2013/01/14

湯西川温泉へ(2013年版)

1月三連休の定番小旅行として、今年も湯西川温泉に行くことにした。宿泊場所はいつものとおりに、湯西川温泉の一番奥座敷にある宿「平の高房」にすることにしている。11月頃には行くことだけは決めていたので、予約は入れておいたので、いつも本館最上階の端っこの部屋になるのだろうと勝手に想像して市出発する。

だいたい、いつもは東武浅草駅を12時ジャストに出発する特急スペーシアに乗って鬼怒川温泉に行き、そこからバスで湯西川温泉に行くルート。湯西川温泉に行く人は年々増えているようで、今年もバスは最終的には満員御礼の状態で湯西川温泉へ向かって進んでいった。いつも思うのだが、鬼怒川温泉駅にある湯西川温泉行きのバスの出発するバス停があるところで並んでいる人たちのマナーの悪さはどうにかならんものだろうか?というのは、中国人や大阪人みたいに並ぶことを知らないひとが多すぎるのである。どうみてもその人がバス待ちの先頭だろうというのを差し置いて、列ができているところとは違うほうに待ちベンチがあるのを良いことに、そちらに座っていて、バスが来たらそのまま横入りで乗ろうとする死んでしまっても良いような人が多すぎる。あれは我慢ならない。
14時10分発のバスは、どういうタイプのバスが来るのかはその場にならないとわからないのだが、ここ数年は路線バス風のバスだったのに、今回は観光バス風のバスがやってきた。それも後ろのほうは、よくロケなんかで凹型に椅子を変形することができるタイプのバスだったし、なにしろ天井にはシャンデリアまで付いているものだったので、路線バスなのになにこれー?と笑ってしまった。

鬼怒川温泉駅を出発するときには乗客数はそんなに多くなかったが、やっぱり湯西川温泉駅から乗り込んできた乗客はすごいたくさんいた。それはいつもながらのことなのでどうでもいいのだが、湯西川温泉駅からの風景があまりにも年々つまらないものになってきていることが気になる。バスで山道のワインディングロードをうねうね行きながら進んでいくのが楽しかったのに、最近は湯西川温泉方面への道路が整備されたため、ほとんど真っ直ぐな道+トンネルばかりになってしまったため、湯西川温泉までの到着時間は短くなったのもいいのだが、バスでの旅という意味での情緒は全くなくなってしまった。そして、道路工事によって成金になったひとたちのうちが、道中いくつかの拠点で見られるようなことも、なんとなく不愉快さを倍増させた。あとは、これは季節性や自然のことなのでどうしようもないとは思うのだが、今年は雪がほとんど道中に積もっていなかった。ダム沿いの道を走っているときに、ダムの水が厚い氷が張っている様子が観られるのが通常なのに、今年は全く凍っている様子がなかった。一部、常に日陰になっているようなところは凍っている様子だったが、それでは湯西川温泉らしくない。全面凍っていることこそ、湯西川温泉なのだ。

平の高房がなんか今年は違うなーと思ったのは、まず湯西川温泉に到着したときの送迎のこと。いつもはバスに乗るときに湯西川温泉のバス停に到着する時間を宿側に伝えるのだが、このときは忘れた。まぁどうせ平の高房まで行く人は少ないだろうと勝手に思っていたら、今年はなんと大家族連れも含めてすごいたくさんの人が平の高房までいくようで、バスの最終停留所までそのひとたちが乗り込んでいた。平の高房は一番奥座敷にあるようなところで、これまでは変な客が来ないようなところだったし、大家族の場合も自家用車で来るような人たちが多いところだと思っていたのだが、今年は違った。バス停に到着したあと送迎の車に乗ろうと思ったら、連絡を受けたひとが優先でーということになり、次の迎え便を待つことになったのは仕方がない。しかし、そのときに待っていた同じような客の結構多くが、スモーカーだったようで、こいつらがマナーが悪すぎて、その辺の残雪の中にタバコを棄てるわ、川に棄てるわ、人がいる方向に煙は吹かすわで、オマエ、鬱陶しいわと本当に言いたくなった。さらに迎えに来た車にも、なんとまた乗れずに最終便に乗ることになる。常連客がこれで良いのか・・・と思ったのだが、まぁいい、客が多いんだろう。

