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台湾ではいつも世話になっているお茶屋でお茶を買った後、何を急に思ったのか、忠烈祠に久しぶりに行ってみようとおもった。台湾には大きな街なら必ず忠烈祠があるが、台北にある忠烈祠は、そのなかでも群を抜いて大きい。国のために戦って死んだ人を祀っていると言う意味では靖国神社と同じである。
中山北路からだと、路線バス247系統に乗っていけば目の前まで行くことができる。そういえば、最近の台北市内を走るバスは、「次は※※~」とアナウンスと車内表示がされるようになった。今までは自分が降りるバス停が何個先かとか、窓から見える通りや建物の様子を気にしながらバスに乗っておかなければならなかったが、あまり気にしなくてもよくなったのは嬉しい。ただし、全部のバスが適用されているわけではなく、経験上は80%くらいが対応されているといっていいだろうとおもう。
忠烈祠は毎時衛兵交代式が行われており、こんなのを見るのは観光客だけだろうとおもっていたら、意外と地元台湾人にとってもまだまだ人気がある。自分の知り合いが衛兵になったら、その家族と親戚は大喜びするといわれているくらい、台北忠烈祠の衛兵に選ばれることは、まだ兵役義務がある台湾ではかなり名誉なことである。誰でもなれるわけではなく、優秀で背が高く、見栄えが良い人間じゃないとなれない。細かい専攻基準はもっと調査してから別途書きたいと思う。微動だにせず、約1時間も同じ姿勢でびしっと立っている姿を見れば、誰しも良く頑張っていると感動するだろう。当の本人達も、すぐ「疲れた」というようなことを言う人間ではまず無理だ。
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台北忠烈祠では、2組の衛兵が常に立っている。1組は、入り口付近に立っており、もう1組は、奥にある本殿のまえに立っている。両方の間は、長い広場があり、その行き来をする際に、観光客がカメラ片手に、芸能人の追っかけのようについていく姿が見られる。もちろん、行進の邪魔をすることはご法度だし、任務についている衛兵ではない人が、観光客の誘導や注意を行っている。
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今回の忠烈祠の訪問で1つ分かったことがある。陸にあるために、てっきり忠烈祠にいる衛兵は陸軍に任務しているひとが行っているものとばかり勝手に思っていた。ところが衛兵達をよくみると、制服が違うのである。陸・海・空軍のそれぞれの兵士が任務についているのだ。そして、お立ち台に登る衛兵も、陸・海・空軍が順番に立つようで、先ほど述べた交代式の際に通る広い広場のところでの更新時には、3軍隊の制服をきた兵士が2人ずつ6人の列として歩いてくるので、一種のファッションショーのような感じだ。今までは同じ制服だとばかり思っていたのに、今まで何を見ていたんだろうと思う。
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ちなみに台北の忠烈祠の隣には中華民国海軍本部が存在し、建物及び敷地内の管理はこの海軍が管理しているとのこと。海軍だから海の傍に本部があると勝手に思っていた自分も馬鹿だとおもうが、その他の忠烈祠も各軍隊が管理しているのだろう。台湾人の知り合いで忠烈祠の衛兵を行っていた人をまだ知らないが、そのうち探し出してみたいと思う。
忠烈祠の本殿には、古くは清朝を滅亡しようとして戦った広州蜂起から始まり、抗日戦争や国共内戦まで、中国近代史では一番面白い時代で戦っていたひとたちを祀っているので、国民党の目線で見た場合、国民党のために死んでいったひとたちがたくさん祀っている。台湾に中華民国がやってきたあとに死んだ人間はほとんど祀られていない。台湾の中華民国への返還後に初代台湾行政長官になった陳儀なんかはいるわけがない。
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