桜の開花の季節になると、日本人はどうしても花見をしたくなる。花見と言いながらも、だいたい花なんか見ないで、飲んだり食べたりするのが定番である。さて、今年の花見はどうしようかなーとおもっていたところ、どこに行っても花見会場となるようなところは人がたくさん居て鬱陶しいので、桜はそこそこあるが、人があんまり来ないというような贅沢な場所はないのかと探そうと思ったが、そんなところは日本にはほぼ無いに等しい。でも、前に行ったところと同じだと芸が無いので、今年は新宿西口にある新宿中央公園のほうに行ってみることにした。
新宿中央公園というと、ここは実は新宿あたりでは有名な、浮浪者の溜まり場。普段から雰囲気はそんなにいいというわけじゃない。傍には都庁もあるし、大型のホテルもたくさんあるビル街のところにある公園なのだが、新宿あたりに浮浪者は歌舞伎町などの歓楽街で出てくる食料品ゴミを目当てに集まっているんだろうとおもう。そして、寝床としては一般市民にはあまり目に付かず、そして警戒巡回している人たちに追い払われることがない新宿中央公園に集まってきたんだろうと思う。
さて、そんな浮浪者の溜まり場みたいなところにある桜並木を見るために、花見をしにきているひとたちがどのくらいいるのだろうという興味はあった。実際に行ってみると、新宿御苑ほどの芋洗い状態ではなかったというのだが、浮浪者と桜と花見で酔っ払っている普通の人たちという、このアンバランスな組み合わせにすごい違和感を抱いた。本当なら、通常この公園は浮浪者たちのパラダイスになっているはずなのに、花見の時期になると一般人がやってくるので、彼らにもいちおう「申し訳ない」という気持ちがあるのか、普段から広げているダンボールやらをまとめてうず高くダンボールタワーを作るように片付けるとともに、広場になっているところは、メインで桜の花見客が使うからと、ダンボールタワーに隠れるようにして浮浪者が地ベタに座っていた。
桜自体はどうかというと、ここの桜はたくさんの木があるわけじゃなく、数本があるよう並びかたになっている。しかし、1本1本が比較的ボリュームがあるような枝ぶりになっているので、ちょっと豪華に一瞬見えるようだ。しかし、他の桜の名所にあるような桜の豪華な咲きっぷりに比べるとちょっと寂しい気がする。
花見をするには、それほど人がたくさんいるわけじゃないので、新宿でお花見をしたいと思っている人ならこの公園がいいと思う。しかし、個人的にはこの公園は、視覚的に浮浪者がたまに目に入るのと、臭いを感じない人は幸せだと思うが、結構浮浪者の体臭が臭ってくるので、その臭いが嫌な人は近づかないほうがいいと思う。
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