路面電車の最終駅「谷地頭温泉」に降りてみると、なんだか街の風景が穏やかな感じがする。元町辺りの喧噪とは異なり、いかにも地元町という雰囲気が出てくるから不思議だ。そして観光客もさすがにこの辺りまで来る人は居ないようで、電車を降りるときに、まさしく地元の人のような行動で歩いてしまった自分がいた。
今回の目的地は、駅名にもなっている谷地頭温泉に行って見ることである。もちろん、ここから石川啄木が住んでいた家などにも行けることはいけるが、とてもじゃないが歩いていけるほどの距離ではない。温泉のところまでが駅から歩いていける範囲の最遠のところだろうと判断してのことだ。しかし、元町みたいないろいろ見る場所があるわけでもないので、このあたりの詳細の地図はガイドには載っていない。あとでホテルでゲットした観光地図を持っていれば全然気にしなかったと思うのだが、このときには自分が持ってきたガイドしか持っていなかったので、当てずっぽうで温泉のところまで行ってみた。
駅は函館八幡宮がある大きな通りと十字路になっている場所にあり、そこから少し山側に歩いていくと目的地の温泉があるものかとおもった。近くまで行けば、車でくる客用の看板でもあるものかという安直な考えもあった。そうすると案ずることなかれ、近くまでいくと、車の流れがあって、それらしい施設の建物を発見した。最初はどこかのスポーツクラブか、またはDIYショップかとおもっていたら、これが公営の温泉施設だった。
市で運営している谷地頭温泉は、地元ではほとんど銭湯のように使われているところである。この日も昼間の3時頃だったのにもかかわらず、結構な人が来ていた。だいたいが老人ばかりだったのだが、それでも親子連れの家族も来ていたし、若い人もちらほらと来ていたのが見えた。入り口は、どこかの学校のゲタ箱みたいな靴のロッカーがあり、それは無料。入湯料は入り口のところにある自動販売機で購入する。1人390円。番台のようなカウンターでそのチケットを渡して2階にいけばお風呂場だ。このとき、タオルを持っていなかったので150円払ってタオルを購入。
お風呂はというと、これが結構大きな湯船で、低温風呂(42度)と高温風呂(45度)、そして泡風呂が内風呂として存在していた。もちろん、こんなところでも一応「温泉」と謳っているので、露天風呂もあるからすごい。洗い場だけみると、本当に銭湯のような感じだし、気の効いたホテルのお風呂場と違い、シャンプーやリンス類は一切置いていないので、それはあらかじめ持参したものを使うことになっている。ここに来ている人たちはそのことを十分承知のために、各々が持ってきたシャンプーセットを使って洗っていた。そんなことも知らない観光客としてきた自分は、単に汗を流すためにきているので、よしとする。それにしても、ここの湯は鉄分が多いようで、湯の色が赤い。
お風呂から上がったら、畳のある大きな部屋で湯冷ましをするひともいるし、ちょっと休憩と称してゴロンとしているひともいるし、テレビを見ているひともいる。函館にもこのような良い温泉があるとは知らなかったので、湯の川なんかに泊まらなくてもこれで十分だろう。
市営谷地頭温泉 http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/suidou/info/institution/spa.htm
営業時間 6:00am - 21:30
所在地 函館市谷地頭町20番7号
TEL(0138)22-8371
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