2011/02/01

割烹 みや古(深川)

東京の下町は訪れることはあっても住んだことは無い。さらに、東京に住んでいるのになぜか東京じゃないような感じに思っている。近いところにあるのに、なぜかあまり足を踏み入れたことが無い場所なので、奮起していくつもりにならないと、新宿に寄ったついでに買い物をするという感覚とは全く異なる。そして、下町といっても、武蔵野台地の東側全部が下町なのであるから、北は千手から南は月島まで千差万別。そんな中で深川にいってみた。

深川は東京のなかの街であるのは知っていたとしても、全くと言っていいほどどういう町なのかというのを形成から現在の姿までなんにも分からない。食べ物として深川なべとか深川めしというものだけしか知らず、一体どこまで東京に関して無知なんだろうか?と自分でもぶっくりするくらい分からない。海外に行く前に身近のことを知ってからじゃないと本当はダメなんだろうと思うのだが、東京のよさというのを外の人から教えられることが多く、そのたびに「へぇ」と思うが、自分の足で見て感じないと東京外の人の言っていることに対して、反応も何も出来ないと思う。

深川には、都営新宿線の森下からいくか、または大江戸線or半蔵門線の清澄白河かわいくことになる。清澄白河側から清澄通りを北上していくと、途中で橋を渡る場所に出くわす。そこから渡し舟乗り場の「高橋」という場所の船着場が見えたりするのだが、一体この船着場からどこに行くのだろう?と想像するだけで楽しいではないか。定期運行船があるのかどうかは知らない。しかし、実際には使われているような気がする。

さらに北上していくと、お目当ての深川めしの店「割烹みや古」を発見する。しかし、目当ての店は想像していたよりは相当年期の入ったような建物の作りで、一瞬入店するのをためらってしまうくらい、自分達のような若輩者を受け付けるのを拒む威圧感が見せの造りから感じた。
中に入ってみると、まずは「用があるかたはここを鳴らしてください」というようなドアベルに相当する鐘が釣り下がっているのに驚かされる。別にそんな鐘を鳴らさなくても、空いている時間帯ならば店の人は客が来たことを把握しているので、即時店内に通される。店内1階は広い宴会場みたいな和室部屋であり、すべてが畳。ここに300人くらいの人は収納で切るらしい。だから、団体の客がやってきても受け入れ態勢はばっちりのようである。それだけに限らず、2階にもお客さんが座れる場所があるようで、その受け入れ態勢の大きさにも吃驚した。
ここで注文をしたのはもちろん深川めしのセット(値段1500円)。浅蜊がたくさん入り、貝から作った出汁を利用してそれで炊き込みご飯にしている。それも、1杯ずつ籠で蒸されたものを提供しているので、まるでご飯がシュウマイや餃子と同じようなものに入れられて出てきているように見られる。そして、浅蜊の入ったご飯が美味いのなんの。単純なご飯なのに、なんでこんなに美味いんだろうと思う。昔は深川あたりは海に面しているところであり、漁師もたくさん沿岸に住んでいた。だから、東京湾の江戸前で獲ることができた浅蜊は、むかしは普通に獲れるものでなんの面白みも無かったことだろう。しかし、いまでは最高の贅沢ご飯になってしまった。そう考えると、深川めしに限らず、昔は普通にあり即席で食べられたものが現在では超贅沢品として崇められてしまっているというのがなんとも面白い文化の流れだなと思う。寿司にしろ、蕎麦にしろ、おしるこにしろだ。だから、大昔から営業をしていて、現在でも営業をしているひとたちは、長い年月をかけた勝ち組といえようか?

ちなみにあさりはどこに大量に保管されているのかといわれると、実は軒先のところに水槽があり、そこに浅蜊がまとめて保管されているようなのだ。定期的にその水槽から浅蜊をくみ上げて、新たにご飯を炊くためのときの材料に使われる。その浅蜊をどこで捕獲しているのかはよくわからない。東京湾で獲れるものなのだろうか、それとも輸入物なのだろうか、店主に聞いてみたかった。しかし、美味いから気にしない。

この店は深川めしだけではなく、普通のご飯や飲みとしても十分に機能を有するような食事メニュと飲み物メニュがある。ただ、たまにくるのもいいのだが、そう何回も頻繁には金銭的には個人的には無理。金持ちのひとが全部料金を出してくれるというのであれば、毎日でも行きたい所だ。深川に行った際には、またこの店に寄りたいと思う。割烹 みや古
URL : 食べログのサイト
住所:東京都江東区常盤2-7-1
営業時間:11:30~14:00, 16:30~20:00(L.O)
定休日:月曜日

0 件のコメント: