2007/12/02

タブーの世界地図


世の中どうしてこう言うことが起こるのだろう?と不思議なことは多い。それも国家間の場合の出来事はまさにそう思うのが多いのだが、それは大体において、事件が起こっている国家間の歴史的背景や文化的背景が原因であることがほぼ100%である。歴史的背景というなかにはもちろん利害関係というのも大きく入っているのは否めない。現在だと、一番分かりやすいのは、アメリカを中心とした利害関係の縮図だろう。中東利権に関しては、アメリカは自分たちが主導的に行っているのではなく、イスラエルが背後でコントロールしているためにアメリカが否応なしにイスラエル以外のアラブ地域といまいち良くない関係になっているし、中国に関しては「我は一番」という中華思想のために国境線を巡る紛争は昔から収まっていない。普通の解説書であれば、それぞれのジャンルにおいて1冊の本ができるものを、脳みそがアホでも分かりやすいように書かれて、まとめているところが読みやすく書かれているのがこの本である。

だいたい国家間で気になることがまとめて書いているのだが、分かりやすく解説しているのはテロリストの世界地図だろう。イスラム世界がいまでは有名になってしまったが、テロリスト集団はなにもイスラム教信仰者ばかりではなく、キリスト教世界にもいるし、当然日本にもいる。世界で「日本赤軍」といえば、昔は無く子も黙るテロリスト集団であったことは言うまでも無い。他にも世界中にはテロリスト集団がわんさかいるのだが、彼らが何を攻撃対象にしているのか、どこで活躍しているのか、過去にどのような活動をしたのかというのもまとめられているので分かりやすい。

国家間だけではなく、1つの国のなかでの内紛が何故起こって他国の軍隊が乗り込んでくるようになったかという例を、アフガニスタンと旧ユーゴスラビアの例で挙げており、それぞれの勢力がどう分かれていたのかというのも書かれているのは、あーっ、なるほどーと納得できる。内紛や内戦というのもは、日本では戊辰戦争以降起こったことが無い過去の遺物になってしまっているので、現代人にとってはあまりピンとこないのだが、世界中では普通にいまでも内戦・内紛は起こっているのが常識だ。特に経済発達が未熟なアフリカやアジアでは多い。さらに本当は起こっているのだが、情報統制のために外部の人間がなかなか知ることができないという内戦・暴動・内紛というのもかなり多い。中国や隣国のカザフスタンやキルギスがまさしくそうだろう。所謂「もみ消している」のだから。

最後には、軍事国家や軍事産業、そして軍事同盟にもメスを入れており、誰が世界の紛争をコントロールしているのかというのが一目瞭然の地図があるのも圧巻だ。結論としてアメリカが世界最大のテロ輸出国家だとしている。アメリカの軍事産業は、就労人数から考えると、アメリカ経済の中心でもあるので、世界のどこかで紛争でもしていないと、アメリカ製の武器が輸出できず、失業問題になってしまうからである。だから、アメリカは10年おきくらいに、「武器在庫一層廃棄セール」と銘打って、どうでもいいところに、必要以上のミサイルや武器をぶち込んで、最初の名目はなんだったか後になったら誰も分からない状態の泥仕合を仕組みとして定期的にやらないと国内経済が持たないという状態なっているのが笑える。しかし、自国への攻撃は絶対に許さないという単なるわがままぶりを世界中に振りまいているのも更に子供だましで笑えるところだ。そういう解説も書いているので是非一読して欲しい。

500円以内にこれだけ「あっ、なるほどー」と納得してしまう内容が書かれているのは他に無いと思うし、あっさり読むことが出来るので、行き帰りの電車の中で気軽に読んで貰いたい。別に右翼・左翼のどちらにも傾倒している内容ではないので、素直に読めることだろう。

国境を越えるタブーの世界地図
世界情勢研究会編
永岡書店
486円

0 件のコメント: