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マレーシア最古の仏教寺院がここマラッカに存在する。1673年に建立されたチェン・フーン・テン(青雲亭寺院, Cheng Hoon Teng Temple)である。ここは絶対マラッカでは訪れるべきところだし、檀家と言って良いのかわからないが、信者の人たちが丁寧にこの寺を守っていることがよくわかるくらい整備されており、単なる古めかしい寺ではないことがよくわかる。特に内部は広いわけではないのだが、本堂の雰囲気はとても趣がある。
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まずこの仏教寺院は、いちおう表向き仏教と言いながらも、結局は仏教と道教と儒教が混ざった中国御三家宗教の集大成を演じているところだったからだ。本堂に入って、正面には観音様が右には商売の神様になっている関羽、そして左には海運の神様である媽祖が並んで鎮座しているからだ。どれも中国人にとっては神様としてとても大切な人たちであるから、熱心な信者が常にこの寺を訪問しているのがよくわかる。だから、できれば、観光客は信者に配慮して邪魔にならないように訪問をするべきだろう。
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おもしろいのは、3人が鎮座しているところの上のところには、左にいる媽祖のあたりから仏陀が悟りを開いて涅槃になるまでの様子を、キリスト教の教会に見られるキリストの一生のような紙芝居形式で紹介しているのは絶対見るべきである。こういうのはあまり寺院では見ることができないからだ。
ただ、このお寺はこの本堂だけが存在しているわけではない。あまり触れてはいけないのかもしれないが、ここにはマラッカに住んでなくなった中国系のひとたちの紅い位牌がたくさん祀られている。位牌は個人の名前と一緒にどこが祖籍かというのも書かれているところが、心は常に中国大陸にあるということを残したいという意味があるのだろう。だいたいが「福建」と書かれているのだが、中には「広東」というのも見られる。マラッカは福建系の中国人が多いので、祖籍が「福建」であるのは至極当然なのだと思う。
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チェン・フーン・テン (Cheng Hoon Teng Temple)
URL :
http://www.chenghoonteng.org.my/
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