2008/05/17

マッシモ劇場(Palermo)


リベルタ通りを歩くと、パレルモでいちばん有名な建物であるマッシモ劇場(Teatro Massimo)に出くわす。この建物は完成までに22年も掛かり、イタリア統一を記念して建てられたものとして着工された。現在は、パレルモを代表とする建物になった劇場では有るが、歴史的には、パレルモ自体が複雑に交じり合った官僚機構の闘争や、マフィアの支配、それと戦う市民とのプライドを凝縮したものを、ここには見ることができる。映画「ゴッドファーザー PartⅢ」のラストシーンは、ここの劇場を使って撮影されている。

ポリテアーマ・ガバルディ劇場(Palermo)

ホテルのすぐ傍にある名所は、ポリテアーマ・ガリバルディ劇場(Teatro Politeama-Garibaldi)である。空港からのタクシーでも通るときに、運転手が「ここは有名な広場だ」と言っていたので、覚えていた。この建物では冬の間は色々な公演が開催されるようではあるが、滞在中に何か行われるというような匂いは感じられなかった。たまたまオペラのようなものが開催されなかった時期に行ったのだろう。

建築家のジュゼッペ・ダミアーニ・アルメイダの設計で1867年から74年に掛けて立てられたもので、別の場所にあるマッシモ劇場に似た円形の堂々たる建物で、巨大なブロンズ像を関した派手はファザードは凱旋門を思わせるような風貌だ。目の前に広がる広場には、昼間からたくさんの人たちがのんびりと屯しているし、日曜日には、この広場から南の中央駅を結んでいるリベルタ通り(Viale della Liberta)は日曜日の昼間には歩行者天国になる。しかし車が全く通らない大通りほど不気味なものは無いと感じるのは、ここで初めて知った。夜の広場もなかなか景色が良い。ライトアップがされてあり、その光にフォーカスが当てられているのが劇場なのである。

Grand Hotel et Des Palmes (Palermo)

パレルモに到着した際に、空港からホテルに移動するというのを考えた場合、ガイドを見たらバスもあると聞いていたが、バスはだいたい駅までしか行かないために、駅から近いホテルだと都合が良い。逆の場合は、重いスーツケースをごろごろ引っ張りまわして歩かないといけないことほど面倒くさいものは無い。だから、予約の際に考えたことは、ホテル自体に送迎がついているほうがいいなということ。台湾で味をしめたためかは分からないが、無駄な動きをせずとも、送迎があるほうが楽なのだ。

パレルモのはシチリアの中でも大きな町であるためホテルはたくさんある。旅窓でも出てくるし、日本で予約して日本で決済してしまうので楽なのであるが、もうちょっと調べてみると良いホテルは旅窓では予約が出来なかった。それがわかったのは、分厚いロンリープラネット(イタリア版)を参照にして調べたからであって、地球の歩き方程度では全然役に立たないなと思った。

今回のパレルモ滞在時に利用したのは、グランドホテル・デ・パルメ(Grand Hotel et Des Palmes)というところである。予約は、直接ホテルのウェブサイトから行ったのだが、予約サイトに行ってみると、いろいろなメニュが用意されていて、何を選んだらいいのか良く分からない。先にも述べたとおりに、ホテルまでの移動を考えたところ、送迎サービスがついているものがあったので、それを選択した。

パレルモ空港に乗っていた飛行機が到着したのは、イタリアらしく、定時には到着できず、20分遅れで到着した。出発自体が30分も遅れたのだから、それも当然なのだろう。ホテル予約のときに、いちおういつ到着する飛行機だということはネットで記載はしたのだが、これがどこまで本当に送迎の担当者に伝わっているのかとても不安だった。まぁ、パレルモの空港に到着したときに、送迎の人が居なかったら居なかったで、タクシーパレルモ中央駅までの路線バスでも使おうと思っていたくらいだったが、その心配は要らなかった。荷物を受け取って、出迎えの人でごった返しているロビーにところに来て見たときに、期待としては扉の向こうにすぐに自分の名前が書いたプラカードの人が立っているものかと思っていたが、そんな人はどこにもおらず、やっぱり・・・と少しガッカリしていたのだが、タクシー乗り場ってどこだろうと、きょろきょろしていたときに、遠くの柱の寄りかかって立っていたオッサンが、自分の名前、それも苗字ではなく下の名前が書かれた紙を持っているのに気付いた。開口一番「遅いよー、なんでだよー(当然英語だが)」と言われてしまった。自分が悪いわけじゃないので謝るつもりは無かったので、「イタリア特有のイベントが発生したから」と答えておいた。オヤジは笑っていたが、きっと馬鹿にされたと思ったに違いない。出迎えの人が居たので、楽をしてホテルまで移動することが確定された。

さて、ホテルまでだが、出迎えのオヤジはホテルが手配した一般タクシーの運転手だった。最初はホテルの人かな?と思ったのだが、車のところまで来たときに、「TAXI」と書いた車だったから、すぐわかった。料金をここでは払う必要が無いので同でもいいと思っていたのだが、気になったのは、タクシーにメーターが付いていないのである。ガイドにも書いていたが、シチリアのタクシーは乗る前に交渉することになっている。距離感でその相場は決まるらしいが、こちらは全然距離がわからないので、こういう交渉は結構難しい。

空港から街中への移動は、シチリアの独特の天候と荒々しい風景が車窓から見られるのは、やっとシチリアにきたという感覚になって楽しくなってきた。やっと春になったシチリアではあるが、それほど気温は高くないのに、この無性に喉が渇く乾燥はシチリアっぽくて気分が良い。タクシーのおっさんは、陽気な人だったので、いろいろ話し掛けてきたし、ここは名所だから絶対行けよーとか、ここで買物をしろとか紹介してくれた。買物をしろといった場所は、パレルモの中でもブランドの店が軒を連なる場所ではある。しかし、そんなところで買物をするつもりもないし、大体金がないので、「あぁ、こういうところはもっと金持ちになってから来ることにします」と言うと、大爆笑された。

パレルモで最も古いホテルの1つであり、最も有名なホテルで、立地条件がとても良い場所にあるホテル「グランドホテル・デ・パルメ」にタクシーが到着したとき、場所が違うでしょう?と一瞬思ってしまった。というのも、あまりにも豪華な玄関に見えてしまったからである。つまり、自分たちが選んだとはいえ、場違いなところに来たのかなとおもった。しかし、ちょっとだけその気分を抑えてくれることがあったのは、ドアマンが居なかったところである。いちおう4つ星ホテルなのに、ドアマンが居ないのだ。たぶん居るのかもしれないが、イタリア人なので職場怠慢としていたのかもしれない。でも、それを咎める人は居ないのがイタリアらしい。
さて、そのホテルだが、ロンリープラネットの紹介によると次のとおりに書かれている。
「1874年開業の市内で最も古いホテルの1つ。ここではまるで宮中のように、陰謀や密通やパレルモの歴史の様々な裏表が展開されていたが、1970年代に入るとエリートのお気に入りの座をヴィッラ・イジェーアにとって代わられた。シャンデリアや巨大な鏡がある大きなサロンは変わらず見事で、客室も豪華に飾られている」

このとおりで、客室はとても綺麗なつくりだった。

もっとびっくりだったのは、朝食で使われる場所である。天井がとても高く、こんなところで朝ご飯を食べるなんて、なんて贅沢なんだろうといわんばかりの場所なのだ。提供されるご飯は、ホットミールはゆで卵くらいしかないが、パンの種類が異様に多い。あとは果物とハム・チーズ類。コーヒーはサーバがあるのだが、このときには調子が悪かったらしく、セルフサービスだったところを、従業員が行っていた。全体的には、大満足ができるホテルだと思うし、またパレルモに来るのであればここに絶対泊まるのがいいだろう。お勧めである。
そういえば、パレルモにもスーパーがあるので、是非、市内を観光する前には大量の水を買っておくのがいいだろう。このホテルから歩いてすぐのところに、観光名所であるポリテアーマ劇場があり、それに面するマクドナルドの裏に、実はスーパーがある。観光地では概してなんでも値段が高いのだが、スーパーだから値段は安い。ここで2リットルのペットボトルの水を大量に買っておくことをお勧めしたい。


Grand Hotel et Des Palmes
http://www.grandhoteldespalmes.com/
Via Roma, 398, 90141, Palermo, Italy

エアーワン


ローマからシチリアへ行く際に、今回は国内線であるエアーワン航空の飛行機を利用した。この航空会社は、スターアライアンスとのパートナー航空会社になっているため、利用するとスターアライアンスメンバーはマイルが加算されるのである。イタリアでは圧倒的にアリタリア航空のシェアが高いのは当然なのだが、純民間航空会社としては、イタリアでは一番大きな航空会社にもなっている。マイレージプログラムを独自で持っているわけではなく、基本的にはルフトハンザ航空のMile&Moreに依存しているところがあるが、他のプログラムとも早い段階で提携が進んでいたために、今ではスターアタイアンスの各航空会社のプログラムとはregional partnerの中に組み込まれることになった。

