ワット・ラーチャナッダー(Wat Ratchanada)は全体を白い壁で囲まれていて、入口から入ると、そのときにはタイの他の寺と同じように、白壁に独特の色の屋根を持った寺院が正面に建っているので、この寺院自体は大しておもしろくもなんともないなーと思うかもしれない。しかし、この寺院ではいま目の前に見えている白壁の建物を見るために来たわけではないのだ。タイの寺院としてはこんな変な建物は無いと思われるのが実は裏側に存在する。
その変な建物に行く前に、白壁のまともな建物のほうをみてみることにする。
白壁のほうの建物は、たくさんの高い柱に支えられた、天井の高い部屋が真ん中にお堂のように存在している建物であり、こちらには他の寺と同様、金色の仏像が鎮座している。あんまりここに有り難がってお参りにくるひとがいないのか、だーれもこの仏像の前には地元の人がいないので、ほぼしばらくの間独占状態で眺めることができた。お堂の内側の上のほうにある壁は、青色を基調としているが、よくみると壁の模様が全部金色の仏像なのであり、たぶん普通の家にこれと同じようなデザインの壁模様にした場合には、絶対趣味悪いねと言われるに違いない。また、仏像の前には立っているお釈迦様、座っているお釈迦様と、大中小のお釈迦様の仏像が立っているので、ここまで同じ種類の仏像を立てなくてもーとなんだか笑えてしまう。
さて、白のまともな建物の裏には、聖域の建物らしくなく、実に黒い。隣りに白壁の建物があるからかもしれないが、真反対で黒い建物なので、悪魔でもすんでいる建物なのかと思ってしまう色だし、さらに建物は屋根全体に小さな塔が乱立しているようなデザインになっているので、ここまでそんな刺々しいデザインでもなくてもよかったんじゃないのか?と思う建物がある。名前としてはローハ・プラサートというらしい。スリランカスタイルの寺院なんだそうで、これは仏陀やその弟子が修行をした場所を象徴したものとして建てられたものである。
隣の白壁の建物とは異なり、ここは内部が回廊のようになっており、螺旋式の階段で頂上まで上がることができる。ヨーロッパの寺院では天蓋のところまで上ることができるという寺院が結構あるのだが、まるで来訪者が上のほうまで上がることができるというのはこのヨーロッパスタイルにとてもよく似ていると思う。うえからの景色は正直とてもいいものとは思えないのだが、地上からしか眺められない景色とは異なるという点では少し目線が変わるかもしれない。
寺と表通りとの間には、ラーマ3世記念公園というのがある。ここにはラーマ3世が座っている姿の像があるので、ついでに眺めて見るのも良いだろう。
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