2012/03/13

GrindrとJack'd

最近はテレビでゲイの芸能人がたくさん出てきたので、一般人にもゲイの認知度が増してきたことはいいことだとは思うが、それでも芸能界は特殊なところだからという暗黙の認識があるのかどうかは定かじゃないが、一般社会でのゲイの受容度はまだまだ低いと思う。ゲイだからということがわかると、友達をやめるひとや、会社での差別があったり、または精神異常者のようなレッテルを貼られてしまうというのはまだまだ残っている。ゲイであることを隠して偽装結婚をしていてたり、子供をわざわざ作ってノンケぶっているようなひとも結構いるのは、それは会社では結婚しないと一人前だというような古い慣習をまだ信じている人が多いから、自己の出世のためにやっているというゲイも多いのが事実である。そういう状況だから、ゲイは昔から相手を探すのにノンケの世界よりも影で行われていた。

最初は青線地区からの延長である新宿二丁目のような同性愛者が集まる町で、似たもの同士が交流する方法。それからゲイ雑誌のようなところで文通から始まるというのが大昔の手段だった。ところがネット社会になってくると、Saturn や Mensnet のようなゲイのためのウェブサイトが出てきて、そこで掲示版やチャットで相手を探すという手段で、二丁目のようなところに行きたくない人でも、少しは気軽にゲイの世界に入り込めるような手段ができたことは、ゲイ人口を増やした要因でもあろう。しかし、これでは、一般ノンケも参加してきて、顔を出した途端に知っている人からゲイであるということがバレるという可能性もあった。それから、mixiの変形版である閉鎖的SNSのmensmixのようなゲイ専用の紹介制が出てきたことにより、他のゲイからじゃないと入れないから、ノンケが入ってこれる余地がなく、それでゲイであることがばれずにネットで相手探しができるというような世界の基盤ができたことは記憶に新しい。さらに、最近では、GIS(地図情報システム:geographic information system)と連携したスマホ用のアプリが出てきたことにより、自分の近所にどんなゲイがいるのかというのを把握できたりするような仕組みがでてきたし、最近ではこれが流行りつつある。

代表的なスマホ用のゲイGISアプリとしては、GrindrJack'dだろう。他にも続々と新しいアプリが出てくるのであるが、他のアプリがどの程度浸透しているのかどうかは不明だ。

最初のGISを使ったアプリとして登場したのはGrindrだと思う。これによって、自分がいまいる場所の周りに、同じアプリを立ち上げているひとがどれだけいるのか、それも全員がゲイであるということを考えたときに、お仲間がどれだけいるのかというのを一気に解放させたというのは、有る意味革命的だったといえよう。なぜなら、特定の場所にいかなければゲイなんていないんじゃないのだろうか?というような素朴な疑問を持っていた人たちが、意外なひとが身近に居たとか、学校や会社や街中でふらふらしているときに、この人もそうだったのねー?というような新しい発見をみつけることができるということの刺激があったからである。アプリが発表されてから、世界中で爆発的に浸透したのだが、この感激を共感したかったからなのだろうと思う。しかし、Grindrにもデメリットはある。顔写真を基本的には登録をするので、それで相手を判断すればいいのだが、登録する写真が基本的には1枚しかない。顔じゃなく、体だけとか、全然関係ない景色なんかを掲載するようなバカも結構いるのだが、それではどういう人なのかは全然わからない。もちろん、自己紹介の部分も少しはあるのだが、これがあまり長文だと表示しないということもある。なんといっても、自分のいる場所の廻りのみしか表示しないので、位置情報をゲットできなければ、情報が取れないのだ。

その点、Jack'dのほうが改良されていると思う。同時に表示登録できる写真の量は3枚。よって、顔だけでもいいし、顔+体でもいいし、体だけなんていうふざけた写真の掲載のひとも結構いる。それだけじゃない。GISの機能として、特定の場所に移動した場合は、その場所の廻りだとどういうひとがいるのかという、自分がその場所にいなくても検索できるような機能がついているのは大きい。日本国内だけじゃなく、海外の特定場所を検索できるのもすごいと思う。それから、写真をみて「お気に入り」と思った場合、GrindrもJack'dもどちらもブックマーク化して登録はできるのだが、Jack'dのほうがもっと機能を有している。それは、お気に入りに登録すると、その登録したという情報が相手側に伝わるのである。お気に入りに入れられて「いやだ」と思うような人は、まずこういうアプリを使っていることはないだろう。更に言うと、誰が自分のプロフィールを見たのかという、mixiではおなじみの「足跡機能」というのが付いているので、誰がいつアクセスしてきたのかが一目瞭然だ。もちろん、相手をお気に入りにした場合、Fridaeのようにハートを送ることができ、ドネーションをJack'dのサイトに送っていない場合には、1日10人までにしか送ることができない。それでも毎日やっていれば、いろいろな人に送ることができるというものだ。送りたくなければ「拒否」というのもありだ。

Jack'dのほうはだんだん海外でも使われつつあるようだ。こういうツールは、登録者数が多ければ多いほど楽しくなる。そこで相手を見つける/見つけないは個人次第のことなのだが、まぁ、こういうアプリを使って、いろいろなタイプの人間模様をみているのは楽しいものだ。

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