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まず6月4日の天安門事件の現場にもなったあの天安門というものが、そんなに人が集まれるところなのかということを実際に見てみたのだが、これは集まれるなーというのが印象だ。それだけめちゃくちゃ広いし、いろいろな場所から集まることが可能だ。
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その理由として、まず、この天安門広場は紫禁城とは長安街を挟んで向かいがわになるのに、道路を渡ってすぐにいくことは出来ない。特定の地下連絡道を通らないと行くことが出来ないのだが、まずその連絡道は幅が広いのは良いとしても、まず暗い。だいたい地下道というのは電燈が付いていて、それが防犯になっているはずなのに、電燈がないため、出入り口ところの天然の光が唯一の光になる。それだけならまだしも、天安門広場に出る側の出口の手前では、なぜか手荷物検査を強制的に受けさせられる。ここで武器の使用を禁止するという意味なのだが、実際には、ここに集団で押しかけてまた民主化デモの発信基地になったり、大弾幕を広げて騒ぐことを禁止しているのである。1989年に起こったあの事件をどうしても中国政府は汚点として教訓にしており、実際に中国国内では天安門事件を歴史的事件として教育の場では教えてないことを皮切りに「事件を無かったことしたい」という思惑と、二度とコピー的な事件が起こらないようにするために警戒しているとしか考えられない。しかし、いくら出入り口で荷物検査をしたとしても、デモ自体を止めることは無理なのだろうとおもう。が、あぁいう検査をしているというアピールが、天安門でデモをさせる抑止力にはなっているのだろうと思う。
さらに抑止力になると思われるのが、天安門広場にだけ、なぜか軍警の衛兵が直立不動で立っている。形式的には国旗がはためいている場所を守るという意味なのだが、実際には天安門広場全体の監視になっている。しかし、直立不動している軍警は、チラ見程度だと立派に見えるのだが、凝視してみると情けないとしか思えなくなるのは何故だろう。それはどうしても台湾の忠烈祠の衛兵と比較してしまうからなのだろう。台湾の衛兵は本当に微動だにしないで1時間くらい直立不動なのだが、北京の衛兵はそこまで訓練されていないのかそれとも直立不動するより監視することが目的なのか、なぜか顔だけは頻繁に動かしている。でも、手先だけは腿にぴったり伸ばしているので、それが異様に見えるのだ。
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6月4日当日は天安門広場に行かなかったのだが、6月3日の天安門広場は特に警戒が凄かったらしい。というのが分かったのは帰国したときに乗った飛行機の中で読んだ新聞である。新聞なので前日の報道がされるのだが、その新聞に載っていた写真をみて驚いた。なんと緑色の服をきた軍警が、観光客の10倍以上の数もいる様子と、複数人による軍警による行進も報道されていた。そんな光景がなぜ6月3日に行われたかというと、それは6月4日の天安門事件の二の舞を踏みたくないという共産党政権の思惑がめちゃくちゃ出ているからだ。もちろん中国国内にいると、天安門広場に軍警がたくさんいるなんていうのは、テレビや新聞では全く報道されていない。むしろ、「普段と同じ」を平然と装うことで6月4日が特別の日ではないことをアピールしているとしか思えない。
天安門広場の真ん中には人民英雄記念碑がある。アヘン戦争以降、中国院明革命で犠牲になった170人あまりの人々の偉業を称えるために1958年に建てられた高さ37.94mの碑で、北側には毛沢東が書いた「人民英雄永垂不朽(人民の英雄は永遠に不滅である)」の金文字が書かれているのだが、その文字がお世辞でも上手いとは言えない。日本の防衛庁の看板もそうなのだが、どうして当時の政治家の権力が強いからと言って、汚い文字を永久に晒してしまうなんていうのを誇りにしているのがよくわからない。
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