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聖母教会の隣に立っている中央郵便局は、ホーチミンで手紙を出さなくても絶対行くべき建物の1つだろう。その建物の素晴らしさを見ただけで、うわぁ・・・と溜息が出てきそうになる。1886年から1891年にフランス統治時代に建設されたこの郵便局は、戦前・戦後を通して、その役割は変わらず、郵便・電信のために存在したものだ。
表向きは東南アジアの西洋文化を反映した建物形式になっているのは共通的なのだが、中に入ってからがびっくりする。まずは、ドーム型になっている天井のかたちがすばらしい。それが国営百貨店でのデザインとよく似ていて、ここでもアールデコ調の装飾をみることができる。特に窓枠や天井の格子状が一番そのように思える。また、一番奥の壁には、大きなホー・チ・ミンの肖像画が掛かっており、穏やかな顔で郵便や電話事業を見守っているように見えるが、見ようによっては、中国の毛沢東、北朝鮮の金日成のような肖像画と同じような役割に見えてくるので、こういう国父が居るようなところは、面倒くさいなーとおもう。
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郵便のカウンターは、円い天井の下に存在しており、それがカタカナの「コ」の字のようになっている。中央には、手続きをするための書類を各テーブルがあるのと、なぜか、郵便局なのにお土産屋が存在しており、そのお土産屋が一番デカイ顔をして中央に陣取っているのである。なにが売られているかというと、ベトナムの切手や葉書セットなので、興味がある人は買うのもいいだろう。
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建物の端に行ってみると、昔ながらの公衆電話のボックスがあり、そのボックスがあまりにも古めかしいため、使うのがもったいないような気がする。いまではベトナム人でも携帯電話を使っているので、こういう公衆電話で話をするひとはあまりいないのだが、昔ながらの建物であるため、この機能を撤退するつもりは無いようである。
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また、別の隅っこに行ってみると、切手を貼り付けるためののりが、昔ながらの大鉢に入っておかれているのを見つけた。日本だと水ノリのチューブがおかれているようなものなのだが、こう、箸みたいなのでノリをたっぷりとってつけるというのは、昔っぽくていい。なんだか昔の日本をみているようだ。こういう光景はずっと残して欲しいと思う。
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中央郵便局 (Buu Dien Thanh Pho)
Address : 2 Chong Xa Paris
Open : 07:00~20:00
Holiday : なし
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