バンコクのチャイナタウンには、もちろん中国式の寺院が存在する。ヤワラートの一角にある寺院だが、入口からして、どこが寺院なんじゃい?というようなつくりであり、まるでアパートの様な外観。地図がなかったら、たぶんどこに寺院があるのか全く分からず、ちょっと見ただけなら通り過ぎてしまうような普通の建物のようなのだ。建物自体は表通りに面しているわけじゃなく、建物がある敷地内に入れる口が、ビルに入れる駐車場の入口みたいに開いているだけなのだ。もっと他の地域の中華式寺院みたいに、入口からどどーんと派手目になっていればわかるのだが、そんなのはない。強いてどの辺に寺院があるのかという参考になるのは、通り沿いに提灯やら線香やら、いかにも寺院で使うような小道具を売っている店が傍にあると、その近くが入口なのである。
この寺院は、1871年に建てられたバンコクで最も古くて有名な中華系寺院で、寺院内部には58体の神体が鎮座し、終日多くの華人たちが参拝にやってきている。中国語名では「龍蓮寺」。鎮座している神様はなんなのかというと、道教と仏教が一緒になっているような典型的な中華寺院なので、なんでもありなのだ。大黒様もいれば、観音様もいれば、関羽もいるというものである。
ただ、なんとなくこの寺に全くご利益を感じない。その理由は、正面に並んでいる仏様の像の後ろがネオンによって光っているからだろう。奇妙にも、金色の仏像の後光の部分が電燈になって光っているのである。ベトナムの寺に行ったときのも後光のところが点滅になっていて、何じゃこれ?とおもったこともあるのだが、それに近いものがある。でも、地元の中華系の人は大真面目にその仏像に向かってお祈りしている。失敬なことだとはおもうのだが、その大真面目にお経を唱えていたり、拝んでいる様子をみていたら、心から笑えて仕方なかった。お笑いを見ているようだからである。しかし、たぶんバンコクの人から見ると、日本の仏像は木像だし、なんにもメッキが塗られていないし、あんなボロい木に向かってなにを拝んでいるんだ?と笑っていることなのだろう。所変われば文化も違うのである。
このワット・マンコーンの敷地内は道路に近いところは学校になっているようで、中華系の子供が通えるようになっているみたいだ。バンコクでも中華系の人は中国語を学ばせたいというような親もいるんだろうから、そういう人たちの子供が通えるようなものなのだろう。日本の中華学校と同じ扱いだ。
ワット・マンコーンカマラワード(Wat Mangkorn Kamalawat)
URL : http://www.lengnoeiyi.com
営業時間 : 6:00-18:00
定休日:基本的になし
入場料:無料
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