プリンセンホフ博物館(Museum Het Prinsenhof)はもともと修道院としての機能をもっていた建物だったのだが、オランダの各州がスペインから独立するために戦ったときに先導した立役者が、その後のオランダ王国の基礎を作ったウィレム1世であり、そのひとが執務兼住居として使っていたのがこの建物である。1572年から1584年と意外にもそんなに長くは無い。なぜなら、ウィレム1世は自宅であるこの家でフランスのカトリック教徒に銃殺されたからである。
館内に入ると、主にウィレム1世の功績に関する展示が所狭しと飾られている。特に、スペインと戦ったときの肖像画や風景画については、その後の歴史を知るためにもすごく有益であるために、ぜひ彼の生き様や生き方を知りたいのであれば、この建物を訪問しないでは語られない。
最初のほうはオランダがスペイン統治下にあったための名残として、神聖ローマ帝国皇帝カール5世のことが紹介されていたりするのだが、まぁそれはオランダの歴史を知るためにはどうしても避けて通れないところだとはいえよう。
オラニエ公ウィレムの銅像が出てきたあたりから、ちょうどこの建物の見所が増えてくる。
特に、オラニエ公が銃殺されたところの階段では、弾痕が壁に残っているし、またオラニエ公を撃った鉄砲がそのまま展示されている。その生々しさというのは、傍に立ってみると、そこでは逃げ場は無いなというのがよくわかるし、きっと至近距離で撃たれたんだろうから、即死だったことは否めないなとはよくわかった。面白いのは、その銃殺されたときの事件を、新聞形式で紹介しており、それを電子化して読めるようになっているところだろう。当時は新聞があったのかどうかは知らないが、もし、新聞が存在していたら、たぶんこういう見出しになっていたんだろうというのは想像できる。
この建物の中で一番広い場所が上の階にあるのだが、そこの大広間はレセプションルームとして使われた模様である。この部屋の壁には、オラニエ公のほかにオランダを統治した各種の有名な絵画が掲載されているので、これを鑑賞するのも楽しいだろう。
そのほかは、ここデルフトが陶器の有名な場所なので、その陶器に関する紹介としてくつかの作品があるのだが、これは見る価値がほとんど無い。デルフト自体はいい陶器を作っているところだとは思うのだが、デザインとしての白・青の色彩が、すごいボケているものばかりなのだ。だから、もっといい作品の皿等があったとおもうのだが、それを選ばなかったこの博物館はもうちょっと頑張って欲しいところだ。
プリンセンホフ博物館(Museum Het Princenhof)
URL : http://www.prinsenhof-delft.nl/ (日本語版あり)
Address : Sint Agathaplein 1
Phone : +31 (0)15 260 23 58
Open : 11:00~17:00(火曜~日曜)
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