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今回はオランダだけに行くということに決めていた。決してベネルクス三国に行くというのではない。つまり、オランダに飽きたらベルギーにでも行ってみるということは考えないことにした。というより、その逃げ道を作ってしまうと、全くオランダを楽しめないと思ったからだ。というのも、もともとオランダは、イギリスとオーストラリアと並んで、自分の中ではつまらない場所だと思っていたところなのである。ご飯が不味く、これと言った魅力のあるようなものが存在しないところだと思っていたからである。だから、敢えて自分ではオランダに行くという選択を持ち合わせていなかったので、友達が行きたいと申し出てきたときには、最初は躊躇した。しかし、じっくり行けば、オランダが如何につまらないところか、または反対に実はめちゃくちゃ面白いところだったということは判断できるだろうということと、自分で選んだ場所は大抵は旅行者にとって魅力的なところばかりだと思っていたので、他人が選ぶとやっぱりダメな場所はダメだと改めて認識できるかもしれないと思ったこともある。
さて、オランダと言ったら、風車/木靴/チューリップ/ゴーダチーズと、知っている人は知っているがフランドル地方の絵画の本場というくらいしか知らない。あとは文化として、カフェでなくコーヒーショップで大麻が普通に買えるということ、あとは飾り窓地帯では、売春/買春が合法化されていて、値段が統一化されているということがアングラな世界では有名な話。音楽の世界で言うと、オランダのテクノはアメリカのデトロイトテクノと、ドイツのテクノに並んで3大テクノの聖地みたいなところであり、特に日本では「ロッテルダムテクノ」と呼ばれるガバー(Gabber)なんかは異色のなかの異色だと思う。地勢的には埋立地ばっかりなので、国土の多くは海面下にあるということと、平坦な場所ばっかりだということくらいしか知らない。それとサッカーが強く、アヤックスはヨーロッパのクラブチームの中でも屈指の強豪チームであることは知っている。
と、いちおう知っている限りのオランダを列挙したのだが、それ以外のオランダのことって実は全く知らない。日本との関係で言うと、江戸時代にキリスト教の布教はしないという名目で貿易を唯一行うことができた西洋諸国であったことは知っているのだが、それくらいのもので、実はオランダが何をしてくれたのかと言うのはよく分かっていない。そして、逆にオランダ経由で日本からなにがヨーロッパにもたらされたのかは漠然としたものしか分からず、どういうものが伝わったのかはよく知らない。
つまり、オランダはオランダという国は知っているけど、観光地としてみるところというのはいったい何があるのかというのをさっぱり分かっていないということなのである。
ガイドブックを見て、アムステルダムを中心に他にはどういう町があって、どういう見所があるのかとちょっと調べてみた。都市としては、商業都市のロッテルダムや、学芸都市のリンデンという名前は知っている。国際機関があるデ・ハーグや条約で有名なマーストリヒトがあるのも分かる。それ以外は、皆目検討がつかないし、ガイドブックを見ても聞いたこともないような町になにか心からウキウキするようなものがあるかというと、これも特徴があるものがないのだ。ご飯がダメで見所がないなんて言うのは、本当にどうしようもないところだなとつくづく思った。でも、こうは言っても、実際に現地に行くと印象も変わってくるんだろうなという気もするので、渡航前の想像と渡航後の印象の違いについても、また別途記載したいと思う。
ちなみに、オランダではずっとアムステルダムで宿泊するつもりであり、アムステルダムからオランダ各地に行く予定にしている。
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