瑠璃廠から西に移動して、宣武門外大街沿いまで来ると、なんと日本のデパートであるSOGOがある。土地が余っているのか、強制的に住民を排除して作ったのかわからないが、このSOGOの広さもかなり広い。紳士館と婦人館と2つに分かれているのは、最近のデパートのつくりとしては定番になっている。しかし、やっぱりここが中国なのだというのが良く分かった。
中国にとって「サービス」というのはまだまだ発展途上のところなのだと思う。日本のデパートだったら、まず考えられないようなことを店員が平気で客の前でやっているのだ。その1つが、個人携帯の使用。日本の店員は、個人携帯の利用はいかなる勤務中でもお客さんの目の前では使わないことになっている。これはお客さんから見て「不快に思わせない」という配慮なのだ。しかし、中国のデパートはこのSOGOに限らず、国営の総合百貨店でおいても同じなのだが、暇なのか携帯を片手にSMSやら何かかちゃかちゃ操作をしている。あれはみっともない。
続いて、北京はオリンピックのおかげで観光客がたくさんくるから、デパートの店員でさえも英語教育をしていると聞いていたのに、まったく英語ができる店員が居なかった。店内に何があるのかを案内するInformationカウンターの人でさえ、英語が理解できないというとんでもなさ。北京にいるんだったら中国語を使え。中国語を使えないなんて、とんでもない野蛮人だというような顔をして客を見ていた様子は腹立たしかった。
これはSOGOでの体験ではなく、万里の長城へ行く際のツアーでの経験の話。ツアーにありがちな、参加者には不必要ではあるが、バックマージンがもらえるという意味で連れて行く店での体験であるが、連れて行かれた店が茶葉を売っている店で兼用して喫茶が出来る場所での出来事。ツアーの中にも「茶店に寄ります」とは聞いていたが、こちらとしては喫茶のつもりで入店していたため、いろいろなお茶を「飲め、飲め」と勧めてくるのは、それはそれで色々と体験できるので楽しい。しかしながら、最終的に必要以上に「買いませんか?」と誘ってくる。台湾で毎回美味い茶葉を買ってきている身分としては、茶葉なんか取れない北京くんだりで茶葉なんか買うつもりなんか全く無いため、「いやぁ、今回は買う予定が無い」なんていうと、次に言ってきたのが「じゃぁ、いくらだった買うか?」という言葉。買うつもりが無いと言ったのにも関わらず、値段の問題だと考えたのか、小分けも出来るので、必要な値段分だけ言ってくれという風に理解したみたいで、少量だったら余計要らないから「要らないと言ったら、要らないのっ!」と返答してみた。そのあと、鬼の首でも掴んだみたいに態度が豹変。無言で「早く帰ってくれ」と表情に出ていたのには参った。帰るといっても、こちらはツアーで来たので、好き勝手な行動が出来ない。
もっと以前は、客が来ても客のことは無視し、品物があるのに品物を売る気が無いなんていう店がたくさんあったと聞く。共産主義の社会であると、たくさん働いても働かなくても同じ給料しかもらえないから、商売なんかやる気がもともと存在しないということなのだと思うが、鄧小平以降の経済下では、共産主義とは名ばかりで、全員が商売第一になって必死になって金儲けをしようとしているのが現在だ。しかし、サービスに対する教育を受けたことが無いし、まともなサービスを受けたことが無い人が商売をしているために、真性資本主義の社会に生きている人から見ると、とても違和感がある商売の仕方をしている。
日本や西洋のような商売の仕方になるためには、まだまだ時間が掛かるのだと思う。
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