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今年の平の高房への旅行は、湯西川に到着する前から少し変だった。「湯西川温泉までの交通機関」でも記載したが、妙に観光客が多い。地元にとってはありがたいことなのだろうが、あまりにぎやかになったのであれば、人気の無さを求めてやってきた自分達のわがままな願いをかき消すことになってしまうのである。バスが最終地の湯西川温泉に到着するときも、いつもなら誰もほかに客が乗っていないのに、今年は妙にたくさん客が居た。みんなどこに行くのかと思ったら、自分達と同じ平の高房だったのには吃驚。平の高房は、バス停から送迎のマイクロバスでしか行けない。そのマイクロバスが満員に成ってしまった。
宿に着いたら、いつものように手続きをする。毎度ながら、この宿は元々材木屋だっただけあって、立派な材木を使った建物になっている。既に築30年は経過しているのだろうとおもうのだが、手入れと樹木が良いために、最近完成したような建物に見えるのは凄く立派だとおもう。
チェックインの手続きをしていたら、若女将が出迎えをしてくれた。他のお客様のてまえ、自分達に掛りっきりになるのはさすがに失礼にあたるのを承知だったが、できるだけ長い時間、「またいらっしゃってありがとうございます」と顔を見るなりに言われたことは、細かい心遣いの1つとして、宿泊客としてはとても嬉しいことだ。ただ、いつも言われるのは「いつも冬ばかりにいらっしゃるけど、夏の湯西川もいいですよ」というさらっとした宣伝を入れるところだろう。別にそれを聞いて嫌ではない。夏の湯西川を一切知らないので、知らないのに「あぁそうですか。」と無視するのは失礼だ。是非、一度行ってみたいとは思う。
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客として残念なのは、たいだいのひとがこの良い旅館を1泊しかせずに帰ってしまうということ。1泊じゃなく、連泊でこの宿に泊まるべきだと思う。泊まっている間に湯西川温泉の街中に出てもいいのだが、それよりもせっかく泊まっているので、昼間もこの旅館に居座るというのがいいことだ。なにしろ、外にある露天風呂は、別に予約しなくてもほとんど自分達だけの占有風呂として使うことができるからだ。こんな贅沢は無いだろう。小さい露天なら出来ても、大きな露天を占有ということほど楽しいものは無い。そして、いくらたくさん入っていても、外気は寒くてお湯は暖かいので、何時間でもこのお風呂に入ることが出来るのは嬉しい。体がふやけるくらいずっと入っていられるのは楽しい。
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■1泊目夕ご飯
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1日目の朝は、8時からの朝食時間に眠い眼をこすって、人々は集まるのだが、やっぱりここは朝食前に一度お風呂に入って食べてみたいところだ。朝食は胃に優しい魚料理と茸料理である。朝からがっつり食べたい人にとってはちょっと足らないと思うかもしれない。ところが、そんな人にも、少し腹持ちできるものがある。それはお汁粉のサービスである。この時期だけしか提供されていないのだが、朝に食べるお汁粉はとても元気が出る。
2日目の夕ご飯は、豚しゃぶ。1日目の食事がめちゃくちゃ多すぎたのだが、この日の食事量はちょうど良し。ところがここで若女将が突然やって来た。理由を聞いたら、「浴衣のサイズを間違って出してしまったので、お詫びです」と言う言葉と一緒に日本酒を持ってきてくれた。えーっ?そんなことしてくれなくてもいいのにーとおもったのだが、ありがたく頂戴した。確かに替えの浴衣が用意されていたときには中サイズだったのだが、自分達は大サイズの浴衣を着るので、フロントに行って違うのをくださいとお願いしたことはお願いした。でも、どこの部屋のものかなんて一言も言わなかったのに、よく若女将はわかったなーと感心した。こういう客がびっくりするような小さいサービスをしてくれるととても嬉しい。
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それにしてもいつ食べてもここのご飯はとても美味しい。基本的には山奥なので山のご飯なのだが、季節に沿った素材を使ったものしか提供されないので、いま何が一番美味いのかをよく知っている料理長のご飯なのだ。だから、季節によって全然提供されるので、それを堪能するためそれを求めて訪問する旅行者も中にはいるんじゃないだろうか?でも、若女将の話だと、そんなお客さんは居ない模様だ。
ちょうど泊まっているとき、大雪が降り始めて、帰京する朝にはすっかり窓からの景色は真っ白になっていた。屋根からのつららもかなり大きい。こういう景色を見るために来ている人も多いことだろうが、個人的には雪国で住んでいたことがあるので生活するには嫌だなと思う。
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