雪や氷がなくなってしまっている平の高房までの道は、あまりにもつまらなかったが、宿はいつものとおりに清潔極まりない状態でお出迎え。チェックインをしているところに、若女将がいらっしゃって「今年もようこそお越しいただきありがとうございます」とご丁寧にも挨拶をいただく。仲居さんが出払っていたのか、若女将直々による部屋への案内となったのは珍しいのだが、若女将とのお話をしている間に、だんだんこの宿も使いにくくなってきたなと思い始めた。どうやらテレビ東京の「いい旅夢気分」で放映されたらしく、それ以来、来客数があがったとのことである。テレビ放送されると、それは良い宣伝になるために、確かに客足が増えるのは宿側の理論としては良いことなのだろうとおもう。観光客が減少している現在として、こういうのはありがたいことなのだろう。だが、常連客にとっては、へんてこりんな客もやってくるようになってくると、その宿の質が変わらなくても、客層が悪いからもういきたくないというような感情が生まれてくることは必然である。だから、変な家族連れの客やら、バカっぷるみたいなものがたくさん来ていたんだというのを知ることになる。それと、若女将は悪気はなくお話されたんだとおもうが、食事をするところも、どうやらこのテレビ放送にあわせて改装したようで、本来なら団体客が使うような別室の食事処を椅子型のテーブル形式にしてしまっていたのはゲンナリ。囲炉裏を囲んで、それも正座でご飯をいただくというのが、昔ながらのスタイルとしてよかったのに、きっと出演タレントが「正座なんていやだ」と言ったのだろうか、わざわざ椅子・テーブル形式の囲炉裏を用意していたことにもなんとなく幻滅した。
 
通された部屋は、てっきり本館の隅っこの部屋かとおもっていたのだが、同じ最上階の部屋ではあるのだが、部屋は隅の部屋ではなく、4畳半と8畳の2室ある部屋を当てられた。寝室として使うところと、居間として使うところというような使い方なのだろう。でも、部屋にはお風呂もあるし洗面台もあるしトイレもあるというもの。でも、この2室ある部屋よりは、1つの部屋が大きいほうが実は使いやすいんだがなーと思っていたが、それは仕方がない。何しろ、いつもの定番の部屋には「芥川さん」という龍之介の子孫か?というような名前の人が泊まっていたので、なにか優先されてしまったのだろうとおもう。でも、やっぱりなにかしっくり来ない。2面で外が見られる景色のほうが1面でしかみれたほうがつまらないものだが、今回は全然雪が積もっていないので、観る景色もどうでも良いと思うようになった。



そういえば、今年の宿泊で1つびっくりしたことがある。平の高房あたりは、携帯電話の電波がドコモ以外の会社は使えない状態であるため、陸の孤島の気分になれる良い場所だと思っていたところ、今年からロビーフロアのところでは無線LANが使えるようになったようで、それは誰でも無料に使えるらしい。お土産コーナーの部屋が縮小されて、その代わりに、団欒室兼ネット利用環境というのが設立されたようで、ここに無線APが用意されている。もう平の高房ではネット環境が無いからということはなくなった。これはかなりの進歩だろう。次は各部屋に無線環境を使えるように改造が将来あるかということだが、そこまではこの宿には求めたくない。さらに言うと、宿の中で利用することができる割引券というのを貰った。1泊あたり500円なので、今回は2泊しているから1000円割引というもの。宿の中でしか使えないのに、結局はお土産用に使うしかないのだが、ここはお決まりの「平家最中」を買うことにする。これは予約制じゃないと買えないので、チェックアウトの前日の晩に買うことを予約しておいて、この割引券を使って購入する。
いつもながらどうなっているのか気になるのが大女将。最近はお体がよくないというのは聞いていたので、今年はお見えにならないのかとおもっていたところ、ちゃんとご健在。昨年伺ったときには、朝のご飯の時期だけは、お土産屋のところにいて、皆さんの顔を見たいんですとおっしゃっていたところだったのが、今年は結構カウンターにもいらっしゃっていて、顔艶も良い感じだった。たぶん、テレビ放映して、来客数があがったためにホクホク顔になったから元気になっちゃったんじゃないのか?と下世話な勘繰りを入れてしまいたくなるくらいお元気だった。

お風呂についてだが、今回は2つの驚きを発見した。1つは露天風呂のことなのだが、3.11の地震があって以来のことなので、昨年の訪問のときから、大露天風呂は男女それぞれ同時間に入れるのではなく、1つの露天風呂を閉鎖して、大露天風呂を男女時間指定で利用できるようになっていた。前は「都合により」ということを言っていたが、今年ははっきりと「湯量が少なくなったため」と言っていたので、もう隠し切れないと踏んだのだろう。個室の露天風呂のほうはこれまでどおり、利用は可能だ。ただ、大露天風呂のほうからの残り湯(?)を分配していると思うので、おそらく個室露天風呂は思ったほどの熱さはないとおもう。湯船が小さいので放熱が多いためということもあるのだろう。さらに言うと、屋内にある大風呂のほうが、この宿は源泉を持っているために「源泉掛け流し」を謳っていたのに、なんとこの内風呂は循環式に変わっていたのには吃驚した。ただ、循環式の場合は大抵、入浴時間が決められていたりするのだが、ここの宿はさすがにそれはしていない。24時間いつでも入浴可能である。まさか掛け流しをやめていたとは思わなかったので、これはかなりショックだった。だいたい、日本秘湯を守る会の条件として、掛け流しじゃないとダメっていうのがあったんじゃなかったっけ?!

それにしても、ここのご飯はやっぱり美味い。ご飯と温泉のために来ているようなものなので、そのご飯がダメならもうだめだーとおもっていたが、なんとなくいつもと違うなーというところもやはりご飯の面でも見られた。それは、これまで大人の男性でも腹いっぱいになってしまって大変だとおもっていたくらいの量が出てきたのが普通だった夕御飯に、さらに最後にはご飯と蕎麦が出てくるところだったのだが、今年から蕎麦がなくなっていた。これは量がちょっと少なくなっていたので丁度良いところなのだが、もう喰いきれない、倒れるーというような量ではなくなったのがよかったのか悪かったのか。でも、1品1品の料理は美味しかったが、なんとなくいつもより味が濃いのかなーという気がした。それも中華系の味っぽく思ったのはなぜだろう?ちょっと気になったので、挨拶に廻ってきた若女将に聞いてみたら、なんと板長が数ヶ月前に変わったんだそうだ。それによって味が変わったようなのだが、別に中国人の板長になったわけじゃなく、単なるその人の味付けになっただけのこと。だけど、不味くなったわけじゃなく、違う味になっただけなので美味いのは変わらない。

今回の料理はこんな感じ

■1日目夕御飯
 
 

■2日目朝ごはん
 
■2日目夕御飯

 
 
 
 
 

■3日目朝ごはん
宿に到着したときには全然雪が降っていなくて、1月後半から始まる「かまくら祭り」が本当に開催できるのか?というのを心配しているという話を仲居さんが話されていたのだが、チェックアウトをする日になって、いきなりドカ雪になっていた。それも1晩20cmくらい積もっていたのでかなり吃驚。おかげでなんだか寒いなーと思っていたのは、これが原因だったらしい。帰りの浅草行きのスペーシアは最初は予定通りに運行していたが、都内に近づけば近づくほど、遅延しまくりで、結局予定より1時間くらい遅く到着した。あとは都内の交通大混乱の状態に出くわしてしまったわけである。この雪が出発時にあったらよかったのになーと本当に思う。

湯西川温泉 秘湯とぬくもりの宿 平の高房
URL : http://www.takafusa.jp/

東武特急・スペーシア
URL : http://railway.tobu.co.jp/special_express/

日本秘湯を守る会 公式Webサイト
URL : http://www.hitou.or.jp/

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