隠れた名寺というのは、いつの時代も世界のどこにでもあるようで、たぶん北京ではこの寺のことを指すのだろうなということが分かる。それが智化寺(Zhihua temple)だ。だいたいの観光地の場合、その周りの環境が整備され、多くの観光客が来るような体制ができているはずなのだが、この智化寺は全く異なる。だいたい、場所が良く分からない。ガイドに載っている場所を頼りに歩いていったのだが、あまりにも深い胡同のなかの更に奥まった細道を歩かないといけない場所なので、最初からつまづいた。仕方ないので、その辺の日陰でぽかーんとしていたおっさんに道を聞いて、ようやくたどり着けた。ありがとう、おっさん。きっとそのおっさんも、なんであんな寺なんかに行くんだろう?という顔をしていたに違いない。まぁ、そのおっさんも思ったのも無理は無い。なぜなら寺自体が、砂まみれと土ぼこりが溜まっている小道沿いにあるのだから。
さて、その智化寺だが、なぜかこの日は無料で入ることが出来た。不思議だ。6月3日は何かあったのだろうか!?ただ、全部の観光地で無料だったかというと、そうではなく、別の場所ではなぜか外国人価格で「安かった」のだ。高いのかと思ったら安かったので、これも不思議だ。詳しい人は、なぜか教えて欲しい。
ここでは絶対見て欲しいのが、午前中であれば回数が多い、明時代から続いている宮廷音楽を聴くことができる。時間は決まっているので、それにあわせていけばいいのだ。演奏はいきなり始まるので、時計を見て行動しなければならないと思う。今回は10時の会にギリギリ間に合って演奏を聞くことができた。
<< 演奏時間 >>
・9:00 - 9:15
・10:00 - 10:15
・11:00 - 11:15
・15:00 - 15:15
演目は次の通りだが、どこまでがその曲なのか全然分からない。15分間ずっと続けて行われるような感じなので、聞きほれてしまう。15分の間にこれだけたくさんの曲を演奏するということは、1曲あたりがかなり短いと言えよう。楽器は4種類しかなく、横笛と縦笛と蕭と小太鼓である。演目はたしかに素晴らしい。聞き入ってしまう。が、演奏しているおっさんの顔がどうしても気になって仕方なかった。小太鼓を演奏している小デブのおっさんである。常に不満な顔をしているような顔つきが妙に印象深くて、演奏自体をほとんど覚えていない。幸い、この演奏は自分で動画にしてデジカメで撮っていたので、あとで効くことはできるが、あのおっさんの顔はどうしても忘れることは出来ない。たぶん常駐しているとおもうので、しばらくはその小デブのおっさんを見ることが出来るとおもう。<< 演目一覧 >>
・小華産
・梅花引
・三[白反]賛
・山子
・好事近
・清江引
・喜秋風
・金五山
・酔翁子
・五声仏
その他は、智化殿というメインのお堂には3体の仏像があるので、それも見て欲しい。結構綺麗な顔をした仏像なのである。また鐘楼もあるので、それを眺めるのは良いだろう。しかし、北京市内にある紫禁城に関連する鐘楼には到底及ばないが、それでも寺にある鐘としては立派だと思う。なぜもっとこういう寺に観光客はこないのかが不思議だ。明時代から全く手を加えていないという自然さがとてもいい。雰囲気が日本の古い寺と似ているので、古い寺が好きな日本人にとってはこういう寺をもっと行けば良いのにと思う。
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