元々はミラノを中心とした路線で始められていたが、今では21都市との就航が出来ているイタリアでは有望の航空会社だ。ただ、ローマでのエアーワン航空の扱かわれかたは、ターミナルの設備をまともに使えるわけではないようで、飛行機はターミナルから離れたところに留められているのが普通だった。しかし、シチリアでは、パレルモもカターニアもどちらも変なところに留められているということはなかった。

乗務員は男女同数程度が乗り込んでいて、年寄り臭い乗務員が無く、てきぱきと捌いていたのは印象的だった。イタリアの国内線なので、乗っている時間はほんの少しなのだが、それでも飲み物とお菓子のサービスは行われた。無駄なサービスや愛嬌は一切無いところが、イタリア人らしくないが、それでも好印象だったのはきっと乗務員の笑顔が良かったからだろう。

そういえば、飛行機の中での写真を全く撮らなかったのは不覚だった。

スターアライアンスと提携されているから、成田でのチェックイン時において、荷物だけは通しで預けることが出来るものかと思っていた。ところが、シンガポール航空では無理なのだそうだ。いちおう成田チェックイン時に聞いてみたが、答えは同じだった。だから、ローマに到着したときに、一度荷物を受け取って自分でチェックインをする必要がある。荷物なしでのチェックインは特に問題ないのだが、トランクを持って移動しながらチェックインをするのはとても面倒くさい。おまけに、ヨーロッパ外からの到着便は、ローマの空港のBターミナルに到着するのであるが、イタリア国内線の場合はターミナル自体が異なり、Aターミナルに行かないといけない。全部で3つあるターミナルは、横一列に並んでいるのでとても分かりやすいが、1つのターミナルが横長なので、移動するのが結構大変。それともう1つわかったことなのだが、日本の場合、国内線の利用の際には特に身分証明書が必要が無い。しかしながら、イタリアの場合国内線利用の場合でも身分証明になるようなものが必要になる。外国人の場合はパスポートが必要だ。よく考えたら、台湾の国内線を利用した場合にも同じようにパスポートを出したので、日本が特別なところなのだといえるだろう。

エアーワン航空
http://www.flyairone.it/en/

チャンギ空港での炊き出し


シンガポールで、ローマ行きの飛行機に乗り換えるためには、シンガポールで7時間半くらいのトランジットの時間がある。この間、チャンギ空港でボケ-ッと待つというほどもったいないことは無い。従って、いつもシンガポール経由でトランジットする時には、一度シンガポールに入国して、ご飯や買物をして時間を潰して、また飛行機に乗るために空港に戻り、そこで空港内にあるシャワーを浴びて、ヨーロッパに行くことにしている。今回は特に遅い便への乗り換えであるために、その時間の使い方や時間帯を心配する人も多いだろうが、あのシンガポールでは特に何も心配することは無い。

ただ、今回の乗り継ぎは少し体力的に消耗した気がする。乗り換えの飛行機のしっぱつ時間が夜中の1時15分であるため、ただでさえ眠い。搭乗する時間はもう少し前だとしても、12時を廻ったあとに乗り換えるのは結構疲れるものである。そういう状況下において、今回はなんと飛行機のトラブルに伴い、乗り場から出発時間まですべてが変更になった。本来飛ぶべき飛行機と同じ型の飛行機でなければ、既に払い出している航空券の座席番号と合わないからだろうが、空港内での移動でまず疲れた。シンガポールでは、出国前の荷物検査というのが、出国手続きとしてパスポート検査をしたあと、各乗り場ゲートの近くで行われる。ということは、ゲートが異なると、また荷物検査を受けることになるのである。その荷物検査というのが曲者で、多くの検査場を開いて効率的に運営しているわけではないので、長蛇の列になるのだ。荷物検査を1回受けるだけでもうんざりするのだが、また同じ荷物検査を行わないといけないし、さらに遅い時間にされるということは、ストレス感がたまるものだ。さらに今回は出発時間がずれたのも嫌気が上乗せされる原因だった。

最初は、出発時間が30分くらい遅れますとアナウンスがあったのに、最終的には、出発時間は2時間遅れますというアナウンスが改めて出たときには、さすがの客も「えぇ~!!!!!」と驚きと落胆の声があがった。おとなしいドイツ人なら文句も言わないだろうが、特に今回はイタリアのローマ行きの飛行機であるため、ただでさえじっとしていられないイタリア人が黙っているわけが無い。眠い上で遅れるなんて言われたら、大人しい人でも文句は言いたくなるだろう。シンガポール航空側も考えたようで、夜中に炊き出し隊を急遽作り、食べものと飲み物で黙らそうという作戦を開催したのだ。これはこれで笑えた。人間の底辺的な欲望を抑えておけば、余計な反発は出てこないだろうというのは、貧乏国の発想なのだが、今回はさすがに方針を間違えたとしか思えない。炊き出し隊の出動の時間帯が悪かった。だいたい夜中の2時のような時間帯に、ご飯なんか要らないのだ。夜行性の人だったらいいのだが、そんな時間帯に元気になる人はそんなに多くは無いだろう。やはり、炊き出し隊が出てきた時には、最初は、欠食児童のような人たちが数人集まっていたのだが、その流れもすぐに無くなってしまった。食べ物のサービスより、最後まで少しは流れがあったのは、コーヒー、紅茶、ジュース、水の配布のほうだった。

最先端の設備と見栄による虚像の塊のシンガポールで、なんとなく古い中国の気質を見てしまった気がした。

A380成田へ就航


シンガポール航空でシンガポールに到着したときに、随分変なところに止まるなーというくらいターミナルからかなり遠いところに止まった。飛行機から降りて、コンコースへ出る際に、ふと横を見ると、なんと話題になっているエアバス380型という飛行機が停まっている。シンガポール航空の機内誌でも、5月20日から日本就航と大々的に宣伝しているだけあって、どんなものかという興味はある。その実物が目の前にあったので、それに気付いた人たちが、飛行機から降りた直後だというのに、カメラのシャッターを切っていたのは笑える。

さて、そのA380なのだが、ホテル並みの豪華な席を保有していることを宣伝しているのだが、確かに宣伝パンフを見ていると、これが飛行機の中なのか?といわんばかりの設備になっている。だいたい、プライベート個室というのを導入していること自体が、なんとなく怪しさを醸し出していていいではないか。飛行機の中でパコパコとセックスをするというのは、ドラマや映画の見すぎではあるが、これが本当に実現してしまうのもありうる。一時期、東海道新幹線で導入されていた個室と同じコンセプトのように使われることだろう。フルフラットシートになるというのは、今までのほかの飛行機でもあったことなので特に気にしないのだが、ダブルベッドでという言い方をしているのもなんとなくすごい。つまり、仕切りなしで二人分を利用することができるということなのである。しかし、これらの設備はあくまでもファーストクラスのシートの話。

じゃ、エコノミークラスの席はどうなのかというと、実物を見ないとなんともいえないのだが、宣伝を見ている限りにおいては、それほどいままでのエコノミークラスの席と変わらない。席が広くなるかなと期待していたのに、それが全然変わらないのである。せっかく客室の広さが広くなったので、全クラスのシートが広くなるのかと思ったら、恩恵を受けているのはやはりファーストクラスとビジネスクラスだけ。エコノミークラスは、貧乏人の集まる集合体であることは変わりないらしい。さすが、貧乏人には見向きをせず金持ちしか相手にしないシンガポール航空ならではだとおもった。

最近サービスの低下が特にシンガポール人に叫ばれているため、他の航空会社にシンガポールの人は移っていると聞く。クレームがあったら、75USドルのわび料と称するクーポン券を配って、口封じをするのもいいのだが、特定クラスのみを機材に入れている航空会社なら差別サービスをするのも分かる。しかし、全クラスを対応することを目指しているシンガポール航空なので、もっとなんとかならないかと思う。まだまだ、日本ではシンガポール航空のイメージは高いので、その高いうちに変革を望みたいところだ。

チャンギ空港


シチリアに行く際に利用したのは、今回もシンガポール航空である。ということはシンガポールを経由していくことになり、見慣れていると思っていたチャンギ空港が、今回からなんとなく違うなと思った。というのも、日本発着便のシンガポール航空の飛行機は、ターミナルがそれまでの2から3に移ったのだ。ターミナル3が利用開始に伴って、ヨーロッパ便と日本便はターミナル3からの出発ということになったのである。これで、またチャンギ空港も広くなってしまって、迷子になるのではないかと思われるが、本当に広くなってしまって、ターミナル間は無人運転電車で移動することになる。

新しくできたターミナル3は、見慣れているターミナルの雰囲気とは全然異なり、なんとなくそれまで「シンガポールに来ました」という南国独特の雰囲気が楽しかったのに、その気分が全く感じさせることが無く、ただでさえ無機質感で一杯のシンガポールを、さらに輪をかけたように無機質感を感じさせてくれるような建物だった。ただ、1つ違うのは、天井がとても高く、それに自然の太陽光を取り入れているのでとても明るい。さらに、ターミナル内のブランドショップは、前にもまして増えたような気がする。

それに反して、新しいターミナルの設備をあまり分かっていなかったために、乗り換えの際にシャワーを浴びるために立ち寄ったターミナル2のほうをみてみたのだが、これが、閑古鳥でも鳴いているかのように、なんとなく寂れた感じがした。シンガポール航空の主要便がほとんどターミナル3に移ったからということもあるが、それでも他の航空会社の飛行機はターミナル3にきている訳ではないので、それほど客層に違いが出てくるとは思えなかったのだが、あまり金を使わないような人たちばかりがターミナル2に集まっているように見えたのは気のせいだろうか。東南アジアやインド線がまだターミナル2だからというのも理由かもしれない。

シチリアへ

今年のゴールデンウィークは、暦としてはなかなか長期間取るには取り難いという日程だったことと、昨今の石油価格により航空運賃が馬鹿みたいに高くなったこと、それと19年度末に、国会を賑わした特定財源問題によるガソリン代がいきなり25円以上も下がったこともあり、海外に行く人がこのときには結果的に少なくなったようだ。とはいっても、ゴールデンウィークギリギリになって航空券を予約しても、空いている場合はほとんどないため、だいたい2月くらいから、行く・行かないに限らず予約をするのがセオリーだろう。ご多望に漏れず、自分も今回は2月後半に既に旅行会社に航空券の予約をお願いしていた。

今回の渡航先は、イタリアのシチリア。なぜシチリアかと言われると、少し今回は理由がある。年末にアラブ関係の書物を読んでいたこともあり、ちょっとだけアラブを感じられるところをに行ってみたかったのだ。昨年はマルタに行って、キリスト教圏にあるのになんとなく大陸とは違うなという雰囲気を感じることができたのも後押ししたことなのだろう。なぜなら、シチリアはマルタのちょっと北にある場所だから、本当に文化的には近い。実はシチリアには1度行ったことがあるが、そのときには、じっくり1つの町を診ると言う事はしないで、大人数で行ったこともあるが、あちこち少ない日程の中で廻ったため、どこがどうだったのかという印象が全く無い。だから、もう一度行ってみたいということもあるし、今度行くならじっくりと回りたいと思ったのである。

シチリアも色々見所があるのだが、今回選んだのは日程と交通機関を考えて、パレルモ、シラクーサ、カターニアの3箇所にした。前回は、映画「グラン・ブルー」で有名になったタオルミーナと、南のギリシャ神殿跡があるアグリジェントにいったのだが、別に是といってびっくりするものでもなかったので、今回はパスした。

さて、日程なのだが、困ったことに、イタリアのメーデーは、本当にすべての交通機関が止まってしまうのである。ただし、飛行機は除く。シチリアの場合、電車よりバス網が発達しているために、移動するにはバスが一番なのだが、そのバスが「今日は営業しない」となると、どこにもいけなくなるのである。したがって、メーデーのときに、別の都市に移動することだけは絶対避けた。それからシチリアには、パレルモとカターニアの2箇所に空港があるので、これをどう利用するかということが絡んでくる。どうしても行きたいところは、パレルモとシラクーサだったので、またパレルモに戻るというのもありだが、距離が遠いので、シラクーサから近いカターニアに泊まった。

またまた面倒くさいことではあるが、海外からだとシチリアにはどうしてもローマを経由しないとダメだったため、ローマからの渡航を考えるのであるが、ローマから日本に買えるときの便との接続があまりにも悪いため、帰国日にシチリアを離れるということができなかった。前日にローマ入りしないとダメという時間のロスが分かる。しかし、ローマでは見るところが特に無いので、結果としてローマは空港からバスの送迎があるホテルに泊まることにした。

今回の予定と渡航路線は次の通り。

Apr 26(Sat) SQ 637 NRT 1130 SIN 1735
Apr 27(Sun) SQ 366 SIN 0115 FCO 0745
AP2836 FCO 1210 PAL 1310
May 3(Sat) AP2847 CAT 1415 FCO 1530
May 4(Sun) SQ 365 FCO 1200 SIN 0605
May 5(Mon) SQ 12 SIN 0945 NRT 1735

略説明
SQ : シンガポール航空
AP : エアーワン航空
NRT : 成田
SIN : シンガポール
FCO : ローマ
PAL : パレルモ
CAT : カターニア