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台湾桃園空港に到着したあと、台湾新幹線に乗るには、長距離バスのチケット売り場で買うことができる。それも路線バスの切符。片道20台湾元。統聯客運という緑色のバスが20分おきに空港から高鉄桃園駅までノンストップで運んでくれる。路線バスといっても、台北市内にいく空港バスと同じように、全席リクライニング形式の椅子なので、のんびりできるが、乗っている時間はたったの10分程度なので、のんびり感も味わう時間もなく到着できる。
現在、空港から高鉄桃園駅までを繋ぐ、空港MRTが建設中であり、高架線になるための工事を道路のあちこちでみることができる。そして、しばらくすると、なにもないところに、いきなり超近代的な建物が見えてきたら、それが高鉄桃園駅だ。空港からのバスは満員になっていたし、それでも乗れないひとがたくさん居たので、「あーっ、やっぱり台湾新幹線は混んでいるんだなー」というのをこのときは思っていた。
高鉄桃園駅に到着すると、本当に綺麗な駅で、台北駅と同じように天井が高い。切符は自動販売機形式と窓口タイプと2種類ある。これは日本の新幹線の切符売り場と全く同じだ。窓口では中国語と英語はもちろん、日本語も通じる。だから、心配なく、どこどこまでというのを日本語で伝えればいい。それがわかったのは、目的地の「左営」という中国語の発音を知らなかったので、日本語形式で「さえい」と言ったら、すぐに処理してくれたからである。新幹線の駅の数も少ないため、日本語で言われても理解できるように駅員も訓練されているのだろうと思った。ちなみに、左営までは正規料金はずっと高いが、なぜか夕方になると割引運賃が自動的に適用されて、片道1130元である。移動距離を考えるとめちゃくちゃ安い。
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空港から新幹線で移動する人は大抵台北のほうに向かうようで、高雄方面に向かう列車に乗る人は、思ったよりも断然少なかった。この日が土曜日なので、田舎に帰る人も多いだろうとおもう時期だとおもったのにも関わらずだ。もしかしたら、もっと早い時間の新幹線なら混雑していたのかもしれない。乗った列車が18時10分発の列車だったこともあるので、到着したときには夜になってしまうし、田舎にほとんど滞在することなく、また台北に戻ってこなくてはいけないからということもあるだろう。
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車両に乗り込んでみて、さらに吃驚した。日本の新幹線の車両だからなのだが、乗客が台湾人だらけであって、車内は日本そのままだという印象だった。あと、台中を過ぎたころから、だんだん乗客が減っていき、台南を出発して、終着駅左営に行くまでには、もう同じ車輌に乗っている乗客は自分を除いて誰も乗っていない。ほとんど王様のような気分である。だから、乗車前に「混んでいるかもしれない」と思っていたのは大間違いの認識だった。
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ただ、台湾新幹線ができたことで、高雄や台南のように南部に住んでいた人たちが、日帰りで台北に遊びにいけるということが可能になった。例えば、ライブが台北で行なわれて、そのままその日には高雄に戻れるということも可能になったのである。そうなると、日本の田舎と同じように、田舎の活性化のために新幹線ができたとおもったのに、田舎の人が都会に出て行ってしまうことで、経済がさらに地盤沈下してしまったという現象が起こっているように、それまで台湾のそれぞれの町で閉じて行動して活動していた台湾人が、新幹線によってすべて台北に行ってしまうことになり、地方が地盤沈下になってしまうのではないかと懸念している。
台北に向かう場合は、やっぱり空港バスが一番便利だとおもうし、安い。台湾新幹線を使ってわざわざ台北にいくのは、乗り換えもあるし、台北駅の近くにホテルをとっているのであれば別だが、離れたところのホテルを予約した場合は、また台北駅からタクシーやMRTで移動しなければならないので、面倒だと思う。
どちらを選んでいくかは自由だが、南部に行くには本当に便利になった。
台湾新幹線時刻表と料金
URL : http://www.thsrc.com.tw/jp/?lc=jp
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