2011/01/23

ロマンスカーで箱根へ

海外から友達がやって来た際にどこに行きたいかという話を事前にしたときに「箱根の温泉に行きたい」ということを聞いたので、来日した際には案内してあげようと考えた。ところが、箱根というと、実は運転免許を取得した後に、箱根ターンパイクを攻めに行くとか、箱根駅伝で見るとかくらいしか、ほとんど箱根には関心がこれまでしたことがなく、箱根自体も、考えてみると頻繁にいっている場所かというと、ここ10年くらいは行った記憶が無いし、どこを案内したらいいのか良くわかってないことが判明した。知っていそうで全然知らなかったとは、まさしくこのことである。

慌ててガイドブックを買って、即席の地理と観光地を眺めてみた。1つ1つの観光地はよく知っているのだが、全体としてどういうつながりになっているのかは、この歳になって初めて気づいたと思う。あまりにも身近すぎて興味が無かっただけのようだ。別に箱根に別荘があるような裕福な家庭ではないので、そんなに頻繁に箱根には用は無いからだ。

まず箱根に行くんだったら、やっぱりロマンスカー行くのが一番だろうと、安直に考える。できれば、ロマンスカーなら先頭の展望席がゲットしたいとおもうのは、これまた安直に考える。しかし、普段小田急線を使っていないから知らなかったのだが、ロマンスカーにもいろいろタイプがあることを初めて発見する。1種類しかないものかと思っていたら、いまでは6種類のタイプが1日のなかで走っているらしい。そして、全部が全部展望席を持っているのかと思っていたら、実は全然違うということも知る。残念ながら朝のうちの走るロマンスカーには、展望台が備え付けられている列車は、自分たちが行きたいと思っていた時間帯には走っていないことが分かり、さらにがっかり。まぁ、確かに展望席を持っている列車だったとしても、列車の前後で8席しかないので、北斗星やカシオペアの席を取るくらい結構難しいものなのである。

ロマンスカーは1日に何本も走っているので、事前予約しなくても普通の席なら簡単に取れるだろうと思っていたので、当日まで席を取らなくてもいいと考えていた。ただ、行楽シーズンではないこともあるが、たまたま席が取れても、本当ならロマンスカーの席は結構満席になる。実際に今回の列車も、朝8時53分に新宿を出発する列車だったのだが、ほとんどの席が満席になっていて、この人たちがみんな箱根にいくんだろうか?と少し不安になった。でも、実際には、町田や厚木までしか乗らないひとや、その先の小田原まで乗る人なんていうのもいて、箱根まで乗ってくる人は確かに多かったと思うが、めちゃくちゃ混んでいるというような感じでは無かった。

今回のロマンスカーは、3000系と呼ばれるタイプで一番たくさんの乗客が乗れそうなものだった。茶系統で統一されたインテリアだったのだが、特に狭苦しいという印象も無く、一番ノーマルだったような気がする。席も新幹線くらいの広さだったし。

そういえば、朝早い電車だったので、朝ごはんをどうしようかなと考えた。最初は、電車に乗り込む前に、パンか珈琲を買い込んで、車内で食べるというのがいいかなとおもったのだが、それだとあまりにも普通すぎ。それなら弁当でも買い込んでいこうとおもったのだが、早朝からお目当ての弁当を買えるかというと、さすがの新宿でもそんな弁当は手に入らない。そうしたら、ロマンスカーでも事前予約ながら弁当が買えることが分かった。

前日までに予約すれば、「予約弁当」というのを乗車する席まで持ってきてもらえるというシステムが小田急には存在する。朝からがっつり、こってりのものを食べるのも良いが、軽めの弁当にしようとした。パッケージも可愛いので、子供じゃないのに、「ロマンスカーMSEランチBOX」と「ロマンスカーVSE弁当」というのを電話注文した。どちらも、ロマンスカーの車輌の形をしたパッケージの中に、軽めのご飯が詰っているというもの。味はどうかというといまいちだが、電車の旅の演出としては、実に良いではないか!自分の座席まで乗務員が弁当を運んできてくれたので、料金をその場で支払う。実は、ロマンスカーは特急列車なので、他の有料特急列車と同様、車内に売り子がおり、その人が運んできてくれた。自分達がその車内の人に、わざわざ弁当だけを持ってきてくれた様子を他の人たちが見ていて、「あれ、なに?」とざわざわしていたのが面白かった。買った後に気づいたのだが、そういえば、飲み物を買い込むのをすっかり忘れた。なので、多少高いのは分かっていたが、車内販売でお茶を一緒に購入する。またしても、さっき弁当を持ってきてくれた人からの購入である。さらに言うと、出たゴミを捨てるためのビニールが欲しかったので、それも一緒に車内販売の人にお願いする。結局3度その人と関わってしまったために、降車するときにはすっかり顔を覚えられてしまったようだ。

ラッキーなことに、進行方向右側の席に座ったので、伊勢原を過ぎたあたりから、富士山を窓越しに見えることができた。冬の富士山はとても好きだ。真夏の富士山は、形はいいが単なる黒山にしか見えない。ところが冬の富士山は、8合目くらいから山頂にかけて雪が被っているため、この光景がとても素晴らしい。チラリズムに匹敵するように、電車の動きに合わせて、近場の山から、ちらちらと山頂部分が見えるのもなかなか趣がある。

10時30分、定刻どおりにロマンスカーは箱根湯本に到着。小田原から箱根湯本までは、単線路線であるため、長い車輌のロマンスカーにとっては、とてもつらそうな運転なのだろうが、それでもゆっくりゆっくり電車は走って箱根湯本まで走る。そして、箱根登山鉄道への乗り換えは、同じプラットフォームの逆側に停まっている電車に乗り換えるだけでよい。改札を出る必要が無いので、とても便利だ。ということなので、ここまで来たときの特急券を回収する場所が全く無く、そのまま手元に残ってしまった。

ちなみに、乗車券はもちろん箱根フリーパスを使った。箱根のバスや乗り物はすべてこのパスを使って乗り降りができるのはとても便利である。いちいち現金で支払っていたらめちゃくちゃ金が掛るだろう。さらに言うと、今回は日帰りで箱根だったが、この箱根フリーパスは2日間使えるという便利もの。週末の土曜・日曜で箱根に行く場合には、是非このフリーパスを使ったほうが良い。まぁ、大抵の電車で来ている観光客はこのフリーパスを使っていたようだ。

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