台湾に関する旅行の本はここ最近たくさん出版されているのだが、写真ではなく、絵で描かれているような旅本があると、どうしても避けてしまうところが多かった。写真だと見ればその通りだという情報量を持っているのだが、同じ画像でもデッサンで描かれたものだと、本物さが全く伝わってこないために、本来情報として伝えるはずの量が半減してしまうからである。
「電車でぐるっとよくばり台湾」もまさしくそんな本の1つである。前から出版されているのは気になっていたのだが、こんな本ごときに定価で買うのはもったいないとおもい、イーブックオフで100円で売られるのを待って買うことにした。忘れたころに「在庫在り」の連絡がイーブックオフからあったので、他の書物と一緒に購入したのだが、結果から言って、すこしだけしか情報は役に立たなかった。
すこしだけと書いたのは理由がある。全然役に立たなかったではないのでお間違いなく。そのすこしだけと書いたのは、台湾について書いている旅本の多くは「台湾」と記載しているのに台北しか書いていないことが多いのだが、この本は台北ではなく、どちらかというと台南や嘉義から南の地域に関する記載が結構多いからである。特にあまり情報として他の本には記載されない台南についての情報は重宝した。といっても、ほとんどが食べ物の情報ばかりなので、史跡に行くための交通情報や史跡に関する裏情報というのは全くといっていいほど記載されていない。
女性が記載しているから、どうしても食べ物と小物に関する情報が多くなってしまうのは仕方ないと思う。しかし、食べ物ばかりだからと侮ってはいけない。この著者、食べ物に関しては1日のうちにいったい何回食べればいいんだよーというくらいのたくさんの食べ物を食べていることに読んでいるうちに気づくはずである。もしかしたら、複数回兼ねて同じ場所を訪れて、それをまとめて記載しているのかもしれないが、どう読んでも文章から考えてみると全然複数回の訪問とは思えないのである。
近い、安い、美味い、気候がいい、安全とすべてにおいて満足している場所台湾。以前より相当台湾へ行く旅行者の数が増えたのは台湾フリークとしてうれしいことだと思うし、自称・台湾宣伝屋として友達や会社で宣伝しまくってはいるのだが、あまり反応がいまいちない。しかし、密かに台湾に旅行に言っている人は多いんだろうなというのは想像できる。できれば、そういう旅行者も最初は台北しか行かなくても、2回目以降は台南や高雄を中心とした南部へ行ってもらいたいともう。台湾のいいところがたくさん見つかるから。この本も台北だけではなく、台湾のいいところを引き出すために必死にいろいろな各地を紹介して、何一つ悪いことは記載されていないことに気づくだろう。それだけお勧めなのである。
程度の度はどうであれ、台湾旅行を計画している人はたくさんのガイドブックを読んで、どれが自分の旅行スタイルにあったものかを吟味して欲しいと思う。この本は、個人的には10点満点中4点かな。繰り返して読むような本ではないと思ったところが減点対象。本人、絵本作家だから、どうしても写真より絵を中心に記載してしまうのは仕方ないのだろう。
電車でぐるっとよくばり台湾
著者:とまこ
出版社: アスペクト
発売日: 2010/3/8
単行本: 144ページ
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