2010/11/13

箱庭ルクセンブルグ

ルクセンブルグはオランダとベルギーと一緒にいつも一括りにされ、1つの国というよりも地域のような扱いにされてきたのではないだろうか。ヨーロッパには小国・大国を含めてたくさんの国があるのだが、それぞれ独自に文化と歴史を保有しているという素晴らしさがある。また、ルクセンブルグは「王国」ではなく正式名では「公国」である。大公がいるところなのである。これがまたヨーロッパの歴史を知らないと意味がわかんないところの原因の1つになっている。もともとヨーロッパは貴族の荘園の集まりみたいなもので、所有者があちこちに土地を持っているのが当然であり、その貴族はどこかのさらに王様に属するような形をしたことで、緩やかな国家を形成していただけのこと。その土地の所有者が独自統治権を取得していれば、そのままの爵位で国になってしまったものの結果が、モナコやルクセンブルグやリヒテンシュタインのような小国ができた結果である。

そんなルクセンブルグも現在では1つの国家なのだが、あの国、侮れない。EUの前のECのそのまた前のEECの本部はルクセンブルグだったし、ヨーロッパの中では早くから金融国家として成り立っていたため、金がここには集まってくるところである。実際に行ってみるとわかるのだが、ヨーロッパ人は当然多いが、意外に中国人労働者が多いのである。世界の蛆虫民族中国人というレッテルは張られているが、金持ち中国人や金融企業に勤めている中国人が多数ルクセンブルグに住んでいる。それを追って中華料理を開く2級市民もやってきているのは当然だろう。だから、ルクセンブルグで黒髪のアジア人を見つけると、地元の人は「中国人か?」と聞いてくる。

そういえば、ルクセンブルグのことに関してエッセーは観たことがないなと思っていたところにまたしてもブックオフで見つけてしまった。そんなに内容は濃いわけではなく、ルクセンブルグのいろはを知るような書物であり、地球の歩き方よりはもう少し詳細な内容を記載したガイドであるが、食って寝るという基本旅行者の情報として必要な情報はここには記載されていない。どちらかというと、旅行者が帰国後ブログを書いているような内容をまとめているような記載だ。

ただ内容はコンパクトながら、網羅するべき事項はすべて網羅している感じだ。日本に居ながらにして小国ルクセンブルグのことがわかるようである。


欧州の箱庭ルクセンブルグ~感動の巡り合い~
著者:那樹沢 慶二
文庫: 122ページ
出版社: 彩図社 (2004/03/15)

0 件のコメント: