新宿をふらふらーっと歩いていたら、西口の小路に「伊勢門」という店を発見した。店は建物の地下に存在するが、入り口がとても豪華な感じがして、「伊勢海老」「あわび」と意味不明にも大きな看板が出ているので、やけに豪華な宣伝をしている変な店だなーと思った。実はこの店、前から知っていたことは知っていたが、料理屋とは思わず、パチンコ屋の系統かと思っていたのだ。地下に下りる階段前に、メニュがあったので、それを見てみると、まぁまぁ手が出せる値段の料理が書いてあったので、物は試しと思い入ってみることにした。
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入店した時間が18時だったこともあるのだが、店には先客が1組だけいて、中は誰も居ない。厨房の隣を通って座るところにいくようなスタイルだ。厨房には3人の料理人がいて、フロアスタッフが5人も居る。ちょっと妙だ。和風の店というよりも、遅れてきたバブル時代のコンクリート剥き出し無機質系レストランを演出している店だったことも異様さに輪を掛けている。
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前菜に出てきたのは茸と山菜の和え物で、いかにも和風を演出。まぁ、これは許せる。
せっかく「伊勢料理」と銘打っているのであるから、伊勢独特の料理を頼むことにした。しかし、メニュを見ると、「???」と思うようなものもいくつかある。この日はどうしても魚が食べたかったので、鯛の刺身を頼んでみることにした。それにしても伊勢って鯛の名産地だったっけ?鯛の刺身は、ムチムチして美味かった。鯛はもっと淡白なものかとおもったのだが、これほど脂が乗るものかと思うほどのものだった。
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看板にも載せていたのだが「はまぐり」の蒸し焼きというのを頼んでみた。小さい七輪に網が載せられ、その網にてっきり蛤が載せられて出てくるのかとおもったら、すっかり出来上がった蛤が出てきた。うーん・・・なんだかつまらん。でも、味は満足である。
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問題は次だ。伊勢といえば「てこね寿司」。もともとは漁師の料理だったものだが、採ったまぐろと、伊勢醤油を混ぜたばら寿司であることは知っていた。以前、伊勢神宮に遊びに行ったときに、神宮前の店で食べて感動したのを覚えていたのだ。そのてこね寿司がこんな新宿で食べられるのかとおもうと、わくわくである。だから、最初の注文の時に、ご飯ものではあったが、いきなり「てこね寿司」と注文。しかし、出てきたのは、なんとてこね寿司とは似ても似つかない単なるばら寿司。ぶつ切りにした炙ったカツオと海苔を混ぜて、さらにその上に、なぜか「イクラ」が載っている。は?!なんで、伊勢料理に「イクラ」なのだ?!あんなところでイラクが採れるわけがない。店の人に「こ、これっててこね寿司ですか?」と思わず聞いてしまった。そうしたら、なんとこの店の回答、「わかりません。ちょっと聞いてきます」だと。おまえなー!一体、何を客に出しているのか分かっていないとは、どういう店員なんじゃい!と、拳を上げたくなった。さらに追いうち掛けるように、「本来ならば、まぐろを使うのがてこね寿司なのですが、当店ではカツオを使っています」だと。てこね寿司じゃないじゃん、これって。贋物!!!一瞬ルイ・ヴィトンの鞄のように見えるが、良く見るとロゴが「LV」ではなく「LU」と書いている鞄みたいなものじゃん。あまりにも腹が立ったので、料理を持ってきた瞬間の完全状態の写真を撮るのを忘れてしまった。しかし、片鱗はご覧になれるとおもう。
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一緒に伊勢えびの味噌汁も持ってきたのだが、当然、伊勢えび自体に食べる身はなんにもない。海老のエキスが出ているようなものだった。まぁ、ありがちな「ブイヤベース」である。普通すぎて、コメントのしようがない。
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もう少しご飯が食べられるかなとおもったので、「ハタの煮付け」を注文。こちらは白身魚ではあるが、身の味が全くない。この料理についている「汁」につけないと、どうも食べられるようなものじゃないなと思った。味がなさ過ぎる魚は久しぶりに食べてみたのだが、たぶん、これから「ハタ」を見ても注文しないと思う。
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「てこね寿司」と並んで伊勢の名物といえば、「伊勢うどん」。讃岐うどんに馴れている者にとっては、これは絶対うどんの仲間に入れたくないと前から思っていた。いわゆる、しょうゆぶっかけうどんの種類に入る。うどんには腰がなく、しょうゆの原液みたいな汁が、少量どんぶりの中に入っているものだ。よくもこんなうどんを伊勢の地方の人たちは食べるものだなーと感じる。前に食べた時の印象もそうだったのだが、やっぱり今回食べてみても、「うーん・・こりゃぁ、うどんじゃない」と言いたくなった。
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最後のデザートは「特別なプリン」と銘打っているプリンを注文した。本当は、伊勢と言えば、デザートの定番である「赤福」を注文したかったのだが、店のおねえさんは、「赤福!?ですか??はぁ・・・うちには・・・ないんですよね」と、お前は本当に伊勢のことを何も知らん奴だなと飽きれたし、てっきり赤福が出てくるかと期待していたのを、みごとに裏切ってくれたので、どうでもいいような「特別なプリン」なるものを注文してみたのだった。出てきたプリンを見て、がっくし。単なる焼きプリンである。これなら、南仏で食べた「Creme Caramel」のほうが断然美味い。「特別」と書かれている理由を知りたい。
今回の伊勢料理の店は、あたりもあったが、「伊勢料理」としては最悪な店だと思う。伊勢神宮に一度でも行って、そこで食べたことがあるような人たちがいるなら、こんな店には行く必要が無い。がっくりするだけである。
名前:伊勢門
住所:新宿区西新宿1-3-15-B1
電話:03-3342-0074
時間:17:00-24:00
休み:無
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