2013/03/02

ピンホール眼鏡

目が悪い人なら誰もが経験したことがあると思うのだが、手の親指と人差し指で輪を作って、その中に見える輪の大きさを指で段々小さくしていき、小さい穴にした状態を望遠鏡のようにして、遠くのものを見ると、結構ハッキリものが見えるという経験はないだろうか?よく、黒板に書かれた字が読めなくて、メガネも無いときにはそういう手段を使って黒板の文字を見ていたことがあった。

実はこれには理屈があって、近視の人の目の焦点が簡単に言うと「バカ」になっているので、バカの代わりに手で焦点を作ってあげて、その簡易機能を使って、それまでハッキリ見えてなかったものをハッキリ見えるようにしているだけのこと。この本来の機能を自分の目で行っていれば、遠いところもはっきりと何もしないでも見えるのだが、メガネを掛けるのもコンタクトをつけるのもしないような自分にとっては、早く近視トレーニングにいくか、レーシック手術をうけるかをしたほうがいいとおもうが、なかなか踏ん切りがつかない。

しかし、世の中にはアホなことを考えて商品化するような人もいるようで、これまで手で行っていたことを、じゃ、メガネにしちゃえばいいじゃんということから、こんなものを本当にメガネ化してしまったものが売られていた。

見た目はトンボのようになっているのだが、ちゃんといちおう細かい点になっているところからモノを見ることが出来る。目の位置によって、それぞれの人で小さい点になるところが誰でも合うようにという意味だろう、たくさんの穴が開いているのである。ただ、他人から見たらこのメガネを掛けている姿は変態そのままだろう。だが、遠目で見られると、サングラスでも掛けているのかな?とおもうから面白い。そして、このメガネはずっと掛けているべきというものではない。目の疲れを治すため、つまりいままで間違った焦点で見ているものを、このメガネを使って補正することで、目の疲れを取るという意味でもあるようである。

パリ・旅の雑学ノート(書籍)


パリに関する本はもう腐るほどたくさん世の中に出ていることは出ている。どれもこれもパリにいる自分ってちょっとハイソな感じがするので、みてみてーっという主張をしているのが結構多いのだが、エッセイストの玉村豊男が書いた「パリ・旅の雑学ノート~カフェ/舗道/メトロ」については、特にパリにいる筆者の様子について書かれているものでは全然ない。目線はどちらかというと、筆者目線ではあるが、筆者がパリで見たものを寄り深く掘り下げたものであり、別の視点から見れば、ガイドブックとしては整理できないパリの様子を述べているというものだ。

出版された時期も1983年であるから、このブログを書いている時期よりも30年も前に出版されているものだが、いま読んでも全然色あせていないのは、パリの街が全然変わっていないということもあるのだが、記載されている目線が、パリの根本的でぶれないエスプリを機軸に書かれているため、いまでは見た目が異なるが、それをちょっと前のツールで作るとこうなるという参考になるし、30年前に見えていたものが今見えていても全然変わらないというのを歴史的表現として参考になる資料でもあるともいえよう。

文章がうまい人が書くと、時間がかなり経過したあとだとしても、なぜ全然古臭く感じなんだろうと本当に思う。たぶん、それは短期間だけパリに居て、そのときに感じたものをそのまま日本に居る人に紹介しているというのではなく、パリに長年住んでいるときに思ったこと、自分が困ったと思ったこと、不思議だと思ったこと、こうしたらおもしろいんじゃないだろうかと発見したことを、経験談によって文章化したからなんだろうと思う。だから、あとから日本からパリに短期だろうが、長期だろうが、住む機会があったとして、ましてやパリに旅行に来た場合に、おそらく多かれ少なかれ体験するだろうということをいろいろな角度で詳細化しているからなんだろうということもある。

だから、パリに行く前にパリっていうのはこういう雰囲気があるところだというものを、おきらくな頭の中で消化させていくには、本当に脳みその中でパリを散歩して楽しめるものだと思う。脳の中にパリの情景が出てきて、例えばお店の中に入って、相手をしてくれた店の人の情景まで見えてくるというようなものだ。

