台湾にはたくさんの博物館があるところではあるが、先の国立歴史博物館と似ているがそれとは違うものに、国立台湾博物館というのがある。台湾の歴史に特化したものを展示しているので、台湾好きにとっては、故宮のような中国系の展示物よりも楽しめるところだと思う。幸いにも、このときには台湾の歴史100年と称したイベントが開催中であったため、日本統治時代から戦後についての歴史が満載に飾られていた。
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国立台湾博物館の歴史はかなり古く、日本統治時代にその完成をみることができる。4階フロア-には当時の最高建築技術と西洋趣味のギリシャ風建物で作製したという行程を展示しているし、完成後には台湾の日本学校の生徒たちが、博物館の前で記念写真を撮っている写真が掲載されていたりしていた。もちろん昭和天皇が台湾へ行幸した際にも、この博物館には訪れており、その写真も掲載されていた。建物は、外から見ると天蓋のあるギリシャ風の建物なのでとても分かりやすい。
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コリント式の太い柱の間を通って建物の中に入ると、いきなりマンモスの骨の化石で組まれたマンモス像と大きな骨を持つカモシカが玄関を飾っていてびっくり。そして天井を見ると天窓の裏をステンドグラスで飾っていて、そのデザインがとても綺麗であった。まさしくヨーロッパの博物館に居るかのような作りになっていて、当時の日本人のヨーロッパへの憧れが強く出ているものだと思う。
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展示物では、いくつか驚かされるものがあったのでそれだけ掲載するのだが、孫文が三民主義を主張した内容をレコードに録音したものがあるようで、それを飾っていた。孫文の銅像と一緒にケースの中に入っているのだが、孫文の声はどういう声なのか、そして何を話しているのかということを展示していて欲しかったと思う。ボタンを押すと、孫文の声が流れてくるなんて言う仕掛けにしたら楽しいだろう。少し残念だ。
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台湾は生物の生息も豊富なところである。全長がとても長いタカアシカニが展示されていて、「喰いたい・・・」とおもったのは喰い地が這っているからだろうか。何人前のカニになるのかというのが気になってしまった。
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別のフロア-にいくと、台湾に現在でも住んでいる11の原住民に関することが展示されている。日本では原住民は本当に軽視されてしまうのだが、台湾ではその逆でむしろ原住民の人たちは自分たちのアイデンティティをとても大切にしている。各原住民が祀りに使うお面が飾っているのだが、こういうお面のデザインを見ると、台湾の原住民がポリネシア系の民族に属するというのがとても分かりやすい。それにしても、デザインの鮮やかさについては独特なものがあって、現在でも見劣りがしないところが新鮮だ。
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絵で見る日本との関係のエリアでは、日清戦争で台湾を割譲されたときの内容が展示されていた。下関で調印を行い、台湾へ軍隊が入場してくる様子もの乗っているし、手以降勢力によって台北がめちゃくちゃにされていたときに、日本軍へ協力的だった人たちにより制圧を依頼している様子や、台湾民主国という一時期、親清の政府ができたのだが、これに煽動されて台湾をめちゃくちゃにしようとしていた人たちを警察国家によってコントロールしたという内容が書かれている。台湾人にとっては日本統治時代をどう考えるかは、人それぞれだと思うが、絵はその当時の様子をリアルにかかれているので大変参考になる。特に、日本人警察が本当に台湾を治安国家にしようと努力し、賄賂を完全拒否し、それまで中国の野蛮的で原始的な風習を全部文化的に置きなおそうと努力していたことが書かれていた。野グソしている台湾人に警官が鼻を摘みながら注意したり、順番を守らず横は入りする台湾人を注意したりしている。今見ると、それって人間として基本でしょ?というようなことは、当時の台湾人はできていなかったため、その後の大陸中国との文化的な差に、光復後の中国軍の台湾渡来の際に、かなり失望したというのは有名な話である。
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一人あたり20元で楽しめるところなので、ぜひ時間があったらここを訪れて欲しいと思う。
国立台湾博物館
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