2011/01/23

天山温泉郷(箱根)

温泉郷である天山は、箱根の中でも湯量が豊富なところであるために、日帰りも含めてたくさんの人が温泉に立ち寄ったり、湯治に来たりしている場所で有名だ。湯本からも近いところにあるし、小湧園のようにめちゃくちゃ広いわけじゃないのだが、十分広い露天風呂がたくさんあるために、いろいろなお客さんがやってきているところでもある。

学生のときに数回行ったことがあるくらいで、それ以降は全くご無沙汰だったので、天山のことは話題にすることがあっても、最近の天山がどのようになっているのかという情報はよく知らないでいたし、10数年前に行ったときの思い出しかないので、そのまま残っているのかどうかが不思議であった。

今回の天山は、甘酒茶屋から旧街道をバスで移動して、奥湯本入口まで乗る。バスは元箱ねから湯本駅にいく路線であり、箱根ターンパイクを通る快速バスでは天山に行くことが出来ない。旧街道の途中のバス停からだと、20時ごろまでバスは運行しているが、元箱根から行く場合には、最終バスが16時5分なので、時間には注意である。

奥湯本入口のバス停は、天山がある場所の、本当にちょうど入口に当たる場所にある。しかし、バス停がある街道は、天山の温泉から見ると、高台にある位置にあるため、天山にいくには、そこから急斜面の道路を降りていかないといけない。私有地になっているので、温泉に来るまたは温泉から帰る車しか通らないのだが、結構厳しい坂道なので歩くのが辛い。

天山の入口はまるで割烹や料亭のような入口であり、なんとなく敷居が高いような気がするが、その敷居が高そうに思えるところが、天山での温泉をのんびり楽しめるための高揚させる原因になると思う。

そういえば、昔は無かったものの1つに、事前に自動販売機で入湯料を払うようなことをしなければならないというのは吃驚した。まぁ、それはいいとして、天山の入湯料は1人1200円。ただし、箱根フリーパスを持っていれば100円引きでOK。

入口の下駄箱に自分の靴を預けて、その預けたときの鍵を帰るまで大切に持っておく。外の自動販売機で買ったチケットを係員に払っていよいよ中へ入る。中は、最初はお風呂から上がってきたひとたちが、火照ったり、ボーっとしているところを覚ませるための憩いの場がある。たくさんの人が寝そべってもいいような空間になっているので、カップルで行った人たちは、それぞれの性別でお風呂に入って、あとでこの空間で合流をするというようなスタイルを取っている人は多かった。それでも、他人と一緒の空気を吸ってのんびりするのは嫌だというような奇特な人のために、個別の部屋も用意されていたりする。追加料金はたしか2000円くらいだったとおもうのだが、それは、入口の係員がいるところで払えばよい。

お風呂がある場所は、階下に下りていくと存在する。男子側だと、部屋に入ってすぐ脱衣場がある。ここで銭湯と異なるのは、脱衣場が露天風呂となんにも敷居がなく、すぐそのまま露天風呂にいけるところだ。扉があるわけでもない。雨がふったら脱衣場まで水浸しになるのではないだろうか?脱衣場のロッカーは結構たくさんあるので、まずおける場所が無いということで困ることは無いだろう。すべてのロッカーは鍵がかかるので、貴重品に対する防備は万全である。

男子風呂のほうで言うと、お風呂の数は、一番大きな露天風呂がお天道様が望めるところにまずは存在する。その大きな露天風呂も、実は湯泉がある場所と、真ん中に敷居があるものとで分けられる。湯泉があるほうは、本当にお湯の温度が熱い。たぶん45度くらいはあると思う。よほど熱いお湯が好きだという人以外は、ここに入るのは辛いだろう。それで、お湯を冷まさせて、ちょうどいいお湯にすると、なかなかこれが良いお湯加減になる。そこに屯って居る人はやっぱり多くなる。どんなに長くお湯に入っていても、全然逆上せない。それくらい外の気温は寒く、お湯の温度がちょうど良く、お湯から上がる気になれないならない。

そのほかは屋根付き場所に洗い場と、少し熱いお湯の露天がある。しかし、この露天もまた曲者で、なぜか壁に近いところに狭い空間を作って、そこにはどうがんばっても最高で3人くらいしか入れないような場所があり、もちろんお湯はあるのだが、お湯の温度が40度くらいのすごい温めになっている。さらにその温めの場所は、他の場所からは、直接みることができないように、低い岩で囲まれている。もちろん、狭いところからは、顔をお湯から出していたら、周りの風景はみられるのだが、周りからはお湯の中でなにをしているのかは全く見えないような状態である。

曲者といったのは、ここがある種の人たちにとって、とても人気がある場所なのだ。なんのためか?それは天山にくる客の性格にも寄るのだが、天山はゲイの客が多くやって来る場所で有名なところである。意味なく、いろいろな露天風呂をあっちにいったりこっちにいったりして、どんな客が今日は来ているのかというのを物色しているへんなおじさんからお兄さんも数人いた。もちろん、陰になっている場所のぬるま湯の場所にも、常に満員になっていて、お湯の中で互いに触っているような行動をしているのを見かけた。このぬるま湯のほか、なぜか階段状に小さい露天風呂も別にあり、一番上の露天風呂に行くと、後ろは誰も入ってこれないような鬱蒼とした森になっており、誰かがほかに入ってこようとした場合には、絶対通ってこないといけない階段があるが、そこからは直接一番上の露天風呂の中は見ることが出来ないようになっている。ここもまたゲイの人たちにとっては、互いに他の人の体をさわることができるスポットになっている。

もちろん、ゲイの人たちだけではなく、一般人のひとも多く来ている。多くはカップルで来ているため、温泉の湯船ではひとりでのんびりしているひとが多いのだ。それから、子供連れの客もたまにいる。子供がおとなしくしているのであれば別に気にならないが、子供がぎゃぁぎゃぁ言い出すと、うるさくて堪らない。

天気が良い昼間にいくのもいいのだが、やっぱりここに行くのは、夕暮れから夜に掛けていくのが一番趣があって良いとおもう。ただ、真っ暗になると、周りがなんにも見えなくなるので、足元が危険だ。ちなみに、まだ日が明るいうちにお湯に浸かろうと思って、体にお湯をかけようと掬ってみた場所は、実は冷泉の場所で、いきなり体が硬直してしまった。どうりで、そこの場所だけ人が湯の中に入っていないという状態だった。それに気づかなかった自分が馬鹿だった。

天山
URL : http://tenzan.jp/
Open : 朝9時~夜23時閉館
Address : 神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋208

甘酒茶屋

江戸時代は、江戸から地方へ、または地方から江戸に向かう際に、箱根の山を越えて歩いていくのは大変なことだったというのは、いろいろな書物に書かれている。現在でも旧道を車で通るだけでも、その急な坂道と曲がりくねった道を体験でき、その道を昔の人はよくもまぁ歩いたものだと感慨深くなる。ましてや、いまでは大学の駅伝大会であの坂道を走って上るようなつわものもいるわけで、改めて凄いなと感じる。

急で長くどこまでも上り道が続くような場所では、どこかで旅人は休憩を入れたくなるのは当然だろう。旧道にはそういう旅人のための茶屋が数軒点在していたようである。今でも残っており、当時の作りと提供しているメニュがそのまま残っているというのは、甘酒茶屋というところだ。
江戸時代から12代400年続いている老舗中の老舗だ。最近リニューアルしてきれいにしたとはいうのだが、どうみても、昔ながらの藁拭き屋根と気の引き戸と障子窓なので、どこがリニューアルなのだろうか!?と眼を疑ってしまうようなものなのだが、全面的に木造で作られていることと、箱根は雪が降る場所であるために、定期的に立替をしないと建物が腐ってしまうからである。古めかしい建物で現代人がお茶を飲むという雰囲気を楽しむためにやって来る人が多いので、これがいきなり近代的なビルで茶を提供するということになった場合には、だれもこんなつまらない旧道に来て、茶を飲もうとしないだろう。昔のひとの過酷な旅路を妄想の中で考えながら、昔の人は提供されるお茶菓子や甘酒を飲んで、疲れた足を休めたのだろうと、天井の高く、柱が無い広間のなかで考えるだけで楽しいことではないだろうか。

ここでのメニュは単純明快。醤油をつけて焼いた餅に海苔が捲かれた「いそべ」と、茶の黄な粉をまぶした「うぐいす」と呼ばれる力餅(いずれも450円)、味噌おでん(400円)、ところてん(450円)、紫蘇または抹茶ジュース(400円)と甘酒(450円)しかない。それ以外は無い。それもカウンターの頭上に、味のある字体でメニュが書かれているだけで、個別にメニュを持ってくるようなスタイルではない。お茶は自由にテーブルの上に置かれたものを飲めばいい。ただし、粋なことに「昔の人は、このお茶を飲むのも苦労しました」と水の出が悪い場所での、水に対する貴重さをありがたく思えというのがその根本的な理由。

それにしても店内の様子は、昔の田舎の小屋にでも来た様な感じだ。椅子やテーブルは、木株をそのまま使っているものだし、エアコンがあるわけがないので、部屋の真ん中にゴーゴーと燃え滾っている巨大なストーブが唯一の暖を採る手段となっているし。店も最終のバス終わるころには閉店してしまうというものだ。ただし、開店時間は意外に早く朝の7時から営業。ちなみに、湯本方面に行く最終バスの時間は16時5分。これを逃すと、タクシーさえも通らないので、帰れなくなる。


旧東海道・畑宿双子山 箱根甘酒茶屋
[URL] http://www.hakone.or.jp/shop/amazake/index.html
[住所] 足柄下郡箱根町 畑宿二子山
[営業時間] 7:00〜17:30
[定休日] 年中無休

そばしるこ(箱根)

土曜日のフジテレビ系列で放映されている「もしツア」でたまたま放映されていたのを見てしまったのだが、元箱根港のすぐ傍にある食事処は、港からの芦ノ湖が見えてとても綺麗な場所であった。それだけなら単なる綺麗な景色が見える場所としてしかなくて、なんの取り柄も無いのだが、それだけで番組が成り立つわけが無い。なにをテレビ放映するのかなとおもったら、そこで提供されているデザートだった。デザートの名前は「そばしるこ」。
蕎麦と汁粉の組み合わせなのか、どういうものなのか想像し難いと思っていたのだが、どうやら、甘い小豆を煮て汁状にした汁粉に、通常なら白玉を使うところを、蕎麦の練り団子を入れたものであった。見た目としては、確かに汁粉として見栄えは変わらない。味も普通の汁粉と変わらない。ただ、値段がこれだけで670円もするというのが、どうしても解せない。高すぎだと思う。全然手間が掛ってないのになー。

