2007/04/11

入国拒否


2006年に入国拒否をされた外国人は11410人なんだそうで、そんなにも拒否されている人がいるのかということに驚かされた。一旦入国したけど、なにか日本で悪いことをして強制的に帰国させられるというような人たちは多いのは想像できるが、水際作戦により入国拒否される人の数はいたとしても、1桁少ないものかと思っていた。しかし、実際には上述の通りだ。

国籍・出身地別での統計によると、短期滞在者のビザが要らなくなった韓国・台湾がそれぞれ前年度で2桁台の急増。ビザが要らなくなったからと入国拒否があまりリンクしないなーと思っていたところ、ビザを発給する場合には、滞在中どこでなにをするのか明確にしないと発給をもらえないという手続きがなくなっただけで、結局、入国してくる外国人が日本のどこで何をするのかを、やはり入国審査時点で「ない」または「不明」の場合には、入国を拒否されるということになるのだそうだ。そう考えてみると、台湾や韓国で事前に、ガイドブックなどに「別に宿泊先が明白ではない場合でも、宿泊先・連絡先の欄には、有名なホテルの名前を書いておけ」というようなアドバイスが出てきてもおかしくなさそうだ。

そういえば、知り合いの台湾人も本当かうそか知らないが、日本に来ているはずなのに、一向に連絡がないからなぜかなと思ったら、「成田空港で入国拒否されてしまって、強制送還された」という話を聞いた。悪いことをしている人じゃないので、そんな馬鹿なということと、日本に行くよーと相手に期待させて、いざ、知らせていた日程になったけど、実際には日本にいないから適当な理由として「入国拒否された」という理由を使ったのかと、実はずっと思っていた。ところが上述のニュースが出たことと、入国審査のところでどのようなやり取りをしたのかというヒヤリングをその人にしたときの話を総合すると、本当に入国拒否されのだなというのが分かった。というのも、入国審査のところで、泊まるところは日本に着いてから考えようとしたということを言ったとか、日本語は流暢に話せるので、ガイドなどがいるツアーではなく単独で日本に来たとか、日本に着いてからどこにいくかを考えていたということを言ったという話を聞いていたからである。これだけ聞いていると、確かに、管理局の人から見れば、「いくら日本語が話せるからといっても、どこで何をするのか分からないという理由だけではなく、結構いろいろな理由で拒否されているのがデータを見ると分かる。一番多いのは上述のことなのだろうが、ビザを取ったときと入管申告で言った理由がまったく違うからというのがダントツらしい。または、よくありがちな「偽者パスポートを使った」というのもいまだにあるようだ。ただ、この数字だけ見るとめちゃくちゃたくさんの人がつかまっていると思われるが、入国する外国人の数から考えると、かなり少ない。18年度の外国人入国者数は880万人にも及んでいるが、実際に入国拒否されているのは1万人程度だと考えると、大体の人は「良い成分」なのである。それでも性善説は成り立たないのは常識であるために、見つけた場合には入国拒否ということになるのだろう。だから、自分の知り合いが拒否に遭ったのは「自業自得によるご愁傷様」としか言いようがない。


・国籍別上陸拒否数の推移(人)































































































平成17年
平成18年
対前年比
構成比
全体数
10,722
11,410
6.4%
100.0%
韓国
3,373
4,121
22.2%
36.1%
中国
1,088
1,033
-5.1%
9.1%
台湾
604
942
56.0%
8.3%
フィリピン
878
930
5.9%
8.2%
スリランカ
615
447
-27.3%
3.9%
トルコ
303
361
19.1%
3.2%
インドネシア
465
327
-29.7%
2.9%
ロシア
172
279
62.2%
2.4%
香港
217
238
9.7%
2.1%
ベトナム
216
208
-3.7%
1.8%
その他
2,791
2,524
-9.6%
22.1%



法務省入国管理局のデータ
18年度入国拒否数一覧
18年度における外国人入国・日本人出国者数の概況

0 件のコメント: