普段なにげなく毎食のご飯については、調理師免許や栄養学を学んだことがあるひと以外については、特に気にせず、食いたいものを食ったり、あとはダイエットとして食べないということくらいしか、何を食べるかということについては考えていないのではないだろうか?
なんやかんやと賑わせていて、最近ではすっかり権威が落ちてしまっている服部幸應氏による日本の食に関する全般を、食文化や食事事情の面から説明しているのが、ポッドキャストの服部幸應の『食育の時間』である。
日本の食糧事情というのは普段の生活をしていると、実は全くわからない。スーパーにいけば、いろいろな食材が売られているし、スーパーじゃなくコンビにでも素材は買えるし、もっというと、素材だけじゃなく加工品についても金を出せば容易に手に入ることができるのが日本の一般的な事情だと思う。ただし、これは都会だけの事象というのではなく、ド田舎に行ったとしても、そんなに食料に困ることは、この日本にいる間ではないと思う。食糧事情にちょっとだけ気にするとすれば、スーパーに行ったときに売られている価格が、同一食材にも関わらず、あるときに行ったときと別の日に行ったときでは違うときに感じるだろう。前はもっと安かったと思ったのにーとか、今日は安いなーとか。それくらいだ。ただし、世界的な視野にたって食糧事情を覗いてみると、実はそうではなく、食うに困っている人たちがたくさん世の中には存在するということを知る。
また、たまに食中毒の報道があったりするのだが、それもニュースからの短い報道だけであり、その食中毒の原因になったものがどういう毒素を吐いたことにより人間に影響を及ぼしたとか、そういうのは実は知る由も無い。このポッドキャストには、食に関する「あれは何かなー」とか「これってどういうことかなー」という点を1回ずつ丁寧に教えてくれるところがいい。
それと、服部幸應も言っているのだが、学校給食が単なる昼ごはん提供の場になっていることの認識は間違っていると思ったほうが良い。モンスターペアレントがよく学校を相手に「うちの子は○○が食べられないのを無理やり食べさせた」というようなことを怒鳴りつけるのが居るというのをよく聞く。学校給食は「食を通じた教育」の一環であり、栄養的にも偏らず、集団でご飯を食べることで、心と胃を豊かにするというのが目的の授業の1つなのである。授業なのであるから、それに対して「子供に無理やり食べさせた」ということを文句言う親というのは、算数の授業のときに「うちの子は計算するのが遅いのに、むりやり計算させた」と怒鳴り込んでくるのと一緒である。給食を「母親が1回分楽して、学校に託して子供にご飯を食べさせる機会」だとおもっている親であればあるほど、食育に対する理解が全く無く、モンスターペアレントとして学校に殴りこみに来るのである。これは親が悪いし、親が食育というのがあるという事実を知っていない無知な馬鹿だということが原因だ。
栄養学からの見地からも、このポッドキャストでは、たまに食べ合わせのこととか、お酢の効能とか、料理好きなひとにとってのミニ知識としても役立つ情報も出てきたりする。たが、それは服部幸應の趣味の問題かもしれないが、この番組ではあまり料理好きのひとが聞くような番組には出来ていない。料理をもっと経済的なレベルに引き上げてみているところで説明をしているからである。
しかし、「あなた作るひと、僕食べる人」だと思っているひとも、この番組を聴いて、自分が普段食べている食生活について一回見直しをしてみるのも良いかもしれない。いま口に入れているものがどこからどう流通しているのか、食べているものが体にどのように影響してくるのか、などなどだ。
服部幸應の『食育の時間』
http://www.jfn.co.jp/shokuiku/
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