箱根神社

バス停の元箱根から芦ノ湖沿いに歩いて5分くらい行くと、箱根神社の二の鳥居が見えてくる。ちなみに一の鳥居は、元箱根港のすぐそばに存在する。二の鳥居を潜ると、その先は、芦ノ湖沿岸に無理やり作った道路を通っていくことになる。大昔はこんな道は存在しなかったようだ。そしてすぐに、箱根神社の下の境内に繋がる階段に出くわす。この階段を上ると境内に出てくるのだが、階段の両側が高くまっすぐに伸びた杉の木で囲われているので、いかにも神秘的な風情を感じられ、なんとなく気が引き締まってくる。
しかし、その境内に出ても、これが本宮がある場所ではない。本宮があるのはさらに急な階段を上らないといくことが出来ない。これまた両側が高い木で囲まれている。足腰が弱い人によってはこの急な階段を上るのはとても辛いことだろうと思う。でも、頑張って上ると、本宮が見えるのでそこまでは行っていたいところだ。
他の神社と同様にこの神社も朱色の柱が眩しい。そういえば、この神社、誰が祀られている神社なのだろう?調べてみると、この神社は「箱根大神」と呼ばれる3人の神から構成されていることが分かった。瓊瓊杵尊とその奥さんである木花咲耶姫命、そして2人の子供である彦火火出見尊である。瓊瓊杵尊こと、ニニギノミコトはよく知っているのだが、他の2人の事はよくわからなかった。日本の神様についても少しは知識として知っておかないと、なんの神社に行っているのか全く意味が無いと思う。境内には薄っすらとした雪が残っており、それがまた凍っているために、足元がとても悪かった。しかし、朱色の柱と白い雪とのコントラストは、紅白なのでとても縁起がいいように思えた。
そういえば、急な階段を今度は降りようとしたときに気づいたことがある。同じ階段をきたはずなのだが、のぼりでは気づかなかったことがある。それはこの階段、実は芦ノ湖までずっと続いているのである。昔は、実は芦ノ湖から船で乗り付けて、湖岸に設置されているところから神社のほうまで上がっていくように出来ていたらしい。その名残がいまでも湖岸のところに残っている。湖を渡って神社にやってくるなんて、なんと神秘的なことなんだろうか!現在でも同じようなことをする人は皆無だろうと思う。そういえば、この湖岸のところに存在したこの看板は一体何なんだろう!?箱根神社
URL : http://hakonejinja.or.jp/

箱根海賊船

箱根芦ノ湖の遊覧船の1つとして、小田急グループが運航しているのが「箱根海賊船」である。定期航路便として運行しており、ロープウェイの終着駅である桃源台から箱根町を通り、元箱根にいき、そしてまた桃源台に戻るという、三角形をぐるぐる廻っている航路を取っている。1回の乗車でいくら掛るかは、箱根フリーパスの中に料金が含まれているので、実際には良くわからない。公式ウェブサイトから確認していただきたい。

12月から3月にかけての冬の時期は、便数が極端に減るため、スケジュールを立ててこの海賊船に乗るように調整しないとダメである。港で次の船が来るまで待ちぼうけしてしまうというようなオチになったら悲しいからだ。

さて、海賊船という名前だから、なにが海賊船なのかな?とおもっていたら、まずは船の形がバイキングっぽい感じのものだ。芦ノ湖にはもう1種類の遊覧船があるが、そちらは普通の観光遊覧船であり、なんのデコレーションもされていなくてつまらない。ところが箱根海賊船のほうは乗り場から、海賊の船員が出迎えるところから始まり、まるでディズニーランドのアトラクションにでも来た様な楽しみができる。
船室は3階建てになっているのだが、1階と2階は客室。3階は外に出て、外気に触れる甲板のところに出られるのだ。こんなに寒い時期だと、甲板にでるのは楽しいかもしれないが、湖面を過ぎる風がとても冷たいので、今回は行かなかった。客室のところは、特別席を含めてかなりたくさんの椅子があるため、観光オフシーズンの現在なら、かなり余裕で座ることができる。これが夏の行楽シーズンだったら、きっと立っていないと座れないくらいの人が乗るのだろうなと思う。

そんな席の間を海賊の親分を扮する船員が挨拶にやって来る。一緒に写真を撮ることもできるし、いや、どちらかというと、撮らされるといったほうがいいかもしれない。それで後で一緒に撮った写真を買いたい人は申し出ればいいだけなのだ。撮られるだけなら無料である。もちろん買いたい人は有料。
13時20分発の海賊船に乗船して、広い芦ノ湖の一番奥である箱根町までは、約30分の船旅である。穏やかな湖を滑るように進む。その間の船窓からの風景はなかなか楽しい。特に、芦ノ湖東岸のプリンスホテルがあるあたりの景色はなかなか格別だ。たまに緑の森の中にぽつんと紅い鳥居が見えるのだが、そこからは箱根神社とその分宮のほうに湖からいける玄関となる鳥居を意味する。箱根海賊船では行くことができないが、西武系列が運行している芦ノ湖遊覧船を利用したらいけるらしい。
ちなみに、箱根町で一旦停まったあと、元箱根のほうに船は移動する。箱根町では10分間の停泊を行い、そのまま船は移動してしまう。だから、箱根町から元箱根へ移動する場合には、船の停泊時間と移動を考えると、箱根町のバスターミナルからバスを利用したほうが断然時間的に短縮できる。

