花火観覧というのは、やっぱり夏の風物詩の1つであろう。浴衣を着て、扇子か内輪をもって夕涼みを兼ねて花火大会のために河原に行くというのは、これは日本人である以上、DNAに染み付いた楽しみの1つだと思う。海外でも花火大会があるが、海外で見る花火大会は単なるエンターテイメントでしか思えず、まったく風流がない。なんでだろう?それでも夏に見ると、まだ花火を見ているという気分になれる。
しかし、今年の調布市の花火大会はなんと10月20日(土)に開催された。多摩川沿いで行われる花火大会の中では最大の規模の花火大会であるので、もう20年くらい毎年観にいっているような気がしたのだが、こんなクソ寒い時期に花火大会を開催するなんて、風流も減った暮れもなく、単に毎年観にいっているのを今年で途切れさせてはいけないというだけのために行かねばならないというのも、なんとなく義務感で観ている気がしてならないと思った。これまでも、調布市の花火大会は、何度も開催が危ぶまれていて、今年はもうやらないだろうと思っていたのだが、それでも何とかして開催してくれた関係者のひとに毎年拍手したいくらいである。時には、花火大会が終わったあとに場内アナウンスで「寄付してくださいー」と思いっきり叫ばれているときもあったくらいだからだ。いずれにしろ、日本の花火大会は、見晴らしが良いところだと、無料で誰でも見られるという意味では素晴らしいイベントだと思われる。
調布市の花火大会は、東京都内の中では実は有名な花火大会の1つであった。それは調布市の花火大会は、多摩川という広い敷地内で行われるイベントだからということもあるのだが、「尺玉100連発」という名物コーナーがあるからである。1尺玉がドーン、ドーンと大空の中で破裂するたびに、お腹にすごい響くのが快感だ。花火は目で見るのではなく、音で聞くものだというのが自論である。だから、尺玉が上がったからといって、遠くから見るのは全然花火をみるのに値しないものだと考える。尺玉であれば、破裂したときの花の大きさが大きく見えるのは当然だが、音がそれに伴っていないのであれば、全然尺玉を楽しめない。そんな尺玉100連発が今年の調布市花火大会から消えていたのはショックだった。
その代わり、連続打ち上げの花火がたくさん怒涛のようにあがっていたことは面白かった。ただ、それは面白かったというだけであって、今年も調布の花火大会を見たという満足感があったというわけじゃない。単なる花火大会を観にいったというだけの感想でしかないのである。なにしろ、10月の花火大会を河原で見るというのは、クソ寒くて仕方ない。今年はずっと暑かったというときでも、夜になったら涼しくなるのは当然だ。だから、この寒いところでジッとして観ているというのは拷問でしかないと思ったのである。
おまけに会場で観られる場所が極端に狭くなっていた。多摩川の河川敷のうち、布田会場のほうの多くは有料席で埋められていたために、無料で敷物を持参してみるためには、かなーり離れたところで観るしかなかったのが残念だ。だいぶ前は、打ち上げ場がすぐ傍にあるようなところで観れて、それも寝転がって、真上に向くようにして観るというのが、多摩川の河川敷でみる醍醐味だったのだが、今年は目線が真上ではなく斜め前という程度でしか見られないというつまらなさ。これが一層調布の花火大会を面白くなくしているものだった。これは、調布市の予算がないために、有料席で席を買ってもらって、その費用を花火大会の打ち上げ費用に充てる為に仕方なく採られた処置である。それはすごく理解できるのだが、これまでの調布花火大会を観て来ている側からすると、残念で仕方ないのである。じゃ、金を払って観ろ!といわれると、えー・・・まぁ・・そのぉ・・・と後ろ向きな意見になってしまうから、わがままな客であることは重々分かっている。
そして、10月ごろになると、もう17時半になれば空は真っ暗になる。花火シーズンの8月ごろだと、19時ごろになってもまだ薄暗い程度であって、花火を上げる時間帯じゃないという独特の雰囲気を楽しめるのだが、17時半には真っ暗になってしまい、コートを着て花火を見るなんていうのはもう拷問でしかない。
さて、来年の調布市花火大会は一体いつ開催されるのだろうか?はたまた、開催は実行されるのだろうか?来年の6月ごろにはアナウンスされるだろうから、それを待つことにしよう。
調布市花火大会公式ホームページ
URL : http://hanabi.csa.gr.jp/index.html
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