台北松山空港を利用するのは、随分昔に国内線を使って台東へ行ったことがあるときに使ったことがある。そのときの印象では、松山空港は、近代国家に入った台湾の一番の都市の空港であるにも関わらず、どうも田舎っぽい感じと、豪華さが全く無く、もう少し洗練したほうが良いとおもうんだが、どうして野暮ったいんだろうと思っていた。
当時は、空港のカウンターに行ってみて、預けなければならない荷物があった場合、カウンターで荷物を預けてくれるような手続きをしてくれるのではなく、チェックインしたあと、搭乗券と荷物を持って、荷物を預ける別室に行き、そこで荷物を預けるということをしなければならなかったのである。確かに、ベルトコンベアーを各チェックインカウンターに設置する必要が無いということで、空港にとっては都合がよい作りになっているのだが、カスタマーマインドとしてはこんな不便なことは無い。
今回も松山空港から帰国する際には、同じようなことが起こるんだろうなと思って空港に向かってみた。
ホテルから空港まではタクシーで10分以内のところにあるのでとても便利である。もちろん最近MRTが空港まで繋がっているので、それを使うというのも1つの手だが、ランディス台北ホテルからMRTでいく場合、一度忠孝路まで下って、さらに空港まで上がっていかなければならないという2回の乗換えをしなければならないというのが本当に面倒くさい。そう考えてみたら、タクシーで真横に突っ走ったほうが早いのは当たり前だ。
国際空港としての機能をもともと持っておらず、国際便をすべて桃園空港にしてしまったのは、羽田空港と同じような松山空港を、上海と東京へ都市間交通便として利便性を図るために無理やり国際空港にしてしまった空港を、どのように拡張させたのかを確認したかったのが、今回の羽田=台北松山便を利用した理由の1つでもある。
羽田の国際ターミナルも、国内ターミナルや成田に比べると小さいのだが、それは海外に飛ぶ便の数が少ないということを考えるとちょうどいい。台北松山空港の場合も、いまは上海と東京便しかないために、そんなに拡張する必要が無いのである。だから、その拡張のしかたが中途半端に見えるために、「おまえ、やっつけ仕事をしただろう?」とみたいな感じに正直見えた。空港のチェックインカウンターのところは、見た目は桃園空港と同じような対応をしているのだが、それ以外のところが貧相である。
出国手続きは2階から出て行くことになるが、そのときの手荷物検査もあまりチェックが厳しくない。おまけにその出国手続きをするところの対応するべき人数が少ないために、係員も適当である。空港内にある免税店も1軒しかない。シンガポールみたいに、むやみにブランド物の店を入れ込んで、これでもかーというくらいシンガポールに金を落とさせるというのも品がないのだが、あまりにも店が無いというのもさびしいものである。桃園空港みたいに店はあるのだが、あちこちに新東陽の店があったり、同じような店がこれでもかというくらいあるのも、これもまた芸が無いと思う。国際便のゲート数が少ないために、国際便を利用する人用の店も必然的に少なくなるのも分からなくも無い。だが、少なすぎると思う。もっと笑えるのは、搭乗までの時間を潰すために、出国手続きをしたあとに利用できる飲食できる場所のこと。これもまた1箇所しかないのだが、ここまで台湾を意識させてしまうようなものだったとは思えなかった。というのも、空港内のそれも搭乗口付近に屋台が出ているからである。あんまりがっつりとご飯が食べられるという施設ではない。飲み物の提供はできるし、スナックの提供は出来る。担仔麺は食べられないが、おでんは食べられるという意味不明の食事処である。
外気の気温はたぶん10度くらいだったことだろう。なぜか搭乗口附近は全体的に暖房機能が全く無くすごい寒かった。外気がそのまま入り込んでいるんじゃないのだろうか?というくらいの体感温度。やっつけ仕事で国際ターミナルは作ったものの、通常の国内線であれば、それほど搭乗までに時間に余裕を持ってやってこないということから、搭乗口に充実したホスピタリティを用意しなくてもいいと考えていたのかどうかは定かではない。国際線となると、大抵の人は結構長い時間待つことになるだろう。それを考慮するような作りになっていないところが残念だ。ここはもっと改良するべきところだろうと思う。
おまけにこの日の帰国は、なぜか定刻より45分の遅れ。チェックインカウンターで「機材が遅れているので、出発が遅延します」という説明を先に聞いていた。しかし、搭乗串前の付近で座っていたときに流れてきたアナウンスでは、「出発時間が遅れます。遅れる理由は現在調査中です」と言っていた。ん?言っていることが矛盾していないか?だけど、間髪入れず、そのあとすぐに「機材が届いていないために遅れます」というアナウンスが流れていた。一体どうなっているんだろうか?
忘れていたが、チェックインカウンターで並んでいたときに、その列に係員の人がひとりずつアンケートを取っていた。それは、この空港までどのような手段でやってきたかということだ。理想的な答えとしてはMRTで来たという答えを待っていたのだろうと思うが、残念ながら自分はタクシーなので該当せず。MRTの出口は到着ロビーの目の前から下にもぐれるところがあるので、とても便利になっている。しかし、MRTの路線は、地図で見てもらうとわかるが、なぜか空港があるところの部分ですごい屈折している。乗客が乗れ易いようにするためなのか、理由はよくわからない。今後、この台北松山空港を利用した国際線ももっと増えることだろう。そうなったときには、古くなった松山空港のターミナル自体を総取替えするような大規模工事をするべきだと思う。まずは、国際線を飛ばすことが目的のために必要最低限の設備を追加したという段階が今なのだが、これを打破するためには、あちこちからの來台の際に松山空港を玄関にするような仕組みを作ればいいと思う。
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