地元の人たちでも待ち合わせ場所にも使われているのが、アレトゥーザの泉(Fonte Aretusa)。オルティジア島の先端に近いほうへ、大聖堂がある広場から下っていけばすぐの場所にある。古代都市の主要な水源だった時代と変わらず、いまでも昏々と水が湧き出している。伝説によると、美しい侍女アレトゥーザが川の神アルペイオスに言い寄られて困っているのを見た女神アルテミスが、彼女を泉に変えて守ったという。今では、カモやボラが住んで、パピルスが茂る泉は、夕涼みの時間帯になると、わんさかと人が集まってきて、ちょっとした社交の場になっている。泉のところには、銅像も伝説をモチーフにした銅像も立っている。
場所柄、目の前に海が広がり、海に面したレストラン群にも近いところでもあるので、人が集まりやすいのだろう。このあたりの海はとても綺麗なので、海を見ているだけでなんだか泳ぎたくなるのだが、ここでは泳ぐのは無理だ。
それにしても、エジプトの歴史のときくらいしか言葉としては聞いた事がないパピルスの、それも現実に生えているのを実際に見えるのは驚きだ。パピルスなんていうのは昔のもので、現在のものではないような感覚で思っていただけに、こういうものから紙を作ったのかというのが理解できる。
この泉からプリビテラ通りに入っていくと、すぐの場所に、パピルスを使った紙を売っている店がある。店の前には、パピルスからどのようにして紙を作るのかということを説明した解説文書がある。それもなぜか日本語で。シラクーサを訪れる日本人がどのくらい居るのか分からないのだが、その日本人が読む雑誌に載ったのを宣伝として店の前に張ってあるというのは、なんだか商売根性丸出しで、伝統の技を継承しているという店の雰囲気をぶち壊している気がした。
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