船内はとても暖かいので、外気の寒さから一時だけ凌げると思う。また船内はカフェテリアも用意されているので、そこで軽食や飲み物もとることができるので、是非利用したらいいと思う。トイレも完備されているので、何の問題もなし。だから、是非芦ノ湖まできたのであれば、この遊覧船に乗ったら良い。


箱根海賊船
URL : http://www.hakone-kankosen.co.jp/

大湧谷(箱根)

修学旅行だったか何かで大昔に行ったきり、全然ご無沙汰になっている箱根の超有名観光名所が大涌谷。個人的には小湧園と間違ってしまう観光名所だ。大昔に行った記憶だけを頼りに行こうとしたのだが、やっぱりガイドを見るまで、その記憶は間違っていたことは分からなかった。強羅からロープウェイが出ているのかと思っていたら、大間違いで、強羅までケーブルカーに乗らないといけなかったらしい。その先の終点からロープウェイには乗るらしい。しかし、残念ながら、箱根のケーブルカーは定期メンテナンス中のために運行しておらず、なんと強羅からロープウェイの乗り場まではピストン輸送しているバスに乗らないといけないらしい。強羅に到着したら、バス待ちの人たちがたくさん待っていた。これって、座れるのかな!?と思ったのは当然である。

バスはさっさと出発せずに、どうやら何かを待って出発するらしい。ちゃっちゃか走らせればいいのになーと思うのだが、どうもこういうところが田舎らしいというか、ケチな所だと思う。しかし、既に停まっていたバスにはどうやら目的のバスではないらしい。バスには二種類があり、強羅からロープウェイ入口の早雲山までノンストップで行くバスと、各バス停に停車するバスの二種類があり、停まっていたのは各駅で停まるバスだった。たいていの人はノンストップバスに乗るため、そのバスが来るまで待っていたのである。

意外とバスには最初の方になぜか乗れ、それも座ることができたので、降りるのがとても楽だった。しかし、最後にのりこんできた観光客の団体が中国人だったので、この中国人たちがチャッチャか動いてくれないので、かなりイライラした。うるさいだけで動かない中国人ほど邪魔なものは無い。どっかの短気なおっさんがいたら「早く降りれよー」と怒鳴っても良い所だろう。券がないだの、金は要るのかとか、乗る前にそんなの調べろと思う。だいたい強羅の乗り場には、たくさんの係員が居たんだから聞けばいいのだ。

ロープェイは、一度に16人くらい乗れるものだった。乗ったゴンドラには、なぜか自分意外全員外国人というとても素晴らしい環境だった。日本人観光客がこんなクソ寒い時期に箱根に来るのはあまり居ないという証拠なのだろう。

