2013/02/02

サイパン全体の印象

クリスマス時期にサイパンに初めて行ってみて思ったこと全般に付いてここでは記載したいと思う。
ハワイより日本に近くて海が綺麗な場所として、一時期、グアムやサイパンに行く人と言うのは多かったと思う。確かに、まだまだグアムはその人気は続いているようだ。ハワイまだいくには6時間半、グアムまでは3時間だということを考えると、街の大きさは別にして近くて綺麗で暖かい場所というのを求めるには、ちょうど良いところなのだろう。しかし、グアムはミクロネシアエリアでは一番の都会であるのだが、そうではなくサイパンへの渡航はどうなのかと個人的な印象を見てみると、確かにいまでも日本人はそれなりに来ていると思う。が、グアムほどの人気はなくなっていると思うし、サイパンにわざわざいくというメリットが全く無いのである。海の綺麗さは海岸があまりよくなく、浜辺ではなく磯辺のところばかりだからということもあるのだろうが、あまり子供づれでサイパンに来ているという人は多くないように感じた。だいたい一番の繁華街についても「これが繁華街?」と思うくらいどうしようもないくらい寂れている。寂れているという意味では鬼怒川温泉駅近くほどではないとは思うのだが、いちおうDFSはあるとしても、10分もあるけば繁華街の端から端まで歩けるという程度であるのだ。

それくらいの小さいな場所であるため、わざわざサイパンに行くというのは、グアムに厭きたからとか、グアム便の飛行機に空きがなかったので、似たような場所であるサイパン行きでもいいかという理由で選んできているひとなのではないか?という印象が拭えない。グアムの場合は、空軍基地もあるために、そこで働く地元の人、または空軍に従軍しているひとたちが結構いるために、そのひとたちの遊び場としても発展しているのだろう。ところが、サイパンは空軍基地もそうだが、海軍基地もない。だから、単なる小島なのである。しかし、ロタ島に比べると島の大きさがちょっとは大きいから、それなりに街になっているだけだということと、国際線の飛行機がちょっとは就航しているということだけがメリットなのだろうと思う。

日本人だけじゃなく、韓国人も結構サイパンに来ていることは分かった。しかし、まだまだ英語表記以外としては日本語以外の言語はここではあまり目に付かない。つまり、サイパンの経済発展は、日本人による渡航が命となっているということなのだろう。韓国人もさすがに渡航熱が出てきたとしても、やっぱり近隣にグアムという大リゾート地があるために、ミーハー的にそちらに流れていくのは否めない。だから、グアムでは一時期、日本人が来るよりも韓国・中国人が来るほうが多かったので、日本語よりも韓国・中国語のほうを優先するような店もあったみたいである。客が来なければそれなりのニーズは生まれてこないので、サイパンでの韓国・中国人のための設備が全くないことから考えると、それほどまだまだ来ていないのだろうというのは想像できる。

グアムに比べるとサイパンは確かに田舎だ。背伸びしようとしてそれが実力に伴っていないという地方都市に良く似ている。だから、人が良いという印象はある。南国の人はフレンドリーというのはどこでもそうだが、ここでもそれは該当するし、もしかしたら、それはホテルの従業員だけを見ているからそう思ったのかもしれない。なにしろ、宿泊客は動く財布としてしか観ていないかもしれないからである。そして、サイパン特産になるようなものは正直ここにはない。グアムも何も無いところなのだが、あそこは外からの物資を全部一括集中して輸入するところであり、サイパンはグアムから物資を供給して貰っているということもあるので、物流的にコストがかかって、結局物価がそんなに安くも無いところでもある。田舎であるうえで物の値段がそんなに安くないというところに、観光客としてなにが魅力があるのだろうか?

じゃぁ、自然か?文化か?というと、同じチャモロ系統の住民が住んでいるグアムとサイパンは、アメリカ信託統治以前から交流はあるために、グアムの文化もサイパンの文化もたいして変わらない。そして、戦前はどちらも日本が信託して統治していたところなので、どちらも日本語が結構通じるところである。見るべき自然や遺跡がどうかというと、サイパンよりグアムのほうが自然も遺跡もたくさんある。サイパンは何も無いに等しい。戦時中の戦車や戦闘機の残骸なんかも、グアムのほうが断然多い。海の方にいくと、ダイビングポイントはグアムのほうが結構深いところが近くにあるので、ポイントとして初心者から上級者までいろいろな人が楽しめる。サイパンは浅瀬のところしかないようなものなので、上級者のひとは来そうもない。こう考えると、まったくグアムにしか軍配があがらず、なんでサイパンに行かないといけないのかという理由が全く分からないのである。ださらに住民に目を移すと、チャモロ文化なんかどこにも見当たらない。見世物小屋のようにナイトショートして、ファイアダンスをやったりするような大型ホテルのショーはあるけれど、それは文化として継承しているのではなく、単なる見世物としてやっているだけ。

二度目のサイパン渡航があるのか?というと、値段が安ければ別に行っても良いかなという気がする。それはグアムみたいに人ごみで溢れているというところではないからという点だけだ。あとは、また友達に付き合って、ユナイテッド航空に年間4便乗らないといけないという修行の旅に付き合うという目的以外には行かないと思うからだ。

必死になってサイパン内でサイパンの良いところをケーブルテレビを経由して宣伝していいるチャンネルがあったのだが、あれをサイパンで宣伝したところでどうしようもないと思う。なぜ日本のTVで必死になってアピールしないのだろうか?既にサイパンにやってきた人たちに、サイパンにはこういう魅力あると説明したところで、すでにサイパンに来ている人たちで、渡航の理由はそれぞれまちまちだろうが、納得の上でサイパンに来ているんだから、そういう人たちに触れ込みを入れても意味が無い。渡航してきた人たちがサイパンの宣伝活動をしてくれるための期待を込めて行っているのか?だったら、そういう宣伝よりも丁重におもてなしをしたほうが、よっぽどサイパンに対して好印象を持ってくれて、リピータとしてサイパンに来てくれることだろうとおもうし、そこから友人たちに宣伝されるということも考えられるのだ。

サーチャージをゼロ円に近いくらいの値段で航空会社が用意すれば、サイパンに行く人たちはめちゃくちゃ増えると思う。いくら航空運賃が安いといっても、サーチャージが航空運賃と同じ値段だったりすれば、渡航者にとっては2倍の料金を払っているのと同じである。アメリカが石油大国の維持でアメリカの航空会社のサーチャージはとりませんっていうことを宣言したら、アジアに流れているひとの流れをミクロネシアに戻すことは可能だろう。このまま何の発展も無いままミクロネシアの地域が、ただ口をあけて渡航者が増えることを待っているというのでは、没落するだけであると思うし、鬼怒川温泉郷と同じ運命になることは目に見えている。

0 件のコメント: