2011/05/11

クロアチアの印象全般

クロアチアに行く前に、前座としてウィーンに行っているため、気分的にはハプスブルグの雰囲気をそのままクロアチアに行くことができたことは、先にウィーンに行ったことは良い選択だと思った。日本の地震と原発で殺伐とした雰囲気のままクロアチアに行ったので、十分にクロアチアを堪能できなかったと思う。ウィーンも観光の中心地に前座的に再訪問をしたわけじゃなかったところも、また良かったかもしれない。ヨーロッパの中心地として600年間君臨したウィーンの一番の華やかなところを見たあとに、クロアチアのような場所を見たのでは、結局田舎の町に来たような感覚になるだけで、「何だよー、クロアチア。なにもなくてつまんないじゃん」と思うだけだったろう。

ウィーンはホテル傍の大きな公園である市民公園 (Stadtpark)のみにいくことにしたことが上述の気分を避けたのだと思う。この市民公園はとても広く、周りの喧騒なビル群の騒音は全く聞こえないし、植物と動物が自由に放し飼いになっており、誰でも自由に入ることができる。天気もよく、気候もよく、出発までの時間帯をのんびりと公園でうろうろするというのはとても気持ちが良かった。本当はシュテファン大聖堂にでも行けばよかったのだろうが、それをみると、本来の目的地のクロアチアの印象が弱くなっていただろうから、ここで無理やり大聖堂に行くまでのことをしなくて正解だった。なにしろウィーンは前にもいったことがある場所なので、どこでなにをすれば良いのか要領はわかっている。ウィーンで十分に満足するまで堪能することも可能だが、それはまた今度別の機会にすることにして、今回はクロアチアを堪能することにしたかったのである。

飛行機に関しては全般的に運行状況はなにも問題なかった。おおきく遅れるわけでもなかったからだ。しかし、これは別途記載したいところだが、帰国便の飛行機のチェックイン時にシステムトラブルが起こってしまったことで、ちょっとしたトラブルに巻き込まれたくらいだろう。

まずはドブロブニク。ここの都市は本当に美しい。とても小さい島の街なのだが、その歴史はまるでヨーロッパ史を巡るのと同じくらい奥深い。建物は要塞の固まりなので石の建物ばかりなのであり、そう考えると街中にはまるっきり木が生えていないのに等しい。地中海に面したところなので、天気が良いと石畳と石の建物に太陽が反射して、とてもそれがまぶしいし、周りは真っ青の海なのでとても絵になる場所だ。オレンジの煉瓦屋根がまたその印象を深くさせる。とくにスレジ山の山頂から見るドブロブニクの街が一番最高。もちろん、要塞壁からみる眼下のドブロブニクの町をみるのも最高である。ジブリ映画「魔女の宅急便」のモデルになったとも言われるのだが、それが使われたのはズバリ正解だっただろうし、映画に出てきたそのままの風景が普通に人間が住んでいる世界で展開されているのが、シンクロされたときに吃驚した。海洋都市だったので、食べ物はとても豊富であり、海のものも山のものも普通に食べられる。アドリア海を挟んで向こう側がイタリアなので、イタリアの文化も入ってきているところだし、ドイツ的な匂いもするところもであるし、もちろん、少しイスラムのにおいもしたりするところでもある。何日いてものんびりできるところだろう。猫の集会にも出くわしたので、地中海の猫を追っているひとはここにきたほうがいい。

ザグレブはクロアチアの首都なのだが、とても小さい。観光地にはほとんどが歩いていくことができる。路面電車もバスも縦横無尽に走っているので、これを利用すれば何の問題もない。実は本当は見るところはあれこれとあるのだが、ザグレブ自体があまりメジャーじゃない観光地なのか、アジア人にとってはあまり知られていないところのために、街の中でアジア人を見ることじたいがほとんどなかった。今回ザグレブには3泊居たのだが、それでも日本人を含めたアジア人に出くわすのが皆無に等しい。ポッドキャストの旅番組を聴いても、ザグレブはつまらないという話を事前に聞いていたが、確かに見るところは派手さがないためにつまらないとおもうのも正直思っても仕方ないだろうと思う。しかし、ザグレブはハプスブルグ帝国が晩年大いに影響を与えた都市であるために、建物全体がドイツ文化の雰囲気をめちゃくちゃ残している。建物もそうだし、公園を含めた町全体の都市構成がウィーンに影響をされていると思う。食べ物は内陸ウィーンと似たようなものがここでは展開される。ドブロブニクは、海洋都市であったため海産物が身近にあったし、イタリアの影響が大きいところでもあったのだが、ザグレブはそれとはぜんぜん違う。太陽の都市という国よりは、内陸の輝く都市というイメージだ。

今回はスプリットには行かなかったが、もしスプリットも行っていたら、どういう印象を持っていただろう?

なお、クロアチアでは、ザグレブもドブロブニクも時間に関してはめちゃくちゃルーズである。何時に絶対スタートするというのはない。だいたい集まってきたから始ったみたいなのばかりである。だから、バスの時刻表も「だいたい」この時間に出発するという表記があるだけで、それが絶対必須の時刻であるというわけでもない。かつ、毎日交通に関する出発時間が変わるというところも特徴だろう。前日に確認しても当日になったら変わったというのは当然のように行われるので、当日までしっかり確認するべきである。

クロアチアはハプスブルグ領ではあったが、やっぱりオーストリアの感じとも違うし、ハンガリーの感じとも違う。独自の文化と各種の文化がミックスされたところだろうというのは全体的な印象。小ウィーンと最初は言いたかったのだが、それもいい難い。実際に行くまでクロアチアのことを全くと言って良いほど知らなかったのだが、旅はいろいろと勉強させてくれるところだと思う。今回もクロアチアを通して、バルカン半島の一端を垣間見ることができた。

そういえば、クロアチアの言語はクロアチア語が公用語なのだが、若い人はまず英語ができる。そしてちょっと教養があるひとはドイツ語もできる。老人の場合は、旧共産国だったこともあるので、ロシア語もできるのだが、クロアチア語自体がスラブ語圏に入り、ロシア語に近い言葉が60%くらいあるために、比較的ロシア語は軽く習得ができたという事実もあるようだ。ただ、これは人によってぜんぜん異なるのだが、英語ができるといっても、とても流暢なイギリス英語を話す人もいれば、ドイツ語なまりよりも、スラブ語訛りの巻き舌発音を使った英語のひとも多いのも事実。巻き舌英語だと、とてもわかりやすいのだが、言葉が断片的に耳に入ってくるので、実は個人的には理解しにくいときがある。あとはクロアチア語を知っていれば、セルビア語も同じなので通じる。ただし、文字がラテン文字からキリル文字になるだけである。

人の感じはとても素朴。みんな親切で、こいつ絶対許さないというようなひとたちに全く出くわさなかった。仕事は一生懸命がんばろうとしているのは見える。が、それに実力が伴っていないというようにも見えた。だが、これからそれは徐々に改善されるところだろう。

町全体が中国人の侵攻がないために、中国人色がにおうようなところがなかったのが不思議だ。だいたい世界の蛆虫としてどこの都市にも中国人はコロニーを作って住んでいたりするのだが、ドブロブニクにはもう土地がないために新興勢力が入り込む余地がないためか中国人が居ないし、ザグレブにしても同じように見かけなかった。だからなのかわからないが、ザグレブでは、街中を歩いているとアジア人がとても珍しいのか、自分たちをみて「こんにちわー」と声をかけてくる子供が多かった。なんで、なんで???と思うのだが、一人や二人だけではない。良くありがちなのは、半分バカにするような言い方で「あぁ、ジャップ発見。かまってやろう」みたいな雰囲気で近づいてくるというのが、大きな都市ではありがちなのだが、ザグレブでは全くそれがない。むしろ「よくぞ日本からやってきてくれた」というような雰囲気を醸し出しているのである。日本人で本当に良かったと思ったのは毎度のことだが、今回もまたそう感じた。

ザグレブで思い出したが、マーケットのところで地元のザグレブ情報誌の人たちにインタビューをされた。到着した翌朝なのだが、まだ何にもザグレブのことを知らないのに「ザグレブの印象は何かありますか?」と聞かれた。「着いたばかりなので、まだ何もわからない」というようなことを応えたのだが、「とはいっても、なにかあるでしょう?人が優しいとか、食べ物がおいしいとか。」とインタビュアー。それもまだぜんぜん経験していないので「本当になにも経験していないからわからんのだ」と半分やけになって応えた。芸能リポータに対して答えている芸能人の気持ちがちょっとわかった気がした。

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