ロープウェイからの光景というのはなかなか素晴らしいと思う。天気が良かったので、足柄山の風景がよく見えた。途中、大涌谷の大きな谷が見えてきた。それも硫黄の煙が所々出ているのが見える。こういう地獄絵図みたいなのがみえるところが大涌谷のいいところだ。これを高いところから眺めることができるロープウェイというのはとても便利な乗り物だと思う。ロープウェイからの景色を見ると、間近なところから見るよりも格別な光景だと思う。大涌谷から芦ノ湖へ向かうロープウェイからの景色はもっと素敵で、なんと富士山の景色が綺麗に見えた。ロマンスカーからも富士山が見えたのだが、やっぱりさらに富士山に近いところからみる富士山は最高だと思う。これはもう日本の宝だ。外国人もこの富士山が綺麗だとわかるのは嬉しいことだと思う。典型的な1つの山になっているところがその美しさの魅力なのだろう。大涌谷では一度ロープウェイを降りて、谷の奥のほうに行ってみようと思った。大涌谷のあの硫黄の煙のそばまで行くことができるので、硫黄の火山帯の体験がないひとにとっては楽しいところだと思うからだ。ところが、この大涌谷をナメていたのだが、めちゃくちゃ寒い。気温-2度。それに少し風が吹いていたので、体感温度は-5度くらいだと思う。長く外気に接していたら、いくら厚着をしているからといっても、これは体に堪える。スキーをしているのであれば、特に全然気にしない気温なのだが、なぜスキーじゃないと寒いのは嫌いだと思うのだろう?他の観光客も同じだったのだろうが、ほとんどのひとはロープウェイ乗り場のそばにあるお土産屋から出て行こうとする人は居なかった。それでも大涌谷の谷へ行く人も居たのだが、これはよほど寒いのがどうでも良いとおもっていた人たちなのか、それともせっかく来たのだから見たいものは見たいと思っていた人たちなのだろうと思う。

教訓:冬の大涌谷をナメるな。

まさにこの言葉に尽きると思う。

奈可むら(箱根)

箱根登山鉄道は何度かスイッチバックを繰り返して終着駅の強羅まで行くのだが、アプト式でもないのに、よくもまぁあんだけの坂道を上っていけるなーと感心する。そして、スイッチバックのたびに、車掌と運転手が前後を交代する光景を見られるのは、なかなか面白い。駅でもないような場所でそのスイッチバックは行われるのは、客車のドアは開かないまま停車されて、外では運転手と車掌の交代を繰り返すのは、なぜか、自分達が捕虜になって電車の中に閉じ込められたように思える。

そんな電車に乗って、修学旅行で行ったことがある「彫刻の森」まで乗る。箱根湯本を出発して、実は40分くらい乗らないといけない。スイッチバックを繰り返しているので、その時間の経過が意外に短く感じてしまう。

さて、そんな彫刻の森駅の目の前にあるのが、蕎麦屋「奈可むら」である。箱根に行って昼ごはんに何を食べようかなと考えたときに、箱根の名物って何だろうと考えたのだが、これがよくわからない。山だから蕎麦だろうという、これまた安直な考え方が、蕎麦屋を探してみようと思ったのだが、個人的にどこの蕎麦屋が美味いのか知らない。それこそ、食べログを調べてみると、奈可むらが一番美味いというのが書かれていたので行くことにした。それも彫刻の森の駅の目の前という立地のすばらしさも行くのが便利だと思った。事前に人気の店だということが書いていたので、ちょうど人が混む時間帯である12時ごろに行くのはやめたいとおもい、もう少し早めに行くことにした。

彫刻の森駅に11時18分に到着したあとは、改札を出てすぐのところに、本当に店は存在した。店に入ると、たった今営業を開始したばかりのような感じで、店のほうも張り切り具合がまだ伝わってこないようだった。そんな中を店内に入ってみると、意外に店内は座席がたくさんあった。もっとこじんまりとした蕎麦屋なのかと思っていたのだが、見た目とは裏腹に、玄関から見えるところとは別に、奥にも座席がめちゃくちゃ多くあり、混雑しているときでも、団体の客が入ってきた場合でも対処が出来る体制はあるんだなというのが分かった。
蕎麦の種類はいくつかあったのだが、こんだけ箱根の気温が寒いと当然ざる蕎麦や盛り蕎麦なんていうのを頼む気なんか起こらない。もちろん、この日は暖かい蕎麦を頼むことにした。単なる蕎麦を頼むのもつまらないので、ここは鴨肉が入っている鴨南そばを頼むことにした。ロマンスカーの中で弁当を食べたはずなのに、なぜか蕎麦を食べる段階になって、結構腹が減ってしまった。蕎麦は普通のニハ蕎麦系統だとおもうのだが、残念なことに鴨肉が良くない。とにかく臭いのだ。最初は、つゆの醤油味が濃いからなのかなとおもったのだが、鶏肉の時間が経つと発する独特のあの臭みが、どうしても醤油味でも消えずに、どちらかというと醤油の味でさらに増している感じがした。もっと、さっき絞めましたというような鶏肉を使っているのであれば、肉の臭みが無く美味いと思えたのだろうが、この肉ではさすがに臭くて嫌だ。それも鴨南そばなので、鴨肉がめちゃくちゃ入っている。全部食べるのを途中で止めようかと思ったが、そこでは文句を言わず、いまここで告白する。

肉が不味いよー!

はぁ・・・言ってしまった。

しかし、蕎麦とつゆはいいと思う。しかし、肉が悪い。看板メニュに掲げているんだったら、もうちょっとマシな肉を使って欲しいと思う。蕎麦に意識が集中されて、サイドやオプションの具材に対しては手を抜いたんだなと思う。それもこれも立地条件がいいところで、たくさん人が来ているから、それで天狗になったんじゃないのだろうか?店の雰囲気はいいのだが、残念ながらもう二度とこないと思う。これだったら、富士屋ホテルのカレーやオムライスのほうが断然良かった。

そば処「奈可むら」
URL : http://soba-nakamura.jp/
住所:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1204
TEL&FAX:0460-82-1643

ロマンスカーで箱根へ

海外から友達がやって来た際にどこに行きたいかという話を事前にしたときに「箱根の温泉に行きたい」ということを聞いたので、来日した際には案内してあげようと考えた。ところが、箱根というと、実は運転免許を取得した後に、箱根ターンパイクを攻めに行くとか、箱根駅伝で見るとかくらいしか、ほとんど箱根には関心がこれまでしたことがなく、箱根自体も、考えてみると頻繁にいっている場所かというと、ここ10年くらいは行った記憶が無いし、どこを案内したらいいのか良くわかってないことが判明した。知っていそうで全然知らなかったとは、まさしくこのことである。

慌ててガイドブックを買って、即席の地理と観光地を眺めてみた。1つ1つの観光地はよく知っているのだが、全体としてどういうつながりになっているのかは、この歳になって初めて気づいたと思う。あまりにも身近すぎて興味が無かっただけのようだ。別に箱根に別荘があるような裕福な家庭ではないので、そんなに頻繁に箱根には用は無いからだ。

まず箱根に行くんだったら、やっぱりロマンスカー行くのが一番だろうと、安直に考える。できれば、ロマンスカーなら先頭の展望席がゲットしたいとおもうのは、これまた安直に考える。しかし、普段小田急線を使っていないから知らなかったのだが、ロマンスカーにもいろいろタイプがあることを初めて発見する。1種類しかないものかと思っていたら、いまでは6種類のタイプが1日のなかで走っているらしい。そして、全部が全部展望席を持っているのかと思っていたら、実は全然違うということも知る。残念ながら朝のうちの走るロマンスカーには、展望台が備え付けられている列車は、自分たちが行きたいと思っていた時間帯には走っていないことが分かり、さらにがっかり。まぁ、確かに展望席を持っている列車だったとしても、列車の前後で8席しかないので、北斗星やカシオペアの席を取るくらい結構難しいものなのである。

ロマンスカーは1日に何本も走っているので、事前予約しなくても普通の席なら簡単に取れるだろうと思っていたので、当日まで席を取らなくてもいいと考えていた。ただ、行楽シーズンではないこともあるが、たまたま席が取れても、本当ならロマンスカーの席は結構満席になる。実際に今回の列車も、朝8時53分に新宿を出発する列車だったのだが、ほとんどの席が満席になっていて、この人たちがみんな箱根にいくんだろうか?と少し不安になった。でも、実際には、町田や厚木までしか乗らないひとや、その先の小田原まで乗る人なんていうのもいて、箱根まで乗ってくる人は確かに多かったと思うが、めちゃくちゃ混んでいるというような感じでは無かった。

