2013/03/02

世界一周ミルキクタベル(Podcast)

ポッドキャストの旅番組は数多く出てきて久しいが、夫婦で旅をしながら更新しているという番組はなかなか無いんじゃないかと思う。夫婦と記載したが、結局ずっと本当に夫婦かというのがよくわからないまま聞いていたのが「世界一周ミルキクタベル」というポッドキャストである。

番組を通して2人の男女のパーソナリティが自分たちの旅の途中を報告している内容になるのだが、この2人、たぶん夫婦なんだと思うが、ただ婚約前のすごい仲の良い2人かもしれないということも考えられるくらい、全然夫婦臭が臭ってこない。それもそのはず、夫婦であり、2人が恋人同士であり、このポッドキャストを行っている間旅行をしているんだから、それなりになにかエロいことでもしているんじゃないのかと言うのは、当然思うのだが、そういう匂いさえも全くさせないような清清しい内容になっているところがとても気になるのである。ジジィとババァのシニア旅行であれば、もうエロいことも無いだろうということはよくわかるのだが、まだまだ若い二人であれば、毎日でもエロいことをしていても可笑しくないのだが、「昨日は腰が痛くてできなかった」というような下品な内容がまったくないのも気になる。そう考えると、この2人は本当に旅行に行っているのだろうか?と聴けば聴くほど気になってくるから面白い。

この番組のとおり、このパーソナリティ2人が渡航中にその地域で感じたことや食べたことを、言葉としてリスナーに聞かせているのだが、その内容がとてもチープで深堀りが無いものになっている。その程度ならちょっとガイドブックを読んだ程度なら喋れるんじゃないのか?というような内容になっているのだ。どこかに出かけて、すばらしい建築やデコレーションなどを観にいったとしても、「すごいよねー」とか「雰囲気がでていたよね」というコメントしかなく、あんまり面白みが無い。歴史的背景でなんでそんなのが出来たのかというのを解説してくれたりしているわけでもないし、そんなバカカップルが2人でいちゃいちゃするような会話をよくもまぁネットを通してくだらない内容として世界に発信しているなと呆れるものだ。

個人的に面白いなーと思ったのは、その国に入ったときに始まる挨拶が、現地語で挨拶しているところである。これだけは他のポッドキャストでは存在しないいいことだろうと思う。ちょっとだけ旅をして仕入れている情報だということが理解できるものだ。あとは、Beer the World というコーナーがあり、2人のうち男性の「りょう」さんのほうが大のビール好きであるということもあり、各国を歩いているときに出会ったビールを片っ端から飲みまくって、その味やラベルなどの感想を述べるというものだ。映像が全く無いので、聴いているだけだから全く美味しそうと言うことも思わないし、暑いときにこのポッドキャストを聞いていると「一緒に飲ませろ、ゴラァ!」と言いたくなるような内容だ。ただ、これを聴いてヨーロッパには全くこの人たちは言っていないのだが、アジアにもいろいろとビールはあるもんだなということを知ることが出来たのは面白い。でも、音声だけしか聞こえず、それも喉をぐびぐび鳴らして、ぷはぁーうまいっという内容を聴いて、誰が羨ましいと思うんだろうか?

この番組はどちらかというと、女性の「めぐみ」さんの趣向をそのまま反映しているように思えてならない。目線や話題にしているのがこの女性のひとが感じたことがメインで、たまに男性のほうが期になったことや思ったことを述べているのだが、そちらのほうが生々しい。女性のほうのコメントは、なんというか、渋谷あたりでガイドを広げて、「うわぁ、すごーい」と喋っている感覚に似ているため、どこまで本気度があるのかどうか微妙だ。ただ、のんびりと長期間かけて各国を旅しているところだけは褒めてあげたい。

ただ、スタートが盛岡なのだが、この盛岡から日本を脱出するまでの期間がめちゃくちゃ長い。どうせだったら、日本をさっさと旅立って、その先からポッドキャストで配信すれば良いのにと思い、最初のころは、この人たち一体いつになったら海外に行くというんだろう?もしかして、最終的に海外に行かないというオチになるかもしれないと思った。が、この人たち沖縄まで行ったら、そこから飛行機で台北に移動した。てっきり石垣までいって、そこから船で移動するかと思ったのだが、予想外に金を持って行ったらしい。

そこからようやく海外だーとおもって、どういうことを感じ、どういう点について旅行を通して思うのかと言うのを期待しているのだが、特に日本との比較論も出てこないし、子現地のひとでこんな人に会いましたというのはあるのだが、その人との出会いについての話も何をしたのかも中途半端な報告であり、一体この人たちは何をしにその現地に行っているのだろう?というのを不思議に思うだけだった。台湾などの自分が行ったことがあるところなんかは、まさしく自分が受けた印象と比較してこの人たちが何を感じるか、何を見るのか、どこに行ったのかを知ることができるものだが、それを比較してみると、大したところにも行っていないし、長い期間居るんだったら、もっと他にも行くところがあるだろうと思うのに、なんだかどこの国に対しても中途半端だなという気がした。

これが旅先で撮った写真と連動して、それに音声がつき、パラパラ漫画みたいにこういうのがあったよねーというような感想形式だったら、あのような喋り方と内容でいいとおもうのだが、音声だけで情報を伝えようというのに、中身があんまりないような感想ばっかりの内容ではとてもじゃないが聴くに耐えられなくなる。が、東南アジアのほうを廻って次にどこに行くんだろうとおもったら、いきなりメキシコに飛んだのには笑えた。おいっ!そういうルートで行くなよー!と。どこかの人に唆されて、本当は地球の地続きでいくことを予定していたんだろうけど、結局いきなり中南米に行くようなことをしたのには、なかなか面白い。ただ、国によっては滞在している期間がめちゃくちゃ異なり、期間がすごい長い時間のところでは、この人たちの滞在中の様子は何をしているんだろうと気になる。

そして、中南米からまた今度はタイに戻ってくるのだが、そこから今度はカンボジアに行くことになる。このカンボジアでは、なにを血迷ったのか、カンボジア全土を廻ってみようと思ったらしく、あるときからカンボジア特集になってしまう。カンボジアに行ったことがあるひとにとっては、どこもかしこも聴いたことがあるような内容だと思うのだが、自分にとっては全然カンボジアの魅力を感じることができないままの苦痛の長編だった。というのも、カンボジアに長期間滞在したいとおもった思惑というのが全然伝わってこないし、単に長期間カンボジアに滞在したというのを何らかの経験に結び付けたいというわけではなく、カンボジア篇を聴いていると、早くこの番組が終わんないかなーというような気がしてきた。

そうしたら、あるときから番組が更新しなくなってしまっている。どうなったのかわからなかったが、随分時間が経過したあとにフェイスブックを発見して、そこで確認したところ、どうやらりょうさんのほうが大きな病気にかかってしまったようで、そこで旅行を断念してしまったらしい。それからポッドキャストも更新されていないということのようだ。それは不幸なことだとは思うが、死ななかっただけでも丸儲けだろう。ただ、そのあと、いつかポッドキャストを再開して、内容を更新するといったきり、現在(2013年3月)の段階では再開をする気配さえない。


世界一周ミルキクタベル
URL : http://mirukikutaberu.com/

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