一般的なガイドブックの場合は、どこの店にいったらいいとか、ここの史蹟についてはこういう歴史的裏があるのでみたほうがいいとか、生活・旅行と関係なく、一遍等な当地の様子を記載していることが多いと思う。ところが玉村氏があちこちパリ市内を歩いて、それぞれのところで気になって、気になったから地元の人に聞いたり自分で調べたことをノートとして、メモとして残しているのを、読者はそれを横から覗き見しているようなものなのだ。でも、雑にそして無カテゴリーとして文章が整然と並んでいるというわけでは全然ない。ちょっと生活密着型をテーマにした百科事典ということだ。それも主人公は誰もおらず、あるときは筆者かもしれないし、あるときは、筆者の目線でみている読者だったりするのだ。

特にいまではデジカメ全盛期のために、文章が下手くそでもそれを写真で補えば、それなりにもっともらしい書籍が出来てしまうという時代であるが、1983年なんていうと、まだまだ一般写真機を使った写真が全盛であるわけで、それもフイルムが高いから、たくさんの写真を撮れないという状況である。ところが、それを玉村氏はイラストという形式で紹介している。適当な汚い絵で描かれた旅行記のような本は最近特に多いのだが、あの手の本は絵で説明をしていると見せかけて、その絵があまりにも下手くそなので、読んでいるひと、本物の品物や状況を知らない人にとっては全然想像も付かないということに陥る。ところが玉村氏のイラストは、なかなか細かく、気にするべき点というのを絵のなかで焦点をあわせているので、たぶん、現地で同じようなものを見つけたときに、やっぱり同じポイントに注目してしまうんだろうなというのは容易に想像できるのだ。こういう細かいところが心遣いとして素晴らしい。女性旅行作家が書いているようなものは、自分大好き人間がきゃぴきゃぴしながら楽しかったーみたいな様子で書かれているので、内容が散漫だし、んでなにが良いわけ?というのが全くピントがずれているところがおおいのだが、そういうのは全く無い。落ち着いて読むことができるものだ。

ただし、いまはユーロの時代であり、シェンゲン協定がある自体であるため、ヨーロッパ旅行の際には同一通貨ユーロで各国を旅行できるようになったし、国境を抜けるときにいちいちパスポートを車掌やら国境ゲートのところで出す必要が全くなくなっている。30年前というと、まだそんなのがなく、1つの国は1つの国だけに通じる通貨しかなく、国境を越えるときにはパスポートにハンコを押してもらわなければならない時代だ。だから、書籍のなかで記載されている通貨の単位は「フラン」であり、そこに書かれている金額はだいたい、1フラン=20円くらいと思って読まないと、全然意味が通じなくなる。手元に、むかしのフランスフラン紙幣でも持ちながら読み始めると、ちょっとは気分が出るんではないか?ただ、別に30年前に気分をタイムスリップする必要は無く、30年前に玉村氏が感じたものを、現代に自分たちが感じても良いわけで、それは本と同じことだったというスタイルは30年経っても変わらないと思うため、現地で自分で感じたことと、この本を比較するのも面白いかもしれない。

パリはいろいろな趣向のひとに受け入れられる町だと思う。芸術と食い物と歴史と文化が溢れているところであり、特にパリの人は日本人とは異なる粋な度量を持っているところがある。是非、パリに行く機会がない人、よくパリに行っている人、個人的な環境に関係なく、是非彼の作品を一度は読んでみていただきたいと思う。

パリ 旅の雑学ノート―カフェ/舗道/メトロ
著者:玉村豊男
文庫: 289ページ
出版社: 新潮社
発売日: 1983/04


八丁味噌・カクキュー

うちは元来転勤族だったので、家の味は東西めちゃくちゃ混ざっている。どのジャンルについても、東日本と西日本がチャンポンになっているので、いわゆる家庭の味となると、他人がうちの味に接したら、たぶんどこの地方のものなのかわけがわからなくなるだろう。

