バンコクは世界でも有数の渋滞地域と言われている。特に通勤時間帯の朝と夕方の混雑振りは本当に酷すぎる。全くと言って良いほど車は動かなくなるのだ。まるで毎日が年末年始の地方へ行くひと、地方から帰ってくる人の高速の交通渋滞といった感じである。これが毎日行われるとなると、車に乗っている人たちにとってはストレスの固まりになるんだろうとおもうのだが、それだったら車なんか使わず、公共のバスやBTSを極力使えば良いとおもうのは日本人。だが、自分が中心とおもっているタイ人にとっては、俺は急いでいる、おまえがドケというのが基本的な考え方。だから、他人がバスに乗れば良いとおもっているし、自分たちは自分の好きなような手段で行ける環境が良いと思っているのだ。このあたりは中国系の人が多く住んでいるバンコクならではの考えなのだろうかどうかはわからない。
混んでいるのが分かっているのに車を使っているという住民の考え方も変なのだが、もっと変なのは道路の交通システムのほうだと思う。太い道のくせに一方通行だったりするし、対面交通になっている道路でも、往路と復路で車線数が全く異なっているというところがあるのである。全部で6車線の道路だったら、3車線-3車線で交通運用すれば良いのに、なぜか5車線-1車線というような仕組みになっていたりするのだ。なんでこんなわけのわからないような仕組みにしているんだろう?太い道なのに一方通行というのは、台北でもシンガポールでもよく見かけることなので、これはこれで問題ないと思う。
さらに悪いことに、時間帯によってはある方向に行くのはNGになるような道路が結構たくさんあるのだ。夕方になったら、どこからともなく現れた警官などが、道路の真ん中に工事中によく使うコーンを立てはじめて、「これ以上はこの道は通れません」というような主張をし始めるのである。なんでそんなわけのわからないことをするのだろうか?それも幹線道路で。裏道のようなところだったら分かる。だから、タクシーの運転手なんかは、いつの時間にどの道が通行止めになるのかという情報を事前にしておかないと、かなりの遠回りになってしまうのである。たまたまそういう事情を知らずに、通行止めになってしまうような道路に入ってきてしまったタクシーに乗り合わせた場合には、わざと運転手が遠回りをしているんじゃないのか?と疑った目で見るようになるだろうが、中にはそういう悪い運転手も居ると思う。大抵の場合は知らなかったというのが理由になると思う。
東京も交通量が多くなってきたため、線路を越えるような幹線道路は、踏切をなくして地下に潜ったり、高架にして踏み切り待ちにならないようにするような工事が頻繁に行われている。是と同じようなことをバンコクでも積極的に現在行われている様子だ。だが、まだまだ全部が対応できているというわけじゃないので、たまに踏み切りによる交通遮断ということに出くわすこともある。電車がくる寸前に踏切が動けばいいとおもうのに、ずいぶん前から踏み切りを遮断してしまうようなことを行うので、余計、車の踏み切り遮断中継というのが長くできてしまうのである。
もっと笑えるのは交差点の信号について。大きな通りと少し小さな通りがクロスするような場所だと、大きな通りのほうが断然長く点灯しているような有利な交通運用がされている。それは交通量と密接な関係があるかで、たくさんの車が通る通りを頻繁に赤信号にしてしまっては、それだけ車が渋滞になってしまうからである。だから縦通りと横通りで、青になっている時間の長さが違うのはありがちな施策だと思うのだが、バンコクの場合意味不明なのが、十字路になっている交差点では、縦方向なら往路も復路のほうもどちらも青になっていれば良いのに、なぜか往路だけ青で、対向のほうが赤になっているというような仕組みを作っているところが結構多い。つまり、同一方向が青になっているという順番は、対向方路→横方向の往路→横方向の復路のあとに巡ってくるという4回に1度しか廻ってこないという変な仕組みになっているのが多い。だから、一度赤信号に捕まってしまうと、次の番まですごーく待たされるというオチに出くわすのだ。これによって2つの弊害が生まれている。1つは、青になっているうちにどうしても行こうと強引に突っ込んでくる車が多いということ、もう1つは、待ち時間が長くなるので、車の排気ガスが交差点付近はすごーく濃度が高くなってしまって空気汚染になっているということ。バンコクの交通量が多い交差点で、このような意味不明な施策をしているのは、日本と同じように左側通行している車が右へ曲がる際に、対向してくる車の流れが収まらないと右折することができないのだが、その対向の流れを一切止めてしまえば、右折のために一旦停止をしてしまうこともないから、後ろに車が渋滞することが無いというのが理由なんだろう。だが、淡々と信号を頻繁に変えればいいわけだし、両対向が同時に青になっていたほうが断然良いとおもうのだがとおもう。一度赤信号に捕まってしまったら10分は次の青になるまで待たないといけないというオチは、本当ににイライラしてくる。
繁華街は交通量が多くなるので、そんなところを通ろうとするタクシーはダメ。裏道をいかに知っていて、交通渋滞になる時間帯にはどこを通れば希望のところにすんなりいけるのかというのを知っている運転手ほど優秀であると思う。が、これもバンコクではどこまで有効なのかは疑問だ。なぜなら、優秀なタクシーは結構たくさんいるのだが、みんなおんなじことを考えることは同じようで、裏道だから空いているとおもったら大間違いで、裏道は道が狭いからなおさら対面通行をするのが一苦労する場所である。おまけに四輪車だけじゃなく、道路のゴキブリのバイクやスクーターも走ってくるから、もうひっちゃかめっちゃかになっているのだ。だが、信号で長時間待たされるという状態よりは、ちょっとは先に進んでいる感がある裏道通行のほうが良いようだ。
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