2010/12/27

百年老店・阿城號(新竹)

城隍廟の傍にある市場の中をうろうろ歩いていると、ここでは話をされている言葉は、台湾語か客家語だというのが良くわかる。台湾語は台北でも良く聞かれる言葉なので、意味が分からなくても、これは台湾語だというのは音でよくわかる。客家語のほうは、これが広東語に近いような発音をするのは知っていたが、これだけ狭い地域でたくさんの人がわーわーと客家語で話されると、日本人の耳では、すべての人が喧嘩をしているようにしか聞こえない。新竹という場所は、台湾でも客家人が多く住んでいる場所の1つであるため、新竹出身だというと、大体の人は「この人は客家人だ」と思うくらい、客家語が一般的に使われている場所だ。中国語はどちらかというとお客様的存在であるため、中国語で話をしている人は外部からやって来たひとだというのが良くわかる仕組みになっている。

そんな中で食べ物屋のおばさんたちも、通りかかる客に客家語で「いらっしゃい、いらっしゃい」みたいなことを言っているのだが、何を言っているのかチンプンカンプンである。そうなると、たくさんの人が食べているところが美味いところだという方程式がなりたつので、そういう屋台を探すことにする。そのときに見つけたのが「百年老店・阿城號」である。この店、最初は小さい店かなとおもっていたら、空きスペースや潰れた店のスペースを自分の店に来た客が食べられるようなスペースとして解放しているという、新竹のこのエリアではとても有名な店だったことがわかる。

この店はシステムだが、何度も書いたり消したりすることができる、ペンで書ける白黒板のハンディータイプのものに、メニュのリストと値段が書かれており、それに欲しい固執を記入するというタイプになっている。メニュ自体は壁に写真が書かれているので、それをみて、なにを食べるのかは決めれば良い。いずれにしろ、ここではせっかく新竹に来ているんだから、米粉の料理は食べたかったというのが大前提である。食べたのは下記のリストのとおり。

・新竹肉圓 35元
・炒米粉 35元
・什錦湯 30元
・貢丸湯 35元
・包餡貢丸湯 50元

文字としては見た事があったがどういうものだかちっとも想像がつかなかった。でも、この肉圓というのは新竹が名産というのではなく、彰化が名産だというのを聞いたことがあったのだが、実際にはどちらなのだろうか?一度売れてしまった製品は、あっという間に台湾全土に広がって、あっという間に我先に「正統」とか「元祖」とか意味不明な冠を付け始めてしまうというのも台湾の屋台の特徴であるからだ。実際の肉圓だが、ぷにぷにした片栗粉の塊みたいな生地の中に、肉まんの肉が詰まったようなものである。このぷにぷにした感じというのが、台湾でよく見かける食感の表現である「QQ」なんだと思う。またこの中に入っている肉というのが、肉まんの肉のようだと表現したが、実際には肉になのほかに筍と葱が入っており、それを酸味の強い梅のような少し酸っぱさがあるのが面白い。QQな生地と一緒に肉を食べていると、それだけで結構満腹になり、結構美味しく食べられる。
お目当てのビーフンは、いろいろな食べ方があると思うのだが、ここでは焼きそば風の炒めたビーフンを食べることにした。ビーフン自体はそんなに味があるわけじゃないのだが、これが調理されると、いかようにも化けるので重宝されるから、素材として使われているんだと思う。でも、個人的には食べたあとの感想として、汁麺のほうにしておけばよかったと思う。
什錦湯は、白身魚の切り身が入ったスープである。メインの白身魚の種類は全然分からないのだが、きっと台湾産の魚なのだろう。淡白な味付けを考えたときには、もしかしたら台南あたりで採れる虱目魚かなという気もしたが、実際にはなんの魚だか分からない。貢丸湯は、魚肉湯に似ているが使われている素材が豚肉という点では異なる。海鮮スープに染み込んだこの球状の団子は、それだけでも美味いが、味が染みるとだんだん味がよくなってくるおでんになんとなく似ているなという気がした。

名前が似ているがちょっと頭に冠がついている包餡貢丸湯は、貢丸湯をさらに大きくしたもんではあるが、大きいだけにはそれなりの理由がある。それは肉団子の中にさらに肉団子があるのだ。それも違うタイプの肉。だから、内側の肉と外側の肉との間に、微妙に汁が含まれている状態になるので、小籠包を食べているときのように、中から熱湯が口の中にあふれてしまうようなものだ。あの熱湯の熱さといったら経験したことがある人なら分かると思うが、まぁ、吃驚する。口の中を火傷しちゃうんじゃないのかというような熱さだ。料理が運ばれてきたときに御代はお店のおばさんに渡せば良い。そのあとは好き勝手に持ち帰るなり、その場で食べるなりすればいいだけだ。

それにしてもこの店はひっきりなしに客がやってきている店で、大繁盛だった。

百年老店 阿城號
新竹市中山路75號 [城隍廟口/天宮爐旁邊]
營業時間:約6:30~21:00

0 件のコメント: