2010/09/07

鹿耳門天后宮(台南)

オランダ軍との戦争で勝利を感謝する意味で、鄭成功は鹿耳門天后宮を建立した。この建物、半端じゃなく、デカい。とにかくデカい。ベトナムの古都フエにある王宮跡にあったであろう建物よりも、もしかしたら大きいのではないだろうかというくらい大きい。しかし、あまりこの建物は観光地として認知されていないようである。それもそのはずで、場所がとにかく不便な場所にある。海に近いところではあるが、顕宮里という場所に存在しているので、安平古堡からでも車で20分くらいかかる場所にある。そして、安平古堡あたりはまだ街として存在している場所なのでにぎやかだが、海に近いところ、そして郊外に出ればでるほど、道が広いだけで、周りは雑草地か未開墾地ばかりが広がっていて、とにかく何も無い。そんなところにポツンと、いきなり煌びやかで豪華な作りの巨大な廟というべきか王宮もどきというべきか、建物が出現するのである。台南の中でも見所がたくさんあるために、ここまで観光としてやってくる人がいないために、巨大な駐車場スペースはあるのだが、自分達が訪れたときにはほとんど人がいない状態だった。さらに言うと、最初はここまでタクシーで個別でやってきて、帰りも流しのタクシーに乗れば帰れるだろうとおもっていたのだが、タクシーどころか普通の車され走っていない、超ド田舎なので、今回のようにタクシーをチャーターして好きなところにいけるという手段をとったのは、とても正解だったと思う。この天后宮(媽祖廟)は、そんじゃそこらの媽祖廟とは明らかに違うともったのは、入り口の大きさにも現れている。車が全く来ないからということを良いことに、建物から離れるだけ離れてみて、建物全体を写真に収めようかなとおもったのだが、入りきらない。建物は、実は横に3棟存在し、本殿はその真ん中である。左右の建物は社務所のような役割を持っており、檀家の人たちがやってきたときの休憩所の役割としての機能を持っている。ところが、建物は左右3棟だけに留まらない。実は建物は、南北にまた三段階の形式を取っているのである。それも奥に行けば行くほど高い建物の形式になっている。これは、奥の院(?)にあるところが、本当の本殿であり、そこまでに行く間に、数多くのさらに参拝するべき場所を作っているということなのである。こういう建物の作り方をしているのは、紫禁城やフエの旧宮などのような王宮の作りでしか見たことが無い。たぶん鄭成功は、この鹿耳門天后宮を神様が居座る王宮に見立てて、巨大で豪華な建物を作ろうとしたのではないだろうか。面白いことに、ここは表向き媽祖を祀っている場所なのだが、仏教に関する神様も鎮座しているところが面白い。日本で言うと、天照大神と阿弥陀仏が同じところに鎮座しているようなものだ。ただし、そこはなんでもありの台湾人でもすこしは配慮したのか、1回は道教に関する神様が鎮座し、2階に仏教関係の神様が居るというような構造をしている。しかし、1階といっても、すごい高い天井を保持したところに神様はいらっしゃるために、2階にのぼるときの階段の数は半端なく多い。まるで5階あての階段を上るくらいの多さなのである。そこもまた神様へ近づくための修行なのだろうか?

1階の神様は媽祖を中心として関羽のような道教の有名人勢ぞろいといったところだった。「旅名人ブックス・台南」によると、巨大な黒い媽祖像が居ると書いていたが、どこにそんなのがあったのか気づかなかった。見落としたのかもしれない。2階に行くと、阿弥陀仏や千手観音など、日本でもおなじみの仏教の神様が金ピカ状態で鎮座。うーむ・・・ここまで金箔できらきらされていると、なんだか気持ち悪い気もするが、台湾人としてはこういうのを好んでいるのであれば仕方ない。

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