2011/01/11

湯西川温泉までの交通機関

湯西川温泉までは先にも記載したが、電車とバスが基本。ところが数年後には、湯西川温泉はこれまでの鄙びた温泉町というイメージから、都会から近いところにある山里に完全に変わってしまうことだろうと思う。というのも、いま、湯西川温泉までの道路が抜本的に変えてしまうような大掛かりなバイバス道路が建設中だからだ。最終的にはどこまで繋げるつもりなのかは全然分からないが、とにかく湯西川温泉までは、道幅が広く、ほぼまっすぐな道路ができることで、運転が苦手な人でさえも楽に行ける場所になってしまう。現在は、山あり谷あり、道幅もバスが一台やっと通れるという場所があったりするような細くてうねった道であり、道を外れると、一方が谷底、一方が崖の壁というような場所なのである。そして、鬼怒川温泉からバスで1時間かかる道中も、道ができると半分以下に短縮できるのだろうと思う。

道路建設というのは、周辺地域に富をもたらすという典型的な風景も見ることができた。何も仕事が無い田舎の場合、どうしても金になるような仕事というのは土建屋の仕事。鬼怒川温泉から湯西川温泉あたりは、住民がほとんど住んでいないのだが、それでも住んでいる人は居る。ホテル業に携わっているひとではなく、一般的な仕事をしていたりするひとなのである。道路ができることで、いままで住んでいた場所から立ち退きさせられたりするときに、家を建て替えたり綺麗にしたりすることができるのは、ほとんど無料で金が入ってきたのと同じ。そういう家が建設現場の傍のところの集落で発見した。なんだかそういう工事成金をみると、幻滅してくる。田舎の人には悪いのだが、世の中の動きは知ったこっちゃ無く、いつまでも囲炉裏と薪で生活しているような風景を残しておいて欲しいのである。

題名が「湯西川温泉までの交通機関」というものだったのに、全く関係ない道中の車窓の風景を書いてしまった。どうしても上記の工事成金のことは書きたかったので、場所をわきまえず記載してしまった。

さて、話は戻す。

今回の湯西川温泉までのバスは、鬼怒川温泉駅から乗った。自分達よりも先に中国人カップルが鬼怒川温泉駅のバス停でバス待ちをしていた。始発なので、早くから待たなくても実は十分座れると思う。ただ、時間帯によっては鬼怒川温泉駅からでも混んでしまうかも知れない。普通の路線バスなので、それほど座れる椅子は少なく、1時間も乗るのだから、絶対座りたいところである。

通常、途中の湯西川温泉駅で一度休憩が入る。そこで時間調整の意味でトイレ休憩が入るのだが、今年の行きのバスはちょっと異常だった。湯西川温泉が人々に知られるようになってしまったからなのか、湯西川温泉駅からバスに乗り込んできた人たちがめちゃくちゃたくさん居たのである。これまでは、鬼怒川温泉駅から乗り込んだ人数に、数人、湯西川温泉駅から乗り込んでくる人が居たとしても、それでも立ち客が出てくるようなほどは無かった。今年は思いっきり奥まで人が立って、ぎゅうぎゅう詰めになっていた。これで湯西川温泉駅を出発後、ほとんどどこにも停まらず終点まで運転されるバスの中を立ちっぱなしでいくとは、大変だ。なにしろ、道中は、山道なので、道なりにバスが移動する際に、左右に揺れまくる。体力がとてもいる道中なのである。おまけに、鬼怒川温泉駅を出発する際にトイレに行かなくても、湯西川温泉駅で休憩するから、そこで行けばいいやーと鷹を括っていたのだが、思惑が外され、客が乗り込むための時間で、時間調整の時間が終わってしまったということが起こった。だから、湯西川温泉に到着するまでのトイレの我慢は半端じゃなかった。最近、バスとトイレの相性が、個人的には合っていないような気がする。

湯西川温泉までの道中は、いちおう電波が届く。ただし、ドコモなら。ソフトバンクの携帯を持っている人は、この湯西川温泉駅を出発した途端に、電波の許容から外れてしまうので、単なる携帯は邪魔なツールでしかなくなってしまう。ドコモはほぼ人間がいける場所は100%カバーをしているので、こういうところは便利だ。バスに乗っているときに、立っていた人が、あまりにも暇だったから、iPhoneで何かウェブでも見たいと思ったのだろうか、iPhoneからアクセスしようとしたところ、アンテナが全く立っていないことに気づいて、「ソフトバンク使えん!」と騒いでいた。iPhone ではないのだが、こちらはドコモの携帯なので、携帯からツイッターへアクセスしたりして遊ぶことは可能だったが、人が降りはじめる温泉街に到着するまでは、いつの間にか寝てしまった。

そう、湯西川温泉にいくと、ドコモのユーザは電波が届くので東京都内にいるのと変わらないことができるのだが、ソフトバンクユーザの場合は、全く携帯を保有している意味が無くなる。会社や友達からの連絡をすべて断ち切って、のんびり湯西川温泉で過ごしたいというひとにとってはお勧めできるところだ。なにしろ、湯西川温泉のほかのホテルでもネットを完備しているところは無い。ということは、ネット生活から完璧に脱却してしまうことが可能なのである。ドコモユーザはネットが繋がるので、PCからの接続よりは不便を感じるだろうが、それでも繋げられないことは無い。

湯西川温泉から鬼怒川温泉へ戻るバスは、観光バスタイプだった。湯西川温泉の始発バス停は、お土産屋の前にあるのだが、バス停のポールが立っている場所で待っていても全く意味が無い。そんなところにバスは停まらない。対向車が来ても避けていられるようにするために、隣の旅館の駐車場に停まるのである。それを知らないと、せっかくバスに乗ろうとしても良い場所が取れないというオチになる。もう何度も来ていて、勝手を知っているので、もちろんバスには先頭で乗り込むことができ、一番先頭の運転手が居る側ではない反対側を占拠することができた。これだと、前と横で景色が見えるし、左側は湖側なので景色がいいのである。それに、足元もちょっと他の席に比べると広い。これが嬉しい。しかし、ちょうど鬼怒川温泉に戻るバスも、これは立ち客が満員になるほど超満員になっていて、バスが左右に揺れるたびに、車内ではきゃーきゃーいう悲鳴が聞こえた。

行きは湯西川温泉駅から乗り込んできた人が多かったのだが、帰りは湯西川温泉駅で降りる人がめちゃくちゃ少なかった。なぜこんなに少ないのだろうというくらい少ない。きっと、行きのときに「ここから電車に乗らなくても、フリー切符があるんだったら、最終的には鬼怒川までバスで行けばいいんじゃないの?」と思った人が多かったのだろうと思う。実際に、1時間に1本あるかないかの電車に合わせて駅から電車に乗らなくても、バスで鬼怒川まで行くのであればそれで行ったほうが楽に決まっている。

鬼怒川フリーパスを使うと、この路線バスも、鬼怒川温泉から先の一部区間もすべて乗り放題になる。それも3日間有効だから、今回のような三連休の場合、とても重宝する。だいたい、バスは片道1750円なので、それだけで往復3500円。さらにこれに浅草から鬼怒川温泉までの往復電車賃が入るわけで、このパスを持っているだけで十分元が取れるのだ。買うときには、東武の駅でも東武トラベルでも買えるが、うちのように東武線から離れたところに住んでいる場合には、JTBで買うのもいいだろう。ただし、1つの事務処理につき315円の追加料金を払わないといけない。まぁ、この程度の値段はゴミみたいな誤差だろう。

鬼怒川温泉から浅草に戻るスペーシアの場合も、鬼怒川温泉から乗り込むひとがすごい多くて、駅の構内は集団帰省者が溜まっている場所のような混雑振りだった。こんなに人がやってきているのは、景気が良くなってきたからなのか、それとも鬼怒川や湯西川の魅力が増えてきたのか、それともまた全然違う理由からなのか全然分からない。ただ、以前よりは格段にここの駅を利用している人は増えているというのは明らかに分かった。出発までの時間をどのように過ごすかは人それぞれだとおもうが、駅近くのお土産屋でぼーっとすることだけでも楽しいだろうし、狭い待合室でボーっとするのもよし。

車で移動するよりは、湯西川温泉に行くには絶対公共の移動手段を使ったほうが便利だ。

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