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個人的には Villeroy & Boch の食器はあまりよく知らなかった。ルクセンブルグへ旅行をした際、ヨーロッパの小国であるルクセンブルグの研究をした際に、この食器の存在を知ったのが最初だと思う。ルクセンブルグからの帰国後、この食器を使っている場所が他にもあるのだろうか?とおもったのだが、意外に多いことに気付く。最近では丸の内OAZO地下階にある喫茶店の食器がまさしくそうだ。なぜ分かったかというと、冒頭の写真にもあるように、珈琲カップの取っ手のところが、通常のカップと異なり、少し変なデザインになっているのが気付くだろうとおもう。そのデザイン性ですぐに Villeroy & Boch だというのが分かる。確認のために、飲み終わったカップをひっくり返したところ、底に会社のロゴとちゃんと「Fabrique en Luxembourg(ルクセンブルグ製)」の文字が記載されていた。こんなところでも小国ルクセンブルグを感じることが出来るのは嬉しい。そういえば、ルクセンブルクというのは小国のそれもいまだに「公国」を名乗っているところとして、世界的にも珍しい国だ。ルクセンブルグについても別の機会に旅行の話として記載したいと思う。他にも神保町のイタリアレストランでも、スパゲッティの皿として、淵が波々のデザイン(Metropolitan Collection design)になっている皿で提供されているが、これもまさしく Villeroy & Bochである。
写真のような変なデザインばかりが Villeroy & Boch のデザインではない。普通のオーソドックスの食器もちゃんとある。ハプスブルグ家から「王室御用達」 (Manufacture Imperiale et Royale)として王室の紋章を付することを許可されてから、王室の紋章を使った食器を今でも手に入れることができる。さらに、全体的に、カタログラインナップを観ると、ゴテゴテしたデザインを使った食器ではなく、「これは一体、どこの食器だ?」と思うくらい、シンプルな白を貴重とした食器が多いことに気付くと思う。だから、最近デパートで販売されているVilleroy & Bochの食器は、だいたい真っ白の食器である。しかし、このシンプルな白の食器が、何にでも合わせられることが好まれているのだろうと思う。ちょっと格調高いデザインの食器の場合、その食器に会う食材は何を提供したら良いのかかなり迷ってしまうことだろうが、Villeroy & Bochに関して言えば、そんなのは気にする必要が無い。クリームコロンでも載せても良いと思うし、フランス料理でも良いとおもうし。
そういえば、最近「Made in Germany」と印刷されている食器を見ることがある。はて?ドイツの食器?これって、いんちき!?と最近まで思っていた。ところが、ルクセンブルグだけでなく、食器のデザインによっては、一部ドイツの工場でも生産されているらしいことが最近分かった。1976年にドイツの大陶器会社「Heinlich」を吸収合併したことにより、ここで作られていた食器もVilleroy & Bochのラインナップに並ぶことになる。ちなみに、ドイツ・ゼルブ地方がこの拠点である。最近、デパートで見るシンプルデザインの多くは、このドイツ製の食器が多い。Villeroy & Bochだからといって、すべてがルクセンブルグからのものだと思っていると、実際にはドイツだったりする場合があるから、がっかりするかもしれない。食器をひっくり返して、底面をみて確認したいところである。
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