2012/09/27

王宮(アムステルダム)


何度アムステルダムに行っても、いつも閉館か、観覧不可期間という状態になっていて、存在は外からよく知っているのに、全く内部の様子がわからないところが、アムステルダムの王宮(Het Koninklijk Paleis Amsterdam)である。

今回のオランダ旅行で、初めてこの王宮が観覧可能の時期に出くわすことができた。ちょうど訪問した9/16がこの年の最後の観覧可能日であったことも幸いだった。だいたい、ここは王宮とはいえども、いつもベアトリクス女王が住んでいるというところではない。いまの女王はデン・ハーグに居住を移しているので、ここは儀式のときにしか使わない場所なのである。だから、女王が居ない間はここが観覧可能になるのだが、そうじゃないときには常に閉鎖されていたり、改装をしていたりと、本当に開いているときがいつもわからない。

ここが王宮としてまともに使われいたのは、ナポレオン率いるフランス軍がやってきて占領したときに、ナポレオンの弟であるルイ・ナポレオンが国王として君臨したときが一番の華やかな時期だったろう。その名残からか、この王宮の中で内部を見られる各部屋は、ルイ・ナポレオン時代の生活様式および王妃が使った部屋などがそのまま残っているのを見られるわけである。時代がいまのオラニエ家の王家のものではないものを見せられるというところが、アムステルダムの王宮を見たときに、なんとなく前時代的なもので、すごく違和感があるというように見えてしまうことなんだろうとおもう。

それでもここは名の通りに王宮なのである。だから、内部に入ると、至る所に警備員が立っており、観光客の一部始終を鋭い目つきで監視しているから、結構ビビリながら内部観覧をしなればならないのだが、壁を触ったり、怪しい行動をしなかったら、別に気にならない。

通常はEUR7.50を払って内覧することになるのだが、ミュージアムカルトを持っていたら、もちろんここでは無料。ここでもミュージアムカルトの威力を発揮したことになる。そこの入り口を入ったあとは、各部屋に内覧できるようになるのだが、なんといっても一番の大広間を拝んだあとに各部屋に行くべきだろう。

ほとんどが大理石の壁と柱でできた大広間は本当に広く感じる。ただ、ここはオランダのプロテスタント国家であるため、内装はカトリック国家とは異なり、すごーくシンプルにできている。赤絨毯でも敷いているものかと思ったらそんなものはすべて取り外されており、唯一豪華だなーとおもったのは天井から吊り下がっているシャンデリアくらいだろうとおもった。壁は三層構造の埋め込み式の窓になっており、両サイドからの光は結構内部に入ってくるから結構明るい。そして、正面には地球をモチーフにした球体を抱えている人の像があり、世界をオランダが支配しようと考えているところをモデル化しているようにも見える。

その大広間を囲むようにして、いろいろな部屋が存在する。応接室や謁見室のような部屋になると、さすがにかつての王が住んでいたところだというくらいのデコレーションがある。しかし、どこの部屋も、当時のままのインテリアを残しているのではなく、余計なパネル表示を用意しているので、こういうのが邪魔。たぶん、無知な人たちに対する優しい説明なんだろうけど、これが全体の部屋の雰囲気をぶち壊す感じがしていやだ。どうせならオランダなので持参している電子機器へwifiでデータを飛ばして、自分たちで勝手に内覧用の音声ガイドをするというような仕組みでもすれば良いのにと思っていたところだ。

王宮(Het Koninklijk Paleis Amsterdam)
URL : http://www.paleisamsterdam.nl/
Open : 12:00 - 17:00
Admission Fare : EUR7.50

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