温泉郷である天山は、箱根の中でも湯量が豊富なところであるために、日帰りも含めてたくさんの人が温泉に立ち寄ったり、湯治に来たりしている場所で有名だ。湯本からも近いところにあるし、小湧園のようにめちゃくちゃ広いわけじゃないのだが、十分広い露天風呂がたくさんあるために、いろいろなお客さんがやってきているところでもある。
学生のときに数回行ったことがあるくらいで、それ以降は全くご無沙汰だったので、天山のことは話題にすることがあっても、最近の天山がどのようになっているのかという情報はよく知らないでいたし、10数年前に行ったときの思い出しかないので、そのまま残っているのかどうかが不思議であった。
今回の天山は、甘酒茶屋から旧街道をバスで移動して、奥湯本入口まで乗る。バスは元箱ねから湯本駅にいく路線であり、箱根ターンパイクを通る快速バスでは天山に行くことが出来ない。旧街道の途中のバス停からだと、20時ごろまでバスは運行しているが、元箱根から行く場合には、最終バスが16時5分なので、時間には注意である。
奥湯本入口のバス停は、天山がある場所の、本当にちょうど入口に当たる場所にある。しかし、バス停がある街道は、天山の温泉から見ると、高台にある位置にあるため、天山にいくには、そこから急斜面の道路を降りていかないといけない。私有地になっているので、温泉に来るまたは温泉から帰る車しか通らないのだが、結構厳しい坂道なので歩くのが辛い。
天山の入口はまるで割烹や料亭のような入口であり、なんとなく敷居が高いような気がするが、その敷居が高そうに思えるところが、天山での温泉をのんびり楽しめるための高揚させる原因になると思う。
そういえば、昔は無かったものの1つに、事前に自動販売機で入湯料を払うようなことをしなければならないというのは吃驚した。まぁ、それはいいとして、天山の入湯料は1人1200円。ただし、箱根フリーパスを持っていれば100円引きでOK。
入口の下駄箱に自分の靴を預けて、その預けたときの鍵を帰るまで大切に持っておく。外の自動販売機で買ったチケットを係員に払っていよいよ中へ入る。中は、最初はお風呂から上がってきたひとたちが、火照ったり、ボーっとしているところを覚ませるための憩いの場がある。たくさんの人が寝そべってもいいような空間になっているので、カップルで行った人たちは、それぞれの性別でお風呂に入って、あとでこの空間で合流をするというようなスタイルを取っている人は多かった。それでも、他人と一緒の空気を吸ってのんびりするのは嫌だというような奇特な人のために、個別の部屋も用意されていたりする。追加料金はたしか2000円くらいだったとおもうのだが、それは、入口の係員がいるところで払えばよい。
お風呂がある場所は、階下に下りていくと存在する。男子側だと、部屋に入ってすぐ脱衣場がある。ここで銭湯と異なるのは、脱衣場が露天風呂となんにも敷居がなく、すぐそのまま露天風呂にいけるところだ。扉があるわけでもない。雨がふったら脱衣場まで水浸しになるのではないだろうか?脱衣場のロッカーは結構たくさんあるので、まずおける場所が無いということで困ることは無いだろう。すべてのロッカーは鍵がかかるので、貴重品に対する防備は万全である。
男子風呂のほうで言うと、お風呂の数は、一番大きな露天風呂がお天道様が望めるところにまずは存在する。その大きな露天風呂も、実は湯泉がある場所と、真ん中に敷居があるものとで分けられる。湯泉があるほうは、本当にお湯の温度が熱い。たぶん45度くらいはあると思う。よほど熱いお湯が好きだという人以外は、ここに入るのは辛いだろう。それで、お湯を冷まさせて、ちょうどいいお湯にすると、なかなかこれが良いお湯加減になる。そこに屯って居る人はやっぱり多くなる。どんなに長くお湯に入っていても、全然逆上せない。それくらい外の気温は寒く、お湯の温度がちょうど良く、お湯から上がる気になれないならない。
そのほかは屋根付き場所に洗い場と、少し熱いお湯の露天がある。しかし、この露天もまた曲者で、なぜか壁に近いところに狭い空間を作って、そこにはどうがんばっても最高で3人くらいしか入れないような場所があり、もちろんお湯はあるのだが、お湯の温度が40度くらいのすごい温めになっている。さらにその温めの場所は、他の場所からは、直接みることができないように、低い岩で囲まれている。もちろん、狭いところからは、顔をお湯から出していたら、周りの風景はみられるのだが、周りからはお湯の中でなにをしているのかは全く見えないような状態である。
曲者といったのは、ここがある種の人たちにとって、とても人気がある場所なのだ。なんのためか?それは天山にくる客の性格にも寄るのだが、天山はゲイの客が多くやって来る場所で有名なところである。意味なく、いろいろな露天風呂をあっちにいったりこっちにいったりして、どんな客が今日は来ているのかというのを物色しているへんなおじさんからお兄さんも数人いた。もちろん、陰になっている場所のぬるま湯の場所にも、常に満員になっていて、お湯の中で互いに触っているような行動をしているのを見かけた。このぬるま湯のほか、なぜか階段状に小さい露天風呂も別にあり、一番上の露天風呂に行くと、後ろは誰も入ってこれないような鬱蒼とした森になっており、誰かがほかに入ってこようとした場合には、絶対通ってこないといけない階段があるが、そこからは直接一番上の露天風呂の中は見ることが出来ないようになっている。ここもまたゲイの人たちにとっては、互いに他の人の体をさわることができるスポットになっている。
もちろん、ゲイの人たちだけではなく、一般人のひとも多く来ている。多くはカップルで来ているため、温泉の湯船ではひとりでのんびりしているひとが多いのだ。それから、子供連れの客もたまにいる。子供がおとなしくしているのであれば別に気にならないが、子供がぎゃぁぎゃぁ言い出すと、うるさくて堪らない。
天気が良い昼間にいくのもいいのだが、やっぱりここに行くのは、夕暮れから夜に掛けていくのが一番趣があって良いとおもう。ただ、真っ暗になると、周りがなんにも見えなくなるので、足元が危険だ。ちなみに、まだ日が明るいうちにお湯に浸かろうと思って、体にお湯をかけようと掬ってみた場所は、実は冷泉の場所で、いきなり体が硬直してしまった。どうりで、そこの場所だけ人が湯の中に入っていないという状態だった。それに気づかなかった自分が馬鹿だった。
天山
URL : http://tenzan.jp/
Open : 朝9時~夜23時閉館
Address : 神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋208
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