今回のロマンスカーは、3000系と呼ばれるタイプで一番たくさんの乗客が乗れそうなものだった。茶系統で統一されたインテリアだったのだが、特に狭苦しいという印象も無く、一番ノーマルだったような気がする。席も新幹線くらいの広さだったし。

そういえば、朝早い電車だったので、朝ごはんをどうしようかなと考えた。最初は、電車に乗り込む前に、パンか珈琲を買い込んで、車内で食べるというのがいいかなとおもったのだが、それだとあまりにも普通すぎ。それなら弁当でも買い込んでいこうとおもったのだが、早朝からお目当ての弁当を買えるかというと、さすがの新宿でもそんな弁当は手に入らない。そうしたら、ロマンスカーでも事前予約ながら弁当が買えることが分かった。

前日までに予約すれば、「予約弁当」というのを乗車する席まで持ってきてもらえるというシステムが小田急には存在する。朝からがっつり、こってりのものを食べるのも良いが、軽めの弁当にしようとした。パッケージも可愛いので、子供じゃないのに、「ロマンスカーMSEランチBOX」と「ロマンスカーVSE弁当」というのを電話注文した。どちらも、ロマンスカーの車輌の形をしたパッケージの中に、軽めのご飯が詰っているというもの。味はどうかというといまいちだが、電車の旅の演出としては、実に良いではないか!自分の座席まで乗務員が弁当を運んできてくれたので、料金をその場で支払う。実は、ロマンスカーは特急列車なので、他の有料特急列車と同様、車内に売り子がおり、その人が運んできてくれた。自分達がその車内の人に、わざわざ弁当だけを持ってきてくれた様子を他の人たちが見ていて、「あれ、なに?」とざわざわしていたのが面白かった。買った後に気づいたのだが、そういえば、飲み物を買い込むのをすっかり忘れた。なので、多少高いのは分かっていたが、車内販売でお茶を一緒に購入する。またしても、さっき弁当を持ってきてくれた人からの購入である。さらに言うと、出たゴミを捨てるためのビニールが欲しかったので、それも一緒に車内販売の人にお願いする。結局3度その人と関わってしまったために、降車するときにはすっかり顔を覚えられてしまったようだ。

ラッキーなことに、進行方向右側の席に座ったので、伊勢原を過ぎたあたりから、富士山を窓越しに見えることができた。冬の富士山はとても好きだ。真夏の富士山は、形はいいが単なる黒山にしか見えない。ところが冬の富士山は、8合目くらいから山頂にかけて雪が被っているため、この光景がとても素晴らしい。チラリズムに匹敵するように、電車の動きに合わせて、近場の山から、ちらちらと山頂部分が見えるのもなかなか趣がある。

10時30分、定刻どおりにロマンスカーは箱根湯本に到着。小田原から箱根湯本までは、単線路線であるため、長い車輌のロマンスカーにとっては、とてもつらそうな運転なのだろうが、それでもゆっくりゆっくり電車は走って箱根湯本まで走る。そして、箱根登山鉄道への乗り換えは、同じプラットフォームの逆側に停まっている電車に乗り換えるだけでよい。改札を出る必要が無いので、とても便利だ。ということなので、ここまで来たときの特急券を回収する場所が全く無く、そのまま手元に残ってしまった。

ちなみに、乗車券はもちろん箱根フリーパスを使った。箱根のバスや乗り物はすべてこのパスを使って乗り降りができるのはとても便利である。いちいち現金で支払っていたらめちゃくちゃ金が掛るだろう。さらに言うと、今回は日帰りで箱根だったが、この箱根フリーパスは2日間使えるという便利もの。週末の土曜・日曜で箱根に行く場合には、是非このフリーパスを使ったほうが良い。まぁ、大抵の電車で来ている観光客はこのフリーパスを使っていたようだ。