計に13時の文字が刻まれていることだろう。このありえない時刻に松崎の風景画前を流れる川面に映し出されるというものだそうだ。
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そういえば、なまこ壁の家は本当にここではおおく見かけることができる。こういう建物はいつまでも残して欲しいものだ。
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一通り町の中を歩いていたら、実はまだ15時頃だった。一旦旅館に帰って、昼間から風呂に入り、昼寝をして夕ご飯まで待つことにした。いやぁ、なんだかのんびりしていると思う。
昨日は刺身中心の料理だったが、この日の夕ご飯も違う料理が出てきて、とても美味い。
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満腹になって、のんびりしながら、また寝た。いやぁ、満足満足。
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ご飯を食べた後は、松崎の町の中を歩いてみることにした。小さい町だが、至る所で文化の香りを感じることができるとてもいい町であることが分かった。まずは、旅館の目の前にある庄屋跡の無料展示館を見に行ってみる。松崎の町のいろいろなところで見られる「なまこ壁」で作られた建物は、写真を撮るにはとてもいい場所である。そして、内部に入ってみると、かつて、どの民家にも存在した家財道具や祭祀のための道具が飾ってあった。特に目を引いたのは、屏風だとおもう。
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舟寄神社の創立年月は不詳であるが、所蔵の由緒書によると「昔神功皇后の新羅遠征の時、この神がその艦を守ったといういわれにもとづいて船寄神社と名づけたのであろう」とある。だが、別の説明書きを見ると(町の観光案内所で貰ったもの)この神社は昔朝鮮半島からやってきた人間が建立したもので、朝鮮半島を顧るために立てられたものだとも書いている。しかし、神社の説明書きには一言も「朝鮮人」や「朝鮮半島」という言葉は見られない。隠しているのは何故だろう?境内は比較的広く、白い石畳は気持ちが良い。しかし、社殿はとても簡素。この社殿って一体なんなんだ?と言いたくなるような本当に簡素なものだった。以前、台湾の旧桃園神社へ行った時に、これが元神社の跡か?と不思議な感覚に陥ったのだが、それとなんだか似ていた。でも、ここは日本である。日本の神社でそこそこ名の知れた神社にして、この社殿は変だと思った。
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昨日は刺身中心の料理だったが、この日の夕ご飯も違う料理が出てきて、とても美味い。
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