アイヌの文化というのは、同じ日本人なのに全然知らないし、身近にない何か異国のもののように感じる。しかしアイヌ民族も、日本人を構成する一民族であることは間違いない。ただ、日本人の場合、大和民族以外の日本人であることは何故か隠したがる気質があるし、その少数民族のアイデンティティを捨てようとする傾向がある。しかし、出生については隠しても隠し切れないものだし、1つの文化を大切に後世につないでいくということはとても大切なことだと思う。
そう言った意味では、アイヌの文化というのも同じで、既に大和民族と同化してしまい、自分の出所がアイヌだとすっかり忘れてしまっている人たちが多くなってしまった現代においては、アイヌという1つの文化を知るすべというのが、ほとんどなくなってしまっているのが現状だ。生きているアイヌに会うことが出来なくなっているのである。それでも昔はもっとたくさん居たと思うが、アイヌであることを恥ずかしいとおもうアイヌの人たちが多くなったために、アイヌを忘れられつつある。
文化を継承するという現代人の最大の使命を帯びているのが、この「北方民族資料館」だ。ここではアイヌだけではなく、アイヌの仲間である他の消えつつある、または消えてしまった北方民族についてを詳しく解説したり、その文化遺産を見ることができる、日本でも数少ない施設だと思う。アイヌ文化についての文献は本当に書籍でも少ないし触れることも本当に少ない。だから知ることができるこの施設に来たのは本当に勉強になった。
中には服装、生活必需品を初めとする物品の展示から、生活基盤や1年の生活をどのように暮らしていたのかということや、生活圏はどの辺りだったのかという解説なども丁寧に述べている。展示としてはかなり広いのであるが、なにせ訪れる人がほとんど居ない。興味が無い人が多いからなのかもしれない。そのとおりだろう。基本的に日本人は歴史・現代社会などを通してアイヌ民族のことは全然習うことが無いからである。むしろ、日本は単一民族国家だと習ってきたから、アイヌの存在自体が無に等しいのである。
ここでは「アイヌを知ろう」という努力を感じることができるのだが、アイヌに関する文献や書籍というのを全くここでは得ることができない。記念に何か買って帰りたいなと思っても、それを売っている場所もないし、売る気も無いらしい。せっかくこのような立派な施設があるのにも関わらず、また訪問をして欲しいと思われるようなものを訪問客に対して提示しないというのは商売ッ気がないというか、つまらないものだと思う。どうして書籍類とかの販売をしないのだろうか?どうせ市の職員がやっているだけだろうから、発展的なことをしたいという気が無いのだろう。あんな態度であればアイヌのことを知って欲しいという気持ちは観光客には届かないだろう。
アイヌのことについてとても詳しく知っている人は、いろいろ教えて欲しい。
函館市北方民族資料館
http://www.zaidan-hakodate.com/hoppominzoku/min.htm
〒040-0053 函館市末広町 21-7
TEL 0138-22-4128
FAX 0138-22-8874
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