そんなチャンポンメニュの1つに、味噌汁も代表とされるが、これはうちで使っているのは八丁味噌と別の味噌のあわせ味噌を使っている。家自体がこれまで名古屋に住んでいたことがあるかというと、全くこれまで名古屋には住んだことが無い。だけど、なぜか昔から八丁味噌がうちには存在しており、それ単体では使うことが無いのだが、複雑な味にするためなのか常に使っている。だが、赤味噌の代表格である八丁味噌は近くのスーパーには売られていないので、いつも注文して宅配してもらっている。

最近、八丁味噌を注文するときには、ネットで予約することにしているのだが、やっぱり老舗の「カクキュー」から買うことにしている。実際にこのカクキューの会社にお邪魔したことは一度も無いのだが、それでもなにかのテレビで放映されていたからか、最近は結構有名になったようである。

ここで買っているのは、北海道産大豆使用化粧箱の「八丁味噌」と、赤出し味噌の化粧箱を買うようにしている。頻繁に味噌を買っていると、その輸送コストもバカにならないので、買うときには、800g単位で買うことにしているし、味噌はたくさんあっても足らないものじゃないので、結構各種2箱ずつくらいは1度に買っているような気がする。

味はというと、名古屋の人であればもう言わずもがなと思うのだが、さすがに赤味噌が入っていると、少し辛い。それも塩辛い。味が濃い人、なんでもかんでもしょうゆをかけたいひとにとっては良いかもしれない。だから、赤味噌だけだとちょっと個人的には苦手。前からそうしているからなれてしまったからかもしれないが、赤だしの味噌に八丁味噌を混ぜることによって、少し味がマイルドになる。

あとはベースの味噌ができたら、そのなかに入れる具は好き勝手に入れればいいわけで、その具によって好みの味に調整すれば良いと思われる。あわせ味噌といっても、毎回合わせる具合が異なるようで、微妙ながら毎回同じ味にならないというところも料理の面白さのひとつだろうが、適当に合わせたときの適当になった味に、自分で笑ってしまうこともしばしば。

八丁味噌・カクキュー
URL : http://www.kakuq.jp

カリタのナイスカットミル

普段は既に挽かれたコーヒーの粉末を使って、それを即席にドリップして家で飲んでいるコーヒー。でも、あんまり実は家でコーヒーは飲まないのだが、それはやっぱりドリップ程度でも面倒くさいからというのが理由。お茶だったり、紅茶の場合は、茶葉を用意して、あとはお湯を入れるだけで適当にでたらコップに入れればいいというラフなことができるのだが、コーヒーは常に出し切るまでの間、コップの傍に居ないといけないという面倒くさいことがある。

ところが、粉末のコーヒーであればそのまますぐに飲めるのだが、コーヒー豆を買ってきたり、貰った場合には、そのままではコーヒーとして飲むことができない。何かしらの方法で挽かないといけないのだが、うちには30年前くらいに買ったコーヒーメーカーを引越しと同時に「もう要らない」からという理由で棄てたことを思い出した。

しかし、前に買ってきたコーヒー豆はこのまま腐らせてしまうのはもったいないと思い、コーヒーを挽く為のミルを探してみた。

探し始めると、結構ミルはいろいろ種類がでていることに気づく。それまで同じデパートの中のコーナーを歩いていたとしても、全然気づいていなかったのだが、注目点を決めてしまうとその存在が結構気になってくるものだ。ミルの方式もどこまで挽けるかというのも能力によって全然違うようだった。個人的には、荒挽きではなく、結構細かい粒子になるくらいまで挽けるのがいいなとおもっていたのだが、そうなると能力が結構上がるものが必要であるため、ちょっと高い。デパートでは価格と性能については参照することにして、実際にはアマゾン等のネットで購入したほうが断然安いのは分かっていたので、そうすることにしようと思った。

