箱根登山鉄道は何度かスイッチバックを繰り返して終着駅の強羅まで行くのだが、アプト式でもないのに、よくもまぁあんだけの坂道を上っていけるなーと感心する。そして、スイッチバックのたびに、車掌と運転手が前後を交代する光景を見られるのは、なかなか面白い。駅でもないような場所でそのスイッチバックは行われるのは、客車のドアは開かないまま停車されて、外では運転手と車掌の交代を繰り返すのは、なぜか、自分達が捕虜になって電車の中に閉じ込められたように思える。
そんな電車に乗って、修学旅行で行ったことがある「彫刻の森」まで乗る。箱根湯本を出発して、実は40分くらい乗らないといけない。スイッチバックを繰り返しているので、その時間の経過が意外に短く感じてしまう。
さて、そんな彫刻の森駅の目の前にあるのが、蕎麦屋「奈可むら」である。箱根に行って昼ごはんに何を食べようかなと考えたときに、箱根の名物って何だろうと考えたのだが、これがよくわからない。山だから蕎麦だろうという、これまた安直な考え方が、蕎麦屋を探してみようと思ったのだが、個人的にどこの蕎麦屋が美味いのか知らない。それこそ、食べログを調べてみると、奈可むらが一番美味いというのが書かれていたので行くことにした。それも彫刻の森の駅の目の前という立地のすばらしさも行くのが便利だと思った。事前に人気の店だということが書いていたので、ちょうど人が混む時間帯である12時ごろに行くのはやめたいとおもい、もう少し早めに行くことにした。
彫刻の森駅に11時18分に到着したあとは、改札を出てすぐのところに、本当に店は存在した。店に入ると、たった今営業を開始したばかりのような感じで、店のほうも張り切り具合がまだ伝わってこないようだった。そんな中を店内に入ってみると、意外に店内は座席がたくさんあった。もっとこじんまりとした蕎麦屋なのかと思っていたのだが、見た目とは裏腹に、玄関から見えるところとは別に、奥にも座席がめちゃくちゃ多くあり、混雑しているときでも、団体の客が入ってきた場合でも対処が出来る体制はあるんだなというのが分かった。
蕎麦の種類はいくつかあったのだが、こんだけ箱根の気温が寒いと当然ざる蕎麦や盛り蕎麦なんていうのを頼む気なんか起こらない。もちろん、この日は暖かい蕎麦を頼むことにした。単なる蕎麦を頼むのもつまらないので、ここは鴨肉が入っている鴨南そばを頼むことにした。ロマンスカーの中で弁当を食べたはずなのに、なぜか蕎麦を食べる段階になって、結構腹が減ってしまった。蕎麦は普通のニハ蕎麦系統だとおもうのだが、残念なことに鴨肉が良くない。とにかく臭いのだ。最初は、つゆの醤油味が濃いからなのかなとおもったのだが、鶏肉の時間が経つと発する独特のあの臭みが、どうしても醤油味でも消えずに、どちらかというと醤油の味でさらに増している感じがした。もっと、さっき絞めましたというような鶏肉を使っているのであれば、肉の臭みが無く美味いと思えたのだろうが、この肉ではさすがに臭くて嫌だ。それも鴨南そばなので、鴨肉がめちゃくちゃ入っている。全部食べるのを途中で止めようかと思ったが、そこでは文句を言わず、いまここで告白する。
肉が不味いよー!
はぁ・・・言ってしまった。
しかし、蕎麦とつゆはいいと思う。しかし、肉が悪い。看板メニュに掲げているんだったら、もうちょっとマシな肉を使って欲しいと思う。蕎麦に意識が集中されて、サイドやオプションの具材に対しては手を抜いたんだなと思う。それもこれも立地条件がいいところで、たくさん人が来ているから、それで天狗になったんじゃないのだろうか?店の雰囲気はいいのだが、残念ながらもう二度とこないと思う。これだったら、富士屋ホテルのカレーやオムライスのほうが断然良かった。
そば処「奈可むら」
URL : http://soba-nakamura.jp/
住所:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1204
TEL&FAX:0460-82-1643
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