アムステルダムの街中を歩いていると、いたるところで運河に出くわすのはシンボルみたいなものだから良いとしても、その運河には決まってボートが停泊している。葉山のような巨大マリーナと言うわけではなく、小型のボートから中型のボートまで停泊していて、観光用だったりリゾート用だったりと、ボートは渋滞の無い車の代わりに利用されているものだが、それでも気になるのが、ボートが家としての機能を果たしている場合だろう。
道路に浮浪者がいるというのを実はみなかったが、ボートが家ということは、もう定住地としての定義をぶっ壊してしまうようなもので、非定住地つき住まいと言うことになるだろう。つまり、ある場所が厭きたら、家ごとそのまま引っ越しと称して、好き勝手なところに移動できるというものである。引越し費用がゼロだ。こういうことが許されるのがアムステルダムの運河があるからだろうし、昔からアムステルダムは船町だったからということもある。
しかし、非定住地として存在していた場合、電気・ガス・水道・郵便等、通常の家で受けられるような公共サービスが受けられないということだが、そういうこともちゃんと享受したいひとは、土地付きではない形で、もうそこから離れませんと半分宣言したような形で停泊しているボートもあるのだ。
写真のようなボートがまさしくそうで、家はもちろん運河の上に存在するし、常にぷかぷかしている。しかし、なんか変だなというところは、そのボートが停泊している岸のところが、柵で囲われていて、勝手にその柵の中は私有地ですと宣言しているところだろう。私有地化しているため、ちゃんと郵便も届くし、住所もちゃんとあるというから面白い。電気も通っているようだし、水道も完備しているし、下水ももちろん完備している。土地の部分である運河岸との接続部分はどうなっているのかは詳細に調べたことが無いのだが、それなりにパイプを接続しているんじゃないのかと確信している。
いざとなったら、生活インフラの部分をぶち切って、そのまま公海に出てしまうということもできるのがボートだ。こういうボートハウスの生活をしているひとたちは、いったいアムステルダムにはどのくらいの人がいるんだろうか?結構あちこちで見かけるので、相当の数のひとが同じような生活をしているに違いない。
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