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宮殿敷地内に入ると、ヴェルサイユ宮殿よりも数倍広い前庭が広がり、その向こうに宮殿が見える。宮殿の向かって左側のほうに切符売り場があるが、長蛇の列ができているのでそれも分かる。が、その並び方がかなり適当に並んでいるので、ポカーんと並んでいると、いつまでたっても切符は買えない。切符の種類はいくつかある。建物見学でも数箇所しか見えられないもの、40室あるすべての部屋を見ることができるもの、ガイドが付くもの、ホーフブルク宮殿も含めて待ち時間なしで観られるものと、結構種類が豊富。そう、ここは通常の切符であれば、決まった時間にならないと入館出来ないような仕組みになっている。中の混雑緩和のためであり、これはノイシュバンシュタイン城で取り入れられているシステムと同じである。だから時間が来るまで暇で仕方ない。
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入館の時間がきたら入り口付近に行って切符を見せれば入れる。そのあと、イヤフォンガイドを借りれば、詳細な説明はそのガイドから聞くことができる。もちろん、日本語のガイドは存在するので「日本語希望」ということは忘れずに。かなり詳細な説明をしてくれるので、一つの部屋に滞在している時間が必然的に長くなってしまう。でも、展示されているものがどれも見ごたえがあるものばかりなので、どんだけ長く一つの部屋にいても飽きないから不思議だ。
ここでは一つ一つの部屋の説明をすることは、ガイドでも買って読んでもらえればいいので、書くことはしない。見た感想についてだけ述べることにしよう。
「胡桃の間」は落ち着いた雰囲気のネオロココスタイルの調度品が飾ってあった。ここでフランツ=ヨーゼフ皇帝は、各大臣や宮廷の高官と謁見していたが、なんとフランツ=ヨーゼフはであった人物に対する特異な記憶力を身につけており、晩年に至るまで優れた記憶力を持ちつづけていたらしい。そして、その隣にあるのが「フランツ=ヨーゼフの書斎」であるが、彼はほとんど1日中ここで執務を実行していたが、ガチガチの硬い人間だったために、朝5時からきっちりきまった時間帯になにをするかを決めて行動していた。嫁のエリーザベトとはまるっきり違う。そう考えると、エリーザベトがガチガチのおっさんと嫌になって、自由奔放にあちこちに行くわ、ハンガリー大好きということを言い出すのも分かるような気がする。「フランツ=ヨーゼフの寝室」は、皇帝の部屋とは思えないくらい質素すぎるくらいの寝室で、ベッドやリラックスするためのシートの大きさを観ると、そんなに大きな人ではなかったようである。いちおう、皇帝夫妻の寝室はあるのだが、一緒のベッドで寝ていたのは数年間のみで、あとはこの部屋に皇帝が入ることを、エリーザベトが嫌がった。考えればエリーザベトの好き勝手もここまできても、それでも許したフランツ=ヨーゼフは太っ腹というか、肝が据わっているというか、小さなことには拘らないという皇帝らしい態度だとは言えよう。
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[宮殿のなかの部屋一覧]
・警護の間
・ビリヤードの間
・胡桃の間
・フランツ=ヨーゼフの書斎
・フランツ=ヨーゼフ皇帝の寝室
・西側テラスの小部屋
・階段の小部屋
・化粧室
・フランツ=ヨーゼフとエリーザベトの共同の寝室
・皇后のサロン
・マリー=アントワネットの部屋
・子供たちの部屋
・朝食用の小部屋
・黄色いサロン
・バルコンの部屋
・鏡の間
・大きなローザの間
・第一小さなローザの間
・第二小さなローザの間
・ランタンの部屋
・大ギャラリー
・小ギャラリー
・丸い中国の小部屋
・楕円形の中国の小部屋
・馬車行列の間
・セレモニーの間
・駿馬の間
・青の中国風サロン
・漆の間
・ナポレオンの部屋
・磁器の間
・百万の間
・ゴブランの間
・ソフィー女大公の書斎
・紅いサロン
・テラスの小部屋
・豊かな部屋
・フランツ=カールの部屋
・フランツ=カールのサロン
・狩りの間
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