そんな中で選んだのは、カリタ社の「ナイスカットミル」というもの。見た目は結構ごつく、どこかのカフェでは実際に業務用にでも使われていそうなタイプのものだったが、こちらは4段階で豆の挽き方を変えられるというところがちょっと魅力的だったことと、やっぱり見た目がいかにも挽いていますというのがわかるものだったのが気に入った。ただ、このコーヒーミルは、大きさが幅120×奥行218×高さ343mmなので、ちょっと小さめのトースターくらいの場所は必要になる。だいたい、こういうものは年に1度しか使わないというような代物ではなく、必要なときにまとめて挽いておいて、粉末が足らなくなったらまた豆から挽くというようなことをするために、押し入れに入れっぱなしとならず、意外とずっと見える範囲において置くようになるだろうと思っていた。そうなると、やっぱり見た目にもオシャレなこの形は気に入ったのだ。

性能はというと、豆の挽き方はもっとジャジャーっと早く挽いてくれるのかと思ったのだが、それだと熱が発生してコーヒーの味が変わってしまうからか、意外と豆を挽くときにかかる時間は長い。それはコーヒーを大切にして扱っているということからなのだろうと勝手に想像した。まぁ、急いで飲むほどの時間の余裕が無いというわけじゃないので、コーヒー豆を挽いているくらいは落ち着いてもいいんじゃないのだろうか?

ただ、こういう精密機械は実は手入れが大変。豆を細かく刃を使って砕くわけじゃなので、その刃のところに豆の破片は当然付いたままになるだろうし、品質の悪い豆だった場合には刃が折れちゃったりするわけだし、特に豆の破片が付いたままだとすると、細かく挽きたいはずなのに、ぜんぜん細かく挽けないときも出てくるから、頻繁に刃のところの手入れは必要だろう。そのときには、手入れ用に特別なものが必要というわけじゃなく、小さい刷毛程度で全然良い。この時も、刃を本体から外すことになるのだが、大きなダイヤルのところにあるネジをドライバではずせば刃だけ取れるので、これでゴミやら細かい豆の破片を取り除けば良いのである。

ゴマをするみたいにグリグリと手回しをまわして挽く機械も世の中には売っているのだが、これと同じくらいの感覚で豆が挽けるところがとても便利だ。ただし、エスプレッソにするための極細かい粉末にすることはここでは無理なので、それを期待するのでは無理。やっぱり豆を挽いて自分でドリップして飲むというのもいいもんですね。もうスタバなんかいけなくなります。

Kalita ナイスカットミル (ブラック)
URL : 公式サイトはこちら
正規価格:¥25,725(本体価格:¥24,500)

アレグラ

花粉症の季節になってくると、もう20年選手になっているので、最初のころは、毎週、注射を打ったりしていたこともあるし、薬を飲んでいたこともあるのだが、どれもこれも全然効かなく、特に薬に関しては飲んだら眠くなるということになるため、飲まないほうが良いんじゃないかと途中か思い始め、ここ10年以上は、なんの施しもせずに花粉症の季節がきたら、単にマスクとティッシュペーパーを欠かさず持って、花粉症の季節をただ過ぎ去っていくだけを待つということにしていた。

ところが、友達に相談したところ、眠くならない薬があるよーと言われたし、内科じゃなくて耳鼻科に行ってみたら?とアドバイスを貰った。風邪ひいたとか、調子が悪いというときには内科にいくという選択しか今まで頭に無かったので、耳鼻科に行ってみることにした。

耳鼻科なんか小さいころに行ったっきり、全く耳鼻科に立ち寄ったことが無かったので、久しぶりにいってみた耳鼻科は、もう待ち時間長すぎで、なんでこんなに人がたくさんいるんだろうというくらいのものだった。

まぁ、そんな耳鼻科の話はどうでもいいとして、ここで貰ったのは「試してみましょうか」と処方されたのが「アレグラ」という薬。錠剤タイプのもので、1日2回服用することで良いとのことだが、これを飲むことによって、目のかゆみもないし、鼻水も全く出てこないし、これまで鼻を取り外したいとも思っていたくらいの不快さが、不思議にもなくなってしまったのには大きく驚いた。ゴールデンウィークあたりまで自分の場合は花粉症が続くので、それまでは毎日2錠ずつ飲んでいる必要はあるのだが、それだけで苦痛から解放されるというこの悦びは棄てがたい。

そこで、毎年花粉症になりそうな時期を見計らって、処方をしてもらうことにしている。花粉症対策の薬としてはいくつかの薬が出ているらしいのだが、自分にとってはアレグラが一番からだに合うということが分かった。これからもしばらくはこのアレグラを花粉症の季節にあわせて服用することにしようと思うのだが、アレグラ自体は一般薬局でも買える薬だ。強さとしては同じものなのかどうかは不明。やっぱり一度は薬を貰う前に耳鼻科なり、内科なりに診察してもらったうえで、その人に症状にあったものをもらったほうがいいんじゃないだろうか。

旅のスタイル研究所(Podcast)

やすやすさんが企画している「旅旅プロジェクト」の1つのポッドキャストの番組として開始されたのが、旅に付いていろいろな視点で研究しているNPOの研究所に属しているという想定で行っている番組「旅のスタイル研究所」というものだ。これには、やすやすさんと、メインキャストを行っているのが「ピッ子」さんという方の2人によるトーク番組である。

このピッ子さん、最初に声を聞いたときに、何を言っているのか全然聞き取れなかった。普段、もともとトーク番組のポッドキャストは時間がもったいないということもあるので、2倍速音声で聞いていたのだが、それだとこのピッ子さんの声があまりにも特長のありすぎる声の持ち主の方のようで、単なる雑音にしか聞えなかったというのが第一印象。しかし、時間と回数を重ねて聞いているうちに段々慣れてきたようで、いまでは2倍速音声でも全然聞くに堪えうる。

話の内容は、ほとんどピッ子さんが一方的にやすやすさんに対して話をしているという形式をとっており、それがなかなか毎回変わった内容をしているから面白い。どちらかというと、ピッ子さんが思っている「旅って、こういうところがおもしろいでしょ?」というのを基本軸として、名前の通り、いろいろな角度から旅に付いて考えてみて、より一層旅行をすることに対して楽しみを持つのはどういうことをしたり、心がけたらいいんだろう?というのを考えて実践して、その経験の結果を述べているというものだ。

ただ、ピッ子さんの経歴というか、旅行歴というのを聞いていると、なかなか面白い。中南米にいったかとおもうと、オランダに定住しちゃったりしているところが、不思議。個人的にはなぜオランダに長期定住するようになったのか、そしてオランダでは何をしていたのかというのを、どこかの回で集中的に述べて欲しいと思うところだ。オランダに対してなぜそんなに魅力的だと思ったかということを重点的に。他にヨーロッパ諸国はたくさんあるし、もっと楽しそうなところはたくさんあるのに、オランダのシステマティックなところが魅力と思ったのか、それとも単に小国趣味だったのか、またはその他のことだったのか。

1時間くらいの番組ではあるのだが、もうほとんどピッ子ワールド全開で喋り捲っているし、その主張の観点が理にかなっているところが素晴らしい。基本的にバックパッカー目線での意見なので、自分のような旅行スタイルとは違うために、いまいちよくわかんないなーというところと、なにもそこまでしなくてもというような、他人を変人みたいだと認識するような見方を思ってしまうところは結構ある。が、それもそのひとの旅行をする醍醐味なのか趣味なのか絶対外せない価値なのかというのがあるのだろう。ただ、自分には賛同ができないなというだけのことだ。

旅のスタイル研究所
URL : http://tabitabi-podcast.com/picco/

Words around the world (Podcast)

福岡の大学や会社に通う様々な国からやってきた留学生や社会人のかたたちが、日本に来て戸惑った事や、お互いの文化・風習の違いについてスタジオに集まって楽しく語り合う討論バラエティ番組なのが、福岡のFM局「Love FM」の番組である「Feel the world」というものだ。これのポッドキャストは、旅番組と異なり、違った意味で生の外国人の声を聴けるという意味ではおもしろい番組だと思う。

このポッドキャストは、番組「Feel the world」の中の1つのコーナーを切り取って行っているものであり、番組自体としては、毎週日曜日19時から2時間の番組として行われているものである。そして、番組は基本的に日本語で行われているのだが、ゲストで搭乗する海外出身者によっては、日本語が全く話せない人も登場するので、そのときには英語で行われている。DJ Rhea自体がロサンゼルス出身であるため英語は得意であるのはあたりまえなのだが、回によっては、毎回サブメンバーとしてフランス出身のひとかフィリピン出身のひとがRheaを助けるような形や補完する形でゲストに対して色々質問をしたり意見を聴いたりするというものだ。

登場するゲストの外国人も、本当にいろいろな国の出身の人ばかりであり、アジア人だけとか、ヨーロッパ人だけとか、そういうのは全く関係ない。だから、世界の各地の情報や世界の各地からやってきたひとたちの意見というのを、あまり変な眼鏡を通さずに聴くことができるという意味でも面白い意見が聞けるというものだ。そして、それらの人たちが、ほぼ全員福岡で働いていたり、福岡の大学に通っているというから驚きである。東京ならいろいろな国のひとたちがやってきているというのは用意に想像できるのだが、福岡も国際都市を目指しているということもあるのだが、結構世界から偏らずに外国人が住んでいるものだというのが分かるし、その事実に驚いた。

だいたい番組に登場する人に対して聞いているのは、「福岡の印象はなんなのか?」と日本語が話せる人にとっては「日本語を勉強するきっかけになったのはなんなのか?」ということを聞いている。福岡の印象は?という質問に対しては、東京や大阪でもいいとおもうが、それだとあまりにも巨大な都市であるが、福岡くらいの町の大きさだと、丁度言いということと国際的な都市であるし、ご飯が美味いからというのが定番となって返ってきている。福岡に住んだことがある自分にとっては、なるほどねーということもわからなくもないが、最近起こっているのかしらないが、福岡の慢性的な水不足に付いてはあまり気にしないのだろうか?ということが気になった。もう1つの質問である「日本語を勉強するきっかけ」というのが、断然現地で放映されている日本のアニメだということ。アニメとJ-POPによる日本語に対する興味というのは、最近叫ばれているのだが、実はもっと前から世界ではムーブメントが起こっていたようで、いまさらながら日本のアニメ・ポップスというのを普及させようということをしなくても、世界は必然的に日本に関心をもともと持っているということなのだ。

いろいろな国の人が自国の紹介もするし、福岡の印象、日本の印象というのを意見として発表することはするのは、その外国人の個人的な意見ではあるが、同じ国出身の人でも違う意見があるんだなということは聞いて理解できるところ。ただし、残念なことが1つある。それはDJ Rheaの質問がバカすぎることだ。もっと高尚な質問でもすればいいのにとおもうのだが、これがまぁお決まりの質問だけというか、話にふくらみが出てこないものばかりなので、有りきたりの内容しか意見として出てこない土壌を番組で勝手に作っているとしか思えないものなのだ。もう少し、ゲストと出演する人のバックグラウンドの情報を仕入れておいて、以前J-WAVEの深夜のDJとしてモーリー・ロバートソンみたいになれとは言わないが、なんでも対応できるというくらいのことをしてほしいものだ。

そういえば、この番組に、九州大学の大学院に留学していたマレーシアの友達が出演していたことを実は随分あとから知った。その友達は、番組出演中はまだあんまり日本語が出来ないということもあり、ずっと英語で話をしていたのだが、話し方がやっぱり頭が良いなという話し方をすることと、あまりマレーなまりの英語ではないので、たぶん聞いているひとは本当にマレーシア出身なのか?という疑問符で聞いていたことだろうと思う。このときもDJ Rheaは彼の専門分野についてチンプンカンプンだったようで、大学院で研究していることについてはあんまり触れなかった。まぁ、それは仕方ない。あの分野は難しすぎるし、一般人が聞いても、口を開いて聞いているだけになるだけだ。

Love FM / Feel the World
URL : http://lovefm.co.jp/feel_the_world/blogs/podcast
On Air : SUN 19:00-21:00
DJ : Rhea

世界一周ミルキクタベル(Podcast)

ポッドキャストの旅番組は数多く出てきて久しいが、夫婦で旅をしながら更新しているという番組はなかなか無いんじゃないかと思う。夫婦と記載したが、結局ずっと本当に夫婦かというのがよくわからないまま聞いていたのが「世界一周ミルキクタベル」というポッドキャストである。

番組を通して2人の男女のパーソナリティが自分たちの旅の途中を報告している内容になるのだが、この2人、たぶん夫婦なんだと思うが、ただ婚約前のすごい仲の良い2人かもしれないということも考えられるくらい、全然夫婦臭が臭ってこない。それもそのはず、夫婦であり、2人が恋人同士であり、このポッドキャストを行っている間旅行をしているんだから、それなりになにかエロいことでもしているんじゃないのかと言うのは、当然思うのだが、そういう匂いさえも全くさせないような清清しい内容になっているところがとても気になるのである。ジジィとババァのシニア旅行であれば、もうエロいことも無いだろうということはよくわかるのだが、まだまだ若い二人であれば、毎日でもエロいことをしていても可笑しくないのだが、「昨日は腰が痛くてできなかった」というような下品な内容がまったくないのも気になる。そう考えると、この2人は本当に旅行に行っているのだろうか?と聴けば聴くほど気になってくるから面白い。

この番組のとおり、このパーソナリティ2人が渡航中にその地域で感じたことや食べたことを、言葉としてリスナーに聞かせているのだが、その内容がとてもチープで深堀りが無いものになっている。その程度ならちょっとガイドブックを読んだ程度なら喋れるんじゃないのか?というような内容になっているのだ。どこかに出かけて、すばらしい建築やデコレーションなどを観にいったとしても、「すごいよねー」とか「雰囲気がでていたよね」というコメントしかなく、あんまり面白みが無い。歴史的背景でなんでそんなのが出来たのかというのを解説してくれたりしているわけでもないし、そんなバカカップルが2人でいちゃいちゃするような会話をよくもまぁネットを通してくだらない内容として世界に発信しているなと呆れるものだ。

個人的に面白いなーと思ったのは、その国に入ったときに始まる挨拶が、現地語で挨拶しているところである。これだけは他のポッドキャストでは存在しないいいことだろうと思う。ちょっとだけ旅をして仕入れている情報だということが理解できるものだ。あとは、Beer the World というコーナーがあり、2人のうち男性の「りょう」さんのほうが大のビール好きであるということもあり、各国を歩いているときに出会ったビールを片っ端から飲みまくって、その味やラベルなどの感想を述べるというものだ。映像が全く無いので、聴いているだけだから全く美味しそうと言うことも思わないし、暑いときにこのポッドキャストを聞いていると「一緒に飲ませろ、ゴラァ!」と言いたくなるような内容だ。ただ、これを聴いてヨーロッパには全くこの人たちは言っていないのだが、アジアにもいろいろとビールはあるもんだなということを知ることが出来たのは面白い。でも、音声だけしか聞こえず、それも喉をぐびぐび鳴らして、ぷはぁーうまいっという内容を聴いて、誰が羨ましいと思うんだろうか?

この番組はどちらかというと、女性の「めぐみ」さんの趣向をそのまま反映しているように思えてならない。目線や話題にしているのがこの女性のひとが感じたことがメインで、たまに男性のほうが期になったことや思ったことを述べているのだが、そちらのほうが生々しい。女性のほうのコメントは、なんというか、渋谷あたりでガイドを広げて、「うわぁ、すごーい」と喋っている感覚に似ているため、どこまで本気度があるのかどうか微妙だ。ただ、のんびりと長期間かけて各国を旅しているところだけは褒めてあげたい。

ただ、スタートが盛岡なのだが、この盛岡から日本を脱出するまでの期間がめちゃくちゃ長い。どうせだったら、日本をさっさと旅立って、その先からポッドキャストで配信すれば良いのにと思い、最初のころは、この人たち一体いつになったら海外に行くというんだろう?もしかして、最終的に海外に行かないというオチになるかもしれないと思った。が、この人たち沖縄まで行ったら、そこから飛行機で台北に移動した。てっきり石垣までいって、そこから船で移動するかと思ったのだが、予想外に金を持って行ったらしい。

そこからようやく海外だーとおもって、どういうことを感じ、どういう点について旅行を通して思うのかと言うのを期待しているのだが、特に日本との比較論も出てこないし、子現地のひとでこんな人に会いましたというのはあるのだが、その人との出会いについての話も何をしたのかも中途半端な報告であり、一体この人たちは何をしにその現地に行っているのだろう?というのを不思議に思うだけだった。台湾などの自分が行ったことがあるところなんかは、まさしく自分が受けた印象と比較してこの人たちが何を感じるか、何を見るのか、どこに行ったのかを知ることができるものだが、それを比較してみると、大したところにも行っていないし、長い期間居るんだったら、もっと他にも行くところがあるだろうと思うのに、なんだかどこの国に対しても中途半端だなという気がした。

これが旅先で撮った写真と連動して、それに音声がつき、パラパラ漫画みたいにこういうのがあったよねーというような感想形式だったら、あのような喋り方と内容でいいとおもうのだが、音声だけで情報を伝えようというのに、中身があんまりないような感想ばっかりの内容ではとてもじゃないが聴くに耐えられなくなる。が、東南アジアのほうを廻って次にどこに行くんだろうとおもったら、いきなりメキシコに飛んだのには笑えた。おいっ!そういうルートで行くなよー!と。どこかの人に唆されて、本当は地球の地続きでいくことを予定していたんだろうけど、結局いきなり中南米に行くようなことをしたのには、なかなか面白い。ただ、国によっては滞在している期間がめちゃくちゃ異なり、期間がすごい長い時間のところでは、この人たちの滞在中の様子は何をしているんだろうと気になる。

そして、中南米からまた今度はタイに戻ってくるのだが、そこから今度はカンボジアに行くことになる。このカンボジアでは、なにを血迷ったのか、カンボジア全土を廻ってみようと思ったらしく、あるときからカンボジア特集になってしまう。カンボジアに行ったことがあるひとにとっては、どこもかしこも聴いたことがあるような内容だと思うのだが、自分にとっては全然カンボジアの魅力を感じることができないままの苦痛の長編だった。というのも、カンボジアに長期間滞在したいとおもった思惑というのが全然伝わってこないし、単に長期間カンボジアに滞在したというのを何らかの経験に結び付けたいというわけではなく、カンボジア篇を聴いていると、早くこの番組が終わんないかなーというような気がしてきた。

そうしたら、あるときから番組が更新しなくなってしまっている。どうなったのかわからなかったが、随分時間が経過したあとにフェイスブックを発見して、そこで確認したところ、どうやらりょうさんのほうが大きな病気にかかってしまったようで、そこで旅行を断念してしまったらしい。それからポッドキャストも更新されていないということのようだ。それは不幸なことだとは思うが、死ななかっただけでも丸儲けだろう。ただ、そのあと、いつかポッドキャストを再開して、内容を更新するといったきり、現在(2013年3月)の段階では再開をする気配さえない。


世界一周ミルキクタベル
URL : http://mirukikutaberu.com/