旅名人ブックスのシリーズは写真が多くて、読んでいるだけで旅をしているような気分になれる。反面、カラー写真ばかりなので、持ち歩くにはとても重い。さすがに現地に行って、参考書として持ち歩くのは嫌な本である。でも、内容が結構濃いので、知らないところの場所の様子を知るためには有益なものだし、実際に当地に着いたときに、似たような写真を撮ってみたいという参考にもなると思う。
そんな旅名人ブックスでは、あるとき、台湾特集が組まれた。それも6-7冊。連続で台湾に関する本ばかりを出していたのであるが、これは絶対、旅名人ブックス編集者のなかに「台湾を特集させてくれ!」と直談判した台湾フリークがいたんじゃないのかというのは容易に想像できる。
台湾に行くときに大抵はもう台北にしか宿泊していないし、台湾高速鉄道ができてからは、台北に宿泊していれば、高雄も日帰りでいけるようになってしまったので、他の都市にどんなホテルがあるのかということを調べることも無いだろうと思う。それでも、台湾のホテルは、高級から低級まで幅広く存在し、できるだけ安い宿に泊まろうと思えば泊まれるところはあるのだが、そこまで貧乏面をして台湾に行く必要がどこにあるのだろうか?なにをしに台湾に行くのかということにもよるのだが、せっかく台湾にいくのであれば、日本にいたら絶対に泊まれないような超高級ホテルも格安で泊まれるので、是非台湾では良いホテルに泊まって欲しいところである。
台湾のホテルばかりを紹介しているのが旅名人ブックスにある。その名も「台湾のホテル」の巻だ。多くは台北のホテルばかりなのだが、主要都市の主要ホテルに付いては結構多く載っているので、ガイドブックで数行しか載っていないよりは、この本のほうが参考になるだろう。いまでは、ネット上にはたくさん電子データとしてあらゆるホテルの情報が写真つきで載っているので、こういう本がどこまでニーズがあるのかというのがよくわからない。ネットにつなげさえすれば、TripAdvisorのようなサイトにアクセスすれば似たような情報は載っている。ホテルのことなので、歴史に付いてはそんなに情報が必要ではない。ただ、ホテル内の施設はどうなのか、ホテルのサービスはどうなのかということだけに終始すればいいわけで、こんなのが旅名人ブックスになるほうがあまりよくわからない。
しかし、最近毎回台北で泊まるときには、同じようなところに泊まってしまっているので、なにかちょっと趣向を換えて、毎回泊まる所を換えてみようかなというのを、この本を見てしまうと考えてしまう。どれもこれもなかなか良いホテルばかりだからである。やっぱりホテルは場所とサービスと品質に因るというのが選択の大きく関わるものだと感じる。安宿ばかりが良い選択とは限らない。いかに安く良いホテルに宿泊するのかというのも重要なファクターである。なにしろ、1日の1/3はホテル生活をしているわけなのだから、そのホテル生活を無駄にする必要は無いのである。
主要のホテルが全部載っているので、台北だけじゃなく、日月潭や陽明山のような場所、ましてや阿里山のようななかなか行きにくいところのホテルもちゃんと掲載されている。こういう書籍を読むとまだまだ泊まってみたい場所というのはたくさんあるなと実感する。そして、紹介されている内容は、記者の眼からみた感覚なので、実際に泊まって見て、自分だったらこう感じたというのを後でレポートしたいところである。
ただ、台北も他の都市もそうなのだが、毎年毎年新しいホテルが開業している。そして、それは世界的なチェーン店だったりするし、ローカルのデザイナーズホテルだったりする。こういう新しいホテルについての情報をタイムリとは言わないまでも、定期的にアップロードしていけるのかどうかというのが、こういう書籍の難しいところだろう。ガイドには載っていないが、新しいホテルが出来たので、そこに泊まってみたいというのであれば、やっぱりネットのホテル案内サイトを見るしか無いだろう。ホテルの選択のために、どういう媒体を使って情報を仕入れるかは個々によるものだとおもう。ただ、行ったことも無いような場所での情報を仕入れるというのは大変しんどいことだ。その都市の初心者であるなら、書物のようなもので調べるのは良いだろう。
しかし、やっぱりこういう本を見ていると、ヘラヘラしながら行った気になって、泊まった気になれるから、書物の力は恐ろしいと思う。
旅名人ブックス102 台湾のホテル
単行本(ソフトカバー): 352ページ
出版社: 日経BP企画 (2008/3/20)
発売日: 2008/3/20
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