デルフトは、オランダがユトレヒト同盟によって軽い複数の州の結合が決まったときに、統率的な役割を演じることになったオラニエ公ウィレム1世が住んでいたところでもある。だから、デルフトは陶器の町というよりも現在の王家とかなり深い街でもあるのだ。それを納得させるものがデルフトにある新教会(Nieuwe Kerk)なのだが、この教会にはオラニエ家の代々の王およびその親族が葬られているところなのである。王への宣誓をする場合には、デン・ハーグで。死んだらデルフトが王にとっての舞台になる。
歴代の王が葬られているからということもあるのだが、普段の新教会では、ここに歴代の王の紹介と、その歴史についてがパネルで紹介されている。それを読んでいくだけでオランダの歴代の王を知ることができるのだが、ハプスブルグ家と違って、顔に特徴がないから、すぐに顔を忘れてしまうのである。今の女王のベアトリクスくらい強烈な顔ならば覚えていられるだろう。
教会はプロテスタント教会なので、祭壇らしいものが存在しないのだが、キリスト教の教会というよりは、ここは本当にオラニエ家を祀っている場所であり、それをみながお参りのためにやってくる場所というような建物になっているとしか思えないようなつくりだ。全くキリスト教の匂いがしないのである。どちらかというと、オラニエ家の礼拝堂といったほうが良いかもしれない。祭壇がありそうな一番入口から遠い場所に、ウィレム1世の墓が別枠になって見られるようになっている。さらに奥には大理石でできたオラニエ家の象徴を意味するような巨大な置物もあるので、それを見るのも良いだろう。四角形になっている4つの角にはそれぞれのギリシャ神がいる。
ステンドグラスにも実はウィレム1世の像があるのだが、それに気づいた自分が凄い。
でも、他のステンドグラスもプロテスタント教会なのに、かなり派手めに作られているので、それを見ているだけでも溜息がでそうだ。
しかし、意味がわかんないのは、この教会に、ベアトリクス女王の妹でプリンセス・マルフリーテ(H.K.H. Prinses Margriet)の顔をモチーフにしたステンドグラスがある。顔、手・蝶の3つのアイテムを1つのステンドグラスで表現しているものである。下品ではないのだが、この教会のイメージには全く合わないので、誰もコメントしないのかな?と本当に疑問だ。これは Annemiek Punt による作品である。
広場を挟んで対面にあるのは市庁舎。内部の観覧もできるのだが、どこから入れば良いのかわからなくて内覧は結局しなかった。しかし、青い屋根に、紅い窓枠というのは遠めで見ても結構綺麗に見える。
デルフトの新教会 (Nieuwe Kerk)
Address : Markt 90
Open : 9:00~18:00
URL : http://www.nieuwekerk-delft.nl
Admission Fee